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03 05
2006

おすすめ本特選集

『夜這いの性愛論』 赤松 啓介


夜這いの民俗学・夜這いの性愛論
赤松 啓介

夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

 一冊の本を読み終えたら世界の見え方が変っていたということがあるが、この本はまさしくそのような本である。おおらかで積極的で目からうろが落ちるようなむかしの男女の性体験、性風俗が語られていて、こういう語りこそが大人から人生を教えてもらうというものだろうと思った。

 性をあからさまに語るということはまさしく人の生きざまを語るということなのだと思う。性を語れなくなった現代というのは人生をも伝えられないということなのだろう。性に拘泥せずにおおらかに性を楽しんだむかしの日本人の姿を知ることはかなりのカルチャーショックである。とにかく読むべき本である。


性の民俗誌 差別の民俗学 セックスボランティア 日本人の神 非常民の民俗文化―生活民俗と差別昔話
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03 05
2006

おすすめ本特選集

『恋愛セラピー』 松本 一起


恋愛セラピー―読むだけであなたの想いがかなう!
松本 一起

恋愛セラピー―読むだけであなたの想いがかなう!

 かなりすばらしい本である。喧嘩や嫉妬より、愛したり許したりする気持ちのほうがどんなに大切なことか教えてくれる本である。愛する人を失うために怒りや嫉妬に駆られるわけではないのだから。この本は愛する愛おしさの気持ちをなんども思い出させてくれるかなりいい本である。

 「恋人が出来なかったあなたは、今まで自分のことを大切にしていなかったのです。今日からは、あなた自身を過大評価して、上へ上へ舞い上がりましょう」

 「いいですか、人に自慢しては駄目です。あなた自身に自慢してあげるのです。毎日、自慢してください。あなたはたくさんの人の前でも、堂々とあなたでいられるはずです」

 「恋愛の想像は、なぜかマイナス志向が多いのです。頭で思うって分かりますか。気持ちを鎮めることから始めるのです。好きな人のことを悪く悪くイメージして、押さえ付けてゆくのです」

 「嫉妬しない方法。とても簡単なのです。相手を信じればいいのです。悪い想像力を使って、些細なことを広げなければいいのです。たった、それだけのことです。だって、あなたはその人と別れたいのですか。相手の人のことをすべて信じればいいのです。疑うなんて最低です」

 「あなたが、彼のことを心から愛していたり好きだったりしたら、どんなことでも許してあげるのです。――それとも、自分の我を通して、相手を押さえ込んで、相手に謝らせたいのでしょうか。何日も何日もかかって、相手に謝らせたいのですか。その間、音信が途絶えても自分を優位に立たせたいのですか。好きな人と喧嘩して何が楽しいのですか。ただ苦しむだけなのです」


失恋セラピー―あなたは今が、ほんとうに美しい 「男」についての100の質問―「何が心を動かす“きっかけ”になるのか?」 だからあなたは今でもひとり―悲しい別れ、離婚、失恋のあとでもういちど愛を手にいれたいあなたへ 別れのルール―苦しいばかりがサヨナラじゃない ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた
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03 05
2006

おすすめ本特選集

『この人と結婚していいの?』 石井 希尚


この人と結婚していいの?
石井 希尚

この人と結婚していいの?

 男と女のすれちがいに悩む人には最高の名著だと思う。男と女の感じ方、考え方のちがいをこれほどまでに明確に具体例をあげて教えてくれる格好の本はないと思う。

 たとえば女性が「話したくない」といったとき、傷付けられたことを訴えたいだけであって、男は言葉どおりにうけとって黙ってしまいがちになるが、そうではないという。女性は気持ちの共感や同情がほしいだけなのである。

 女性は大切にされているという実感をとても大切にするが、その安全基準がどこにあるのか男にはまったくわからない。だから男性には女性がなんで怒っているのか訳のわからないことが多い。タオルの置き場所を怒ることによって、大切にされていない不安を訴えたりする。男性は女性の感情生活により神経をそそぐことが重要なのである。

 男なら女性の脈絡のない会話に閉口したことがあるかもしれないが、男は要件や用事のない会話はムダだと思うからだが、女性は会話する安心感や共有する充実感をとても大切にするため、沈黙をひどく怖れる。関係が破綻しないよう男はなんでもない会話でも共有する努力を怠ってはならない。

 この本はほんとに男と女の言葉と感情のすれちがいを見事に解明してくれていて、感嘆と発見と驚きの連続の本である。経験したかもしれない男と女の言葉や感情のすれちがいの原因をあちこちで見出すことになるだろう。

ホントに、この人と結婚していいの? 本当に好きな人と世界でいちばん幸せになる! 選ばれて幸せになる7つの法則 “なりたい自分”になる教科書(ハッピー・セオリー)―今日一日を“いい顔”でスタートできる本! 愚かな女は騒がしい。賢い男は珍しい。
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03 05
2006

おすすめ本特選集

『なぜ彼は本気で恋愛してくれないのか』 ハーブ ゴールドバーグ

なぜ彼は本気で恋愛してくれないのか
ハーブ ゴールドバーグ 角 敦子

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 たぶん女性向けに書かれているのだろうが、男がぜひ読むべき女性にとっての男の性質がどのようなものかを教えてくれる驚嘆の書である。男らしさ、男としてよかれとやっている論理や感情の抑制が、女性を傷つけているとはじつに皮肉なものである。

 「少年のころは、身近な人に頼らない男らしさを見せると好感をもたれました。とくに喜ばれほめられた気質は、自立心旺盛、意欲的、野心的、目標志向、ワンパクさ、責任感の強さ、活発さ、といったところでした。
 ――ところが皮肉なことに、彼を「男らしく」見せていた気質が、将来「無神経」で女性に横暴にふるまう男に彼をしたてあげてしまうのです」

 男は男らしくなろうとしてクールで論理的で無口になろうとするものだが、感情と共感をとても大切にする女性にとってはその態度は拒絶や拒否としかとられかねられないものなのである。

 男として条件づけられたものが、女性との気持ちのすれちがいを数々ひきおこしていることがこの本の中で多くとりあげられていて、本書は感嘆することしきりの本である。もちろん女性として条件づられたものが男にどのような気持ちをひきおこさせるかものべられている。

 この本は男と女の違いをのべた私にとっては赤ラインとドッグ・イヤーだらけの貴重で重要な本になった。男女ともども読んでほしい本である。


だから、彼女は愛される―男がずっと一緒にいたい女 男が「大切にしたい」と思う女性50のルール―男はこう考え、女の「ここ」を見ている! 「やすらぎを与える女性」50のルール―“ずっと一緒にいたい”と思わせる魅力 好きな彼に言ってはいけない50のことば―“恋”を育てる会話のマナー ジョン・グレイ博士の「愛される女」になれる本
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04 12
2008

おすすめ本特選集

新入生にすすめる10冊の本、私ならこれを選ぶ



 「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」で、「東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊」という企画をやっていた。800近いはてなブックマークがついていたので、かなり評判のようですね。

 ベスト10を順番にならべるとこうなる。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎オリエンタリズム〈上〉 (平凡社ライブラリー)利己的な遺伝子 <増補新装版>
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)日本人の英語 (岩波新書)続・日本人の英語 (岩波新書)
沈黙の春理科系の作文技術 (中公新書 (624))ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)夜と霧 新版

 人文書好きな私から見ると、理工系の趣があって物足りない。人文系にしぼるともっと楽しめたかも。

 『銃・病原菌・鉄』は未読なので、そんなにおもしろいのかと少々びっくり。サイードの『オリエンタリズム』は少々専門的なので、私は村井紀『南島イデオロギーの発生』か北川勝彦『帝国意識の解剖学』あたりをすすめる。『カラマーゾフ』は読んでないなあ。スティーヴン・ジェイ・グールドってそんなに読む価値があるのか。『夜と霧』のアウシュッピッツはどうもなあ。

 以下ちょっと目についたものをとりあげる。11位のウォルフレン『人間を幸福にしない日本というシステム』。官僚批判と生産マシーン国家を批判した、たしかに私もおすすめしたい本なのだが、世間からすっかり忘れられていたと思っていた。14位に『ワイルド・スワン』。中国の文化大革命をとりあげていて、なんていう国家だと思わせる。33位に大森荘蔵『物と心』がランクインしていて、この人は評価されているのだなあ。私は仏教の哲学版だと思っているが。

 人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)ワイルド・スワン 上 (1) (講談社文庫 ち 4-1)物と心 大森荘蔵
物と心

 ベンヤミン・コレクションが53位。再評価がいちじるしいですね。ベイトソンの『精神の生態学』が61位。読みそびれているなあ。69位の岩波新書のカー『歴史とは何か』は根強いですね。

ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味
ベンヤミン・コレクション〈1〉近代の意味 (ちくま学芸文庫)精神の生態学歴史とは何か (岩波新書)

 72位は私の大好きなフロムの『自由からの逃走』。人間心理の透徹した洞察というものである。86位にリップマン『世論』。ステレオタイプに流される世論を批判。100位にナショナリズムを分析したアンダーソン『想像の共同体』。

自由からの逃走 新版世論〈上〉 (岩波文庫)定本想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)

 ちなみに私なら新入生にすすめる本はつぎのように選ぶ。といっても、書棚や記憶のひきだしから、おすすめ本を選び出すのは容易ではない。当時読んだときの記憶や印象を鮮明に覚えているわけではないからだ。私の記憶力がよければその感動量の大小で選ぶことができるのだろうが、読書時の鮮明さを覚えているわけなどないし、甲乙つけがたい本もたくさん記憶に眠っているし。まあ、かなりの程度手近に思い出した本のリストになる。

 どんな本を選ぶべきかもむずかしいが、4年後に社会に出て働くことになるのだから、労働や企業、経済について先に学んでおくべきだと思う。

 1位にはアラン・ド・ボトンの『もうひとつの愛を哲学する』を選ぶ。ステータスや名誉を求める心というものを見極めることは人生とってとても大切なことだと思う。人間を動かす原動力というものをしっかり知っておくべきだと思う。

 もうひとつの愛を哲学する―ステイタスの不安

 2位には流動化してゆく雇用情勢・働きかた、企業というものを知っておくためにこの本をすすめます。風間直樹の『雇用融解』。若者の雇用はどんどん流動化・非正規化していっている。その現実を見極めることが大切だと思う。

 雇用融解―これが新しい「日本型雇用」なのか

 3位にはリチャード・カールソンの『楽天主義セラピー』。私はほかの機会にもこの本をすすめまくっているのだが、「思考を捨てる」という方法が人生の危機や不安にどれだけ必要な知恵か、どんなにいってもいい足りないと思う。この知恵を身につけるかつけないかの違いによって人生の落ち込みや危険度もかなり変わってくるだろう。

 リチャード・カールソンの楽天主義セラピー

 4位にはヴェブレンの『有閑階級の理論』。ファッションや車やインテリアやショッピングに事欠かない現代社会では、「みせびらかし消費」について分析した本はとても重要なものだと思う。消費を反省する意味でぜひとも読んでおきたい一冊。

 有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究 (ちくま学芸文庫)

 5位にはこんな本をあげれば教養の方を疑いがかけられるが(笑)、櫻井健古の『捨てて強くなる』という軽い自己啓発書をすすめたい。人間の比較や価値を相対化する視点を与えてくれる本で、その軽い外装とは別にかなり深い哲学をふくんでいると私は思う。愚かになったり、無価値に生きるススメが説かれていて、むかしの仏教者はそのような達観した生き方をしたのだが、現代人は比較や優越の欲にまみれた愚かな生き方をしている。勝利や優越や権力を笑うための本。

 捨てて強くなる―ひらき直りの人生論  櫻井健古
捨てて強くなる―ひらき直りの人生論 (ワニ文庫)

 6位には少々ハードボイルドで冷酷すぎるかもしれないが、ロバート・グリーンの『権力に翻弄されないための48の法則』をすすめる。人の社会というのは権力をもとめたり、奪い合ったり、権力のためにのしあがる争いという面が、平和な表面を一皮むけば必ずあるものである。冷酷で非情な現実の姿にしっかりと向き合うために。

 権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉 (角川文庫)

 7位には赤松啓介の『夜這いの民俗学・性愛論』をすすめる。こんにちは一夫一婦制とか終身愛といったひとりの人に操を捧げるという純愛の信条が一般的だが、これもひとつの信念や、あるいは市場関係に支えられているという相対的な目を養うために読んだほうがいいと思う。性というのもそんな大そうなものではない。目からうろこが落ちる本である。

 夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

 8位にはイリイチの『脱学校の社会』をすすめる。学校で教えられるという経験がなにを殺してしまうのか、しっかりと見極めておくべきだろう。専門家の弊害や近代化された貧困と多くの問題意識をふくんでいると思う。

 脱学校の社会 イリイチ (現代社会科学叢書)
脱学校の社会 (現代社会科学叢書)

 9位には宮本常一の『生業の歴史』をあげる。学校では政治屋の歴史を勉強させられるわけだが、われわれの多くはふつうのサラリーマンとして働かなければならないわけで、そのわれわれにとっていちばん大切なことは職業や労働の歴史ではないかと思うのである。われわれの人生とは職業や労働である。どうしてこの歴史が教えられないのか。どうやってご先祖様や日本の庶民は働き、生きてきたのか。こんな重要な知識はないと思う。

 生業の歴史  宮本常一(双書・日本民衆史)
生業の歴史 (双書・日本民衆史)

 10位には中川八洋の『正統の哲学 異端の思想』をあげる。少々過激であるかもしれないが、こんにち正義とされる「人権・平等・民主」という概念の危険性をとなえた本で、目からうろこの本でもある。ルソーの民主主義や社会主義が批判され、保守の正当性がとなえられていて、ひとつの相対的な視点の勉強になる。

 正統の哲学 異端の思想―「人権」「平等」「民主」の禍毒

 まあ、試みに以上のような本をあげてみた。ほかによい本もいくつもあって、忘れられているだけかもしれないので、これは決定版ではありません。というか、すべての私の読んだ良著を思い出すのはムリ。まあ、思いつき次第ではこんなかんじということで。

11 20
2008

おすすめ本特選集

私のサイトのロングセラー



 かなり気が早すぎるのだが、私のサイトでの今年のロングセラーをお知らせしたいと思う。あと一ヶ月ほど今年はまだあるが、売れるものは変わらないだろうということで、早めにお知らせしたくなった。

 私のサイトから売れるものといってもロング・テールの最たるもので、ほとんど数冊売れる程度だ。ベストセラーや売れる本はほとんど読まないし。1位の本でもウン十冊がやっとである。

 けっこう特徴的な売れ方をしていて、数年前にホームページで紹介した整体関係の本がトップに来ているのは意外である。身体をからだや心として捉える試みが目をひいたのだと思う。左サイドバーにある「私のおすすめ本」もけっこう注目されているようだ。

 本選びの参考になれば幸いである。

1位
ボディートーク入門―体が弾めば心も弾む
ボディートーク入門―体が弾めば心も弾む
 怒りや悲しみなどの感情が身体をどのように固くしているのかを考察した本で、身体とは心である、心とは身体である、といったつながりを自覚させてくれる本である。怒りが背中の筋肉を固め、恐れが腹の筋肉を固めるといった心と筋肉の関係を教えてくれる。この関係を知ることによって、私たちはストレスが身体にもたらす負荷を知り、そして身体のコリがなにを意味するのか知ることができるのである。旧ホームページで考察したのは「筋肉から感情は解けるか」といったことだった。

2位
整体 楽になる技術 (ちくま新書)
整体 楽になる技術 (ちくま新書)
 一位の『ボディートーク入門』と近いところを追究している本で、感情が身体をどのような状態にしているのかを知ることはストレス管理としては重要な知識であると思う。心は身体のある部位を固め、慢性疲労をひきおこし、そして病につながってゆくのだと思う。身体からのストレス発散法も知りたいものである。

3位
リチャード・カールソンの楽天主義セラピー
リチャード・カールソンの楽天主義セラピー
 心のコペルニクス的転回をおこす私のイチオシ本である。思考とはなにか、どんな特徴をもち、過ちに陥りやすいのか、私たちの悲しみや恐れはなぜひきおこされるのか、そういったメカニズムを精緻に分析してくれる本である。考えることに価値をおいた社会での苦しみや悩みの理由を理解させてくれる。私たちは考えることによって苦しむのである。もし、考えなければ――なんの悩みも苦しみもない。思考の病に囚われた現代人の処方箋になる本だと思う。

4位
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉 (角川文庫)
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉 (角川文庫)
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈下〉
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈下〉
 権謀術数の秘伝書といったらいいだろうか。世の中、権力や欲望、勝利の奪い合い、とりあい、だましあいだと気づいたのなら、このような非情に権力を志向する知識はきっと役に立つことだろう。権力はこの世ではけっして評価されない。しかし世の中は権力の奪い合いや闘争でなりたっているものである。やられたり、損したり、不遇な目にばかり会うと思うのなら、このような権力闘争の実相・真相といったものを知っておくべきなのだろう。生半可ではない衝撃的な知識がつまった本である。

5位
無境界―自己成長のセラピー論
無境界―自己成長のセラピー論
 こんにちの心理学が心を癒すセラピーだとしたら、それらをも含んだ身体のセラピーや、究極的には悟りまでを包括した東洋宗教と西洋心理学の出会いの本である。悟りのような宗教的なものは信頼されない向きもあるだろうが、心のレベルでのセラピーは十分に説得性のあるものである。西洋心理学から東洋宗教を理解するための絶好の書である。東洋宗教を前近代的なものと侮る後悔を感じさせてくれる本になるだろう。

6位
孤独であるためのレッスン (NHKブックス)
孤独であるためのレッスン (NHKブックス)
 意外にコンスタンスに売れている本のようである。数年前に旧ホームページで考察した「孤独を責めない心をつくる」、書評「孤独の肯定」が好評なのか。私たちの社会は友だちや群れでいることを強制される、孤独が非難される世の中である。孤独でいれば、他人から批判されるばかりか、自分の内面で自分を責める、そういうメカニズムが植えこまれてしまっているものである。孤独になれば自分を責め、孤独を楽しんだり、意義を感じたりすることができなくなっている。この本が注目されるのは群れへの強制が強いためか、それとも孤独に陥る人が多いためなのか。私としては孤独に強くなることは必要だが、孤独を好みすぎるのも問題かな。。といまは思う。

7位
自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実 (講談社選書メチエ)
自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実 (講談社選書メチエ)
 いまはだいぶ治まってきただろうが、心理学や癒しといった言葉が猛威をふるった時期があった。心のケアやカウンセリングといった心が商品化される時代がやってきた。私たちは自分が精神的に病んでいないか、または心をつくりなおし、ポジティヴにしなければならないと教条的なシャワーを浴びたものである。この本はそのような心理主義的な社会に対しての政治-権力的な側面に目を向けた衝撃的な本であった。心理学というのは責任を自分の心のみに押しつけ、社会や経済になんの問題もないのだといった風潮をつくった。心理学の呪縛を解かなければならない時代になったのではないだろうか。

8位
「心」はからだの外にある―「エコロジカルな私」の哲学 (NHKブックス)
「心」はからだの外にある―「エコロジカルな私」の哲学 (NHKブックス)
 この本も心理主義を批判した本である。心理学は社会や経済に問題があったとしても、ひたすら個人にのみその責任や責を負うものである。心理学がもてはやされる時代というのは個人や心が責められる風潮を生む。そして社会や経済の問題は放っておかれて、カヤの外で知らんぷりだ。問題がとりのぞかれず、個人あるいはその心のみがとりのぞかれる。心理主義の時代というのはひじょう危険な時代であり、権力者や支配者にとっては都合のよいイデオロギーになることだろう。自分たちから心や個人をとりのぞいてくれるからである。

9位
自我の終焉―絶対自由への道
自我の終焉―絶対自由への道
 思考や言葉の病を問いつづけた宗教哲学者クリシュナムルティの書である。思考や言葉がわれわれに誤った考えや間違いを起こさせる根本的な病ではないのか、クリシュナムルティは問う。西洋の知能や学問では問えないレベルの考察をクリシュナムルティはおこなっているのだと私は考える。しかしながら現代の知にとって宗教はもちろんタブー的・オカルト的と捉えられるのが常であるから、このような知の重要性や必要性がわかる人だけに読まれればいいのだと思う。言葉や思考の病に気づける人は幸いであろう。

10位
自己主張がラクにできる本―ありのままの思いを上手に伝える (サンマーク文庫 G- 106)
自己主張がラクにできる本―ありのままの思いを上手に伝える (サンマーク文庫 G- 106)
 意外にこのような本がランクインしたのはいいたいことがいえない人が多いからだろうか。言葉を呑みこむ機会が多いということである。相手の反感や怒りを買わずに自分の意見や考えをつたえる方法はないだろうか。著者は他人のことばかり気になる他者中心の意識から、自分の気持ちを捉える自分中心の意識に変えることが自分の意見をいいやすい方法だという。私たちはあまりにも他者中心になっているものである。「あいつがどうした~」「あいつがなにをした~」とか他人を配慮する姿勢ばかりつくってしまう。だからいえなくなるのだという。「私はどう思う」「私はどうする」といった意識の変換を説くこの本はエポック・メーキングな書である。


 以上が私のサイトのロングセラーである。私がさいきん読んでいる本といささかかけ離れたむかしに読んだ本がよく売れているのだが、まあ人それぞれにおいて必要な知識というのは異なるもので、読書は必要なときに必要な本を読むのがいちばんというものである。ベストセラーやだれかの必要から読む本より、いまの自分にとっていちばん必要な本を読むのが読書の王道というものだろうし、それ以外に役に立つ本の読み方というのはないものである。いまの自分にとって時宜を得た本を読んでほしいものである。



12 28
2008

おすすめ本特選集

2008年、私のGREAT BOOKSと読書傾向



 毎年、恒例になりました年間の私の「GREAT BOOKS」ですが、2008年は意外に多くて五冊になりました。私としては自分の疑問や好奇心にまかせてひとつのテーマを追究するという根強い読書はできなくて、40歳をこえて正直なところ知的好奇心の減退がそろそろやってきたかなという残念な気持ちがきざします。

 このGREAT BOOKSの選考というのはあくまでも私個人のとても感銘をうけた本という意味で、だれもかれにもおすすめできるわけではないということは注意をお願いしたいと思います。私の関心の文脈や好奇心の流れという土台のうえに出会ったからこそ私は感銘したのであって、そういう下地を共有していない人が同じように感銘するとは限らないのはとうぜんのことですね。まあ、読者の方は他人の選考はそういうものだとご存知だとは思いますが。

 ことしのちょっと掘りかけたテーマというのがふたつありまして、ひとつは売れない芸術家のように金でない価値で生きる方法を探ったり、もうひとつはアジアの途上国で円高差益でスローに生きる若者に注目したりしました。

 個人的には私は夏ごろに失職しまして(請負切りです)、9月からの金融危機、雇用危機と落ちてゆく情勢に釘付けになったのですが、失業中の節約生活のために思うように新刊本で情報を得られなくてとても残念に思っています。若いときに失業中はバカンスとして楽しめる余裕はあったのですが、40代の失業とこの雇用危機にはとても余裕のある日々を過ごせるというわけではありません。仕事に恵まれるよう祈りたい気持ちです。

 まあ、私のことしのGREAT BOOKSは以下のような選考になりました。正月休みの読書の参考にしてみてください。


金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか
(2007/01/01)
ハンス アビング

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芸術というのは世俗や金銭の否定がありますね。聖職者のように世俗から突出しようとしますね。貧乏であっても高貴な精神を失わない。下流社会や非正規雇用、ワーキングプアといった序列や階層が劣位に追いやられようとそのような強い精神をもてないか、そういう探索でこの本や芸術家という存在を探ってみました。貧困社会になろうと精神の矜持を保つために芸術家に学べることはないだろうかということですね。

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)日本を降りる若者たち (講談社現代新書)
(2007/11/16)
下川 裕治

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東南アジアなどでバックパッカーが現地にいついて定住するスタイルが増えているようですね。日本の労働至上主義、金銭至上主義へのアンチをふくんだ生き方だと思います。日本の若者は一生懸命働いてどうなるんだ、お金をいっぱい貯めてモノをたくさん買ったところで楽しい生活ができるのかという深い懐疑があるのだと思います。そういう疑問からの脱出法として東南アジアのまだ経済成長や金銭主義に毒されないスローな生き方を若者は求めたということです。日本以外の選択の自由ができる国際感覚を身につけたいですね。

企業福祉の終焉 - 格差の時代にどう対応すべきか (中公新書)企業福祉の終焉 - 格差の時代にどう対応すべきか (中公新書)
(2005/04/25)
橘木 俊詔

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この問題はものすごく大きなものだと思うのですが、あまり注目が集まりませんね。つまり企業が労働者の福祉から撤退、逃走しているということです。いままで政府は福祉を企業任せにしていたために逃走してしまった企業の後にセーフティーネットを張ることができずに労働者がぼろぼろとその網からもれているということですね。企業が福祉を担わなくなったらだれが福祉を担うのか。この大きな問題、責任に政府や社会はどう対応するつもりなのでしょうか。政府は放ったらかしにするつもりなのか、それとも政府が守るのか。一刻も猶予もない問題だと思うのですが、政府や社会のコンセンサスがひとつもできあがりませんね。政府や社会が守るしかないのですよ。あるいは企業の福祉からの撤退に政府はNOをいうのか。

マンガでわかる売れる営業マン 売れない営業マン―ちょっと「できないフリ」がお客の心をつかむ (PHP文庫)マンガでわかる売れる営業マン 売れない営業マン―ちょっと「できないフリ」がお客の心をつかむ (PHP文庫)
(2004/09)
馬渕 哲南条 恵

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このようなビジネス・ハウトゥ本に衝撃をうけるなんて思ってもみませんでした。営業マンは劣位アクションを戦略にせよという本です。つまり劣っていたり、劣位であることが「できる営業マン」であるという優秀神話の逆を宣告しているからです。営業マンは優秀であったり、優位であるとお客から嫌われてしまう、だからお客よりちょっと劣位が好かれるという人間関係の身も蓋もない極意をあからさまに表明しています。そう、人が好かれるのは優秀や優位であるからではなくて、劣位であるからということですね。こんなにあからさまに人間関係の妙を表明している知識はあまりほかに出会ったことはありません。人間の序列や優位、劣位といった上下関係を研究している学問といったら動物行動学の知見くらいです。世間ではありふれた暗黙知であるわけですが、文書にした本はそう見かけません。そういう意味で私は衝撃をうけました。

自分を奮い立たせるこの名文句―希望、勇気、自信…先賢の知恵に学べ (知的生きかた文庫)自分を奮い立たせるこの名文句―希望、勇気、自信…先賢の知恵に学べ (知的生きかた文庫)
(1997/02)
大島 正裕

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もうブックオフの百円本でしか手に入られないような本ですが、この本はとても勇気や希望を抱かせてくれました。逆境や落ち込んだときにいかにこの本にあるような考え方ができるかどうかでその後の人生や行方は変わってゆくのだと思います。いかに希望や勇気を感じられる考え方をできるか。それが人の人生を分けてゆくのだと思います。心の養分、心の貯蔵庫にしたいような本でした。


去年のGREAT BOOKS
 「2007年 ことしのグレートブックス」
 女の子どうしって、ややこしい! レイチェル・シモンズ
 チンパンジーの政治学―猿の権力と性 フランス・ドゥ・ヴァール
 権力(パワー)に翻弄されないための48の法則 ロバート・グリーン

03 21
2009

おすすめ本特選集

自己啓発の名著で心を変える



 ながらく読書をしてきて、のちのちに役に立った本というのは自己啓発書ではなかったかと思います。落ち込んだとき、うまくいかないとき、気持ちがはいあがれないとき、そういったときに役に立つのは自己啓発書でした。ほかの書物にそういう実用的な効果はあまりないものです。

 自己啓発というのは心をコントロールする術だと思います。心をあつかう法というのはふだんなかなかどこからも得られないものです。そして心の雨や暴風に翻弄されるままになってしまいます。自己啓発書はそういった意味で稀有な知識を与えてくれると思います。

世界の自己啓発50の名著―エッセンスを読む
 
 どんな本が自己啓発の名著とよばれているのか、自分にいっばんぴったりする本はどれか、いまの自分にふわさしい本はどんな本か、わからないことが多いと思います。ちょうど、『世界の自己啓発50の名著』という本が編まれていました。この本にピックアップされた名著をあつめてみて、私なりの論評を加えたいと思います。

小さいことにくよくよするな!―しょせん、すべては小さなこと (サンマーク文庫)自分の中に奇跡を起こす!
自分の中に奇跡を起こす!―いかにして自信と富を得るか (知的生きかた文庫)
『小さいことにくよくよするな!』 リチャード・カールソンは落ち込んだとき考えるのをやめろといいましたが、その効果はバツグンです。私は『楽天主義セラピー』のほうが原理を説明している点でだんぜんオススメです。『自分の中に奇跡を起こす!』 ウェイン・ダイヤーは『どう生きるか、自分の人生!』のほうがオススメですね。ダイヤーは外界に左右されない心を説きました。

EQ―こころの知能指数 (講談社プラスアルファ文庫)人生を変える80対20の法則人を動かす 新装版夜と霧 新版
カーネギーは『人を動かす』のほうがとりあげられていますが、悩みに対処する方法をまとめた『道は開ける』のほうが私はオススメですね。フランクル『夜と霧』は絶望的状況でも意味を求めることの大切さを説いているのだと思います。

森の生活―ウォールデン (講談社学術文庫)「原因」と「結果」の法則アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)
ソーロー『森の生活』は労働主義ではない生き方を説きましたね。ジェームズ・アレン『「原因」と「結果」の法則』は自己啓発の古典ということが再評価されていますが、薄い本ですね。パウロ・コエーリョの『アルケミスト』は小説としてまとめられています。『オプティミストはなぜ成功するか』は楽観主義と認知療法の古典といっていいのでしょうか。

7つの習慣―成功には原則があった!こころを変えるNLP―神経言語プログラミング基本テクニックの実践小さな自分で満足するな!運命が大逆転する「潜在能力」活用術『あなただけの北極星を探して』 マーサ・ベック
私はいずれも未読ですが、神経言語プログラミングなんか学んでみたい気がします。

プルーストによる人生改善法〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法自省録 (岩波文庫)フランクリン自伝 (岩波文庫)
『プルーストによる人生改善法』のアラン・ド・ボトンは役に立つ哲学を説いているようですね。『デヴィッド・バーンズの『いやな気分よ、さようなら』は落ち込んだときの対処法を説いた認知療法の古典なのでしょうね。ローマの哲人王アウレーリウスの『自省録』は外界に左右されない心を二千年前から説いていました。自己啓発の源流あるいは仏教、東洋宗教と同じことをいっていたわけですね。

バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)小型聖書 - 新共同訳ダライ・ラマ こころの育て方ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)
ヒンドゥーの聖典『バガヴァッド・ギーター』は自己啓発の書として読めるのでしょうか。『聖書』はもちろん自己啓発の世界的古典ですね。私は岩波文庫で読みましたが、深く意味を読みとる能力が必要な書だと思いました。トマス・ア・ケンピスの『キリストにならいて』も現実的な処世術としてたいへんよい本だと思います。『ブッダの真理のことば・感興のことば』は現代の感覚でどれだけ捉えられるかという思いがしないわけではありませんが。

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫老子 (岩波文庫)哲学の慰め (岩波文庫 青 662-1)自己信頼[新訳]
スマイルズの『自助論』は古典ですが、私的にはイマイチでした。『老子』はとてつもない発想を与えてくれますが、自己啓発の範疇に入るかどうかは不明です。エマーソン『自己信頼』は自己啓発、ニューソートの源流として評価されていますね。

神話の力フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)グリム童話の正しい読み方―『鉄のハンス』が教える生き方の処方箋 (集英社文庫)狼と駈ける女たち―「野性の女」元型の神話と物語
キャンベルの『神話の力』は研究書だったと思いますので、自己啓発の効用があるとは思いませんでした。『フロー体験 喜びの現象学』も同様です。

愛への帰還―光への道「奇跡の学習コース」ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)理想の自分になれる法
理想の自分になれる法―CV(クリエイティブヴィジュアライゼーション)という奇跡
『愛への帰還』は評価が高い「奇跡の学習コース」とよばれるチャネリングによる書です。自己啓発は神秘的領域と交接し、そこからも方法を得てきますね。ジョン・グレイの『ベスト・パートナーになるために』は男と女の関係を癒してくれますね。

『内なるヒーロー』ピアソン ライフ・ヒーリング魂のコード―心のとびらをひらくとにかく、やってみよう!―不安をたしかな「自信」に変える奇跡の方法
『魂のコード』はトランスパーソナル心理学の領域ですね。

心はマインド…―“やわらかく”生きるために自分を動かす―あなたを成功型人間に変える失われた心生かされる心失われた心生かされる心―あなた自身の再発見 (リュウブックス)マーフィー眠りながら成功する (上) (知的生きかた文庫)
マーフィーは自分の願うこと、思うことが潜在意識によって実現されると説きました。否定的なことを考えると実現してしまうので、心をたえず楽観的に保たないと地獄を味わうと、心の原因論を唱えたわけですね。逃げ場はないので、心を前向きに楽観的な考え、天上の言葉で満たさなければならないと退路を断ちました。

積極的考え方の力―ポジティブ思考が人生を変える (Life & business series)人生に奇跡をもたらす7つの法則愛と心理療法人生を開く心の法則
ノーマン・ピールの『積極的考え方の力』は読み返すたびに力と元気を与えてくれる古典的な名著だと思います。スコット・ペックの『愛と心理療法』はずいぶん古い本だったと思います。

現象としての人間 テイヤール・ド・シャルダン著作集〈1〉現象としての人間 (1969年)肩をすくめるアトラスライフストラテジー 人生戦略 ― 相手に圧倒的差をつける戦略的人生論人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ
テイヤール・ド・シャルダンの『現象としての人間』を自己啓発と読めるなんて知りませんでした。アイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』はリバタリアニズムの古典と思っていましたが。マズローの『人間性の心理学』までは正統的な心理学として認められていますが、それ以降のトランスパーソナル心理学とか自己啓発はどうも科学的・学問的だと思われていないようですが、効果や効用があれば有益と考えるほうが賢明な姿勢だと思います。

トランジション―人生の転機
トランジション―人生の転機

以上が前掲書にとりあげられている自己啓発の名著50冊です。あと文中でのべた私のオススメ本をあげておきます。中国の古典『菜根譚』もオススメです。

リチャード・カールソンの楽天主義セラピーどう生きるか、自分の人生!―実は、人生はこんなに簡単なもの道は開ける 新装版キリストにならいて (岩波文庫)菜根譚 (岩波文庫)



03 24
2009

おすすめ本特選集

スピリチュアルな名著で道を極める



 スピリチュアルな世界というのは人間精神やこの世界の謎や神秘にふみこんでゆくことだと思います。人間には知りえない、測りえない、わかりえない世界にふみこんでゆくのだから、とうぜん怪しさやいかがわしさはつきまといます。かれらは人間の限界や境界を突破するところにいるのだからとうぜんですね。

 私の態度としては心を癒したり、心理セラピーの要素のあるものはおおいに利用したいし、大いなる存在との一体化のような宗教体験に関してはのぞみつつも、態度保留というところですね。心を癒す方法に関しては優れた洞察や認識をしめしていますから、これを知らないのは損失だと思います。

 『世界のスピリチュアル 50の名著』という本が編まれているのを参考に、ピックアップされた本にたいして自分の意見をすこしのべたいと思います。

世界のスピリチュアル50の名著 エッセンスを知る

メッカへの道  ムハンマド・アサドメッカへの道 (文化史選書)聖アウグスティヌス 告白〈上〉 (ワイド版岩波文庫)かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)
『かもめのジョナサン』はスピリチュアルな本とは知りませんでしたが、作者のリチャード・バックは『ONE』のような神秘世界を描いていますね。

ブラック・エルクは語る宇宙意識タオ自然学―現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる呪師に成る―イクストランへの旅
神秘体験をあつめたリチャード・バックの『宇宙意識』はぜひ読みたいところです。フリチョフ・カプラの『タオ自然学』はニューサイエンスとして注目を浴びましたね。『呪師に成る』のカルロス・カスタネダは文化人類学者の神秘思想として話題にになりましたね。

『アシジの聖フランチェスコ』G・K・チェスタトンチベットの生きる魔法―苦しみも怒りも「喜び」に変えて心安らかに暮らす知恵荘子 第1冊 内篇 (1) (岩波文庫 青 206-1)
『荘子』というのはスピリチュアルに含まれるとしたら意外かもしれませんが、無為自然や万物斉同の思想はいっしゅの宗教ですね。

ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本 (mind books)世界の名著 (14) エピクテトス
世界の名著 (14) キケロ エピクテトス マルクス・アウレリウス (中公バックス)
ラム・ダスの『ビー・ヒア・ナウ』はカウンターカルチャーに大きな影響を与えました。エピクテトスは外界に左右されない心を説いて東洋宗教と共通なものを感じますね。

ガーンディー自叙伝〈1〉―真理へと近づくさまざまな実験 (東洋文庫)『幸福の錬金術』 ガザーリー預言者 ポケット版
ガンディーというのはスピリチュアルな人だったのでしょうか。カリール・ジブランの『預言者』はまだ読まずじまいです。

注目すべき人々との出会い道しるべシャバット―安息日の現代的意味シッダールタ (新潮文庫)
グルジェフは『注目すべき人々との出会い』が主著となるべき本なのかなと思いますが。ヘルマン・ヘッセあたりから西洋に東洋思想に魅かれる人が多くなったような気がしますね。

知覚の扉 (平凡社ライブラリー)宗教的経験の諸相 上 (1) (岩波文庫 青 640-2)ユング自伝―思い出・夢・思想 (1)マージェリー・ケンプの書―イギリス最古の自伝
オルダス・ハクスレーの『知覚の扉』もカウンターカルチャーのバイブルになりましたね。ウィリアム・ジェームスの『宗教的経験の諸相』はこんにちのスピリチュアルの源流に数えられますね。ユングは正統的な心理学の流れに入っていますが、オカルトが多かったのですね。主著が分厚いのでなかなか読めませんね。

子供たちとの対話 クリシュナムルティ子供たちとの対話―考えてごらん (mind books)悪魔の手紙 (平凡社ライブラリー)完訳マルコムX自伝 (上) (中公文庫―BIBLIO20世紀)『カバラの真髄』 ダニエル・C・マット
クリシュナムルティはべつにこの本をあげなくてもいいのにと思いましたが、思考というものを深く洞察した偉大な思想家だったと思います。マルコムXというのはスピリチュアルな人だったというのは意外ですね。

かみそりの刃〈上〉 モームかみそりの刃〈上〉 (ちくま文庫―モーム・コレクション)癒しの旅―ピースフル・ウォリアー (ピースフル・ウォリアー)死後の世界が教える「人生はなんのためにあるのか」―退行催眠による「生」と「生」の間に起こること、全記録マインドフルの奇跡 ティク・ナット・ハンマインドフルの奇跡―今ここにほほえむ (からだの冒険こころの冒険)
モームが選ばれるなんて意外ですが、けっこう東洋思想の肩入れがあるのですね。ティク・ナット・ハンは読みたいとは思っていたのですが。

アナム・カラ―ケルトの知恵 (角川21世紀叢書)禅とオートバイ修理技術〈上〉 (ハヤカワ文庫NF)聖なる予言 (角川文庫―角川文庫ソフィア)四つの約束
『禅とオートバイ修理技術』はハヤカワ文庫入りしていましたが、なんの本かと思っていました。『聖なる予言』はベストセラーになりましたね。

愛への帰還―光への道「奇跡の学習コース」スーフィー―西欧と極東にかくされたイスラームの神秘聖魔女術 スターホーク聖魔女術―スパイラル・ダンス (魔女たちの世紀)禅へのいざない
『愛への帰還―光への道「奇跡の学習コース」』はぜひ読みたいと思っています。イドリス・シャーの『スーフィー』は評価の高い本のようなので読みたいのですが、高そうですね。日本では鈴木俊隆の『禅へのいざない』が選ばれていますが、鈴木大拙等、日本の禅がアメリカに与えた影響は大きかったそうですね。

スウェーデンボルグ 天界と地獄霊魂の城 アビラの聖女テレサ霊魂の城―神の住い (聖母文庫)マザー・テレサ語るさとりをひらくと人生はシンプルで楽になる
スウェーデンボルグの『霊界日記』は読んだことはあるのですが、まったく絵空事の世界にしか思えませんでした(笑)。マザー・テレサをこのような本の文脈に入れるのは抵抗がありますね。『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』のエックハルト・トールはシンプルでわかりやすかったですね。

タントラへの道 チョギャム・トゥルンパタントラへの道―精神の物質主義を断ち切って神との対話―宇宙をみつける自分をみつける (サンマーク文庫―エヴァ・シリーズ)人生を導く5つの目的―自分らしく生きるための40章神を待ちのぞむ
チョギャム・トゥルンパは一冊読みたいと思っていましたが。『神との対話』はベストセラーになりましたが、どういう層の人たちが読んだのかなと思いました。

万物の理論-ビジネス・政治・科学からスピリチュアリティまで-あるヨギの自叙伝魂との対話―宇宙のしくみ 人生のしくみ
ケン・ウィルバーは『万物の理論』が選ばれていますが、私は『無境界』や『意識のスペクトル』のほうがよかったのではないかと。東洋宗教と西洋心理学の統合をめざしましたね。『あるヨギの自叙伝』は古くから本屋で見かけましたが、評価の高い声を見かけたこともありますね。


03 25
2009

おすすめ本特選集

心理学の名著はどの本を選ぶか



 心理学の名著を選ぶというのは難しいと思います。歴史がありますし、流派や思想の流れがありますし、古典や必読書というのは数多いと思います。理論的なものに重きをおくか、実践的なものに重きをおくかでも選ばれる本はだいぶ変わると思います。

 私としては心を癒してくれる実際的な本のほうに価値をおくので、人間洞察に優れた心理学の本を読むより、自己啓発のほうがよほど役に立ったと思いますし、精神世界のなかにも優れた癒しの要素をたくさん発見しました。セラピーとしては心理学は遅れているのではないか、科学的であろうとするためにふみとどまることが多すぎるのではないかと思っています。

世界の心理学50の名著 エッセンスを学ぶ

 『世界の心理学50の名著』に選ばれた心理学の名著をピックアップしながら、私なりの意見をのべたいと思います。この本で選ばれた本はだいぶ新しいものであったり、一般的なものが多かったり、論理・認知療法への評価もありますね。古典的な本や学術的なものは少ないラインアップなのかもしれませんね。私はたいして心理学の本を読んでいるとはいえませんが。

人間知の心理学―アドラー・セレクション (アドラー・セレクション)暴力から逃れるための15章人生ゲーム入門 バーン
人生ゲーム入門 改訂版―人間関係の心理学
『人間知の心理学』のアドラーは劣等感の補償という面で人間を洞察しましたが、私はなぜか読んでいないですね。エリック・バーンの『人生ゲーム入門』は学ぶことがいろいろありましたね。

水平思考の学習 デボノ水平思考の学習―創造性のためのテキスト・ブック (1971年) 人間のタイプと適性 マイヤーズ人間のタイプと適性―天賦の才 異なればこそ〈増補改訂 第2版〉いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法
デボノ、マイヤーズという人は私は知りません。デビッド・バーンズの『いやな気分よ、さようなら』は認知療法の古典ですね。

影響力の武器[第二版]論理療法 エリス論理療法―自己説得のサイコセラピイ私の声はあなたとともに―ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー青年ルター〈1〉
『影響力の武器』は本屋で見かけることが多いのですが、名著に選ばれるべき本とは知りませんでした。エリスの『論理療法』は認知療法となにが違うのかわかりません。考え方をポジティヴに変えるという方法はとてもいいと思いますが、東洋宗教は心を捨てるというはるか先の方法にいっていると思うのですが。

ブラックメール―他人に心をあやつられない方法意味への意志自我と防衛機制 アンナ・フロイト著作集 (2)夢判断 上   新潮文庫 フ 7-1
フランクルの『意味への意志』は読みたいとは思っているのですが。アンナ・フロイトとジグムント・フロイトはとうぜん心理学の名著に選ばれるべきなのですが、幼少期の心的外傷という過去を実体化する捉え方というのは、こんにちの思考→感情という捉え方からは危うく思えて仕方がないのですが。

幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学第1感 グラッドウェルビジネスEQ―感情コンピテンスを仕事に生かす愛する二人別れる二人―結婚生活を成功させる七つの原則
ここらへんはだいぶ新しい本ですね。

I’M OK‐YOU’RE OK ハリスI’M OK‐YOU’RE OK幸福になる関係、壊れてゆく関係―最良の人間関係をつくる心理学 交流分析より (Mental Health Series)大衆運動ホーナイ 心の葛藤 (1981年)
ホーナイ全集〈第5巻〉心の葛藤 (1981年)
ハリスの『I’M OK‐YOU’RE OK』の交流分析は学ぶところが多いですね。人生脚本とか人生ドラマとか考えさせられます。エリック・ホッファーの『大衆運動』は私は読んでいませんが、心理学の名著としてあげられるとは思いませんでした。カレン・ホーナイはこんにちでも評価されているのかはわかりません。

「心理学の根本問題」ジェームズ元型論人間女性における性行動 ギンゼイ
人間女性における性行動 (1955年)
ウィリアム・ジェームズはセラピー方面で評価されているのではないですね。ユングの『元型論』は気合を入れて読まなければなりませんね。ギンゼイ・リポートが選ばれているとはちょっとびっくり。

羨望と感謝 (メラニー・クライン著作集)ひき裂かれた自己 レインひき裂かれた自己―分裂病と分裂病質の実存的研究 人間性の最高価値 マズロー人間性の最高価値
『羨望と感謝』メラニー・クラインは名著に選ばれる人なのでしょうが、やっぱり読んでいないですね。レインの『引き裂かれた自己』は分裂症の本ですが、私は共同幻想のほうに興味が向くきっかけをつくった本になりました。マズロー『人間性の最高価値』は自己実現などの言葉を広めましたが、一般人の心理セラピーは自己啓発や精神世界のほうが優れているように思います。

服従の心理大脳半球の働きについて〈上〉―条件反射学 (岩波文庫)児童の自己中心性  ピアジェ
臨床児童心理学〈第1〉児童の自己中心性 (1954年)
『服従の心理』は恐ろしい実験結果が人々の心に残りましたね。『大脳半球の働きについて』パブロフの本が岩波文庫で読めるなんて知りませんでした。

人間の本性を考える  ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)ロジャーズが語る自己実現の道 (ロジャーズ主要著作集)妻を帽子とまちがえた男 (サックス・コレクション)
『人間の本性を考える』は数年前邦訳されましたが、名著入りするような本とは知りませんでした。『自己実現の道』ロジャーズはカウンセリングの基本なようですね。

なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生ニュー・パッセージ 新たなる航路―人生は45歳からが面白い〈上〉自由への挑戦 スキナー
自由への挑戦―行動工学入門 (1972年) (Bestseller selected)
『世界でひとつだけの幸せ』 マーティン・セリグマンが選ばれていますが、外界より心を変える方法が主流になってきたのでしょうね。ある意味、近代客観科学の衰退ですね。

言いにくいことをうまく伝える会話術見える暗闇 スタイロン見える暗闇―狂気についての回想毎日を気分よく過ごすために
『毎日を気分よく過ごすために』といった本のように心理学も人間洞察より、方法論が充実してほしいですね。

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Author:うえしん
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