HOME   >>  CD評
07 02
2005

CD評

『透明な音楽』 S.E.N.S.


B000051TDA透明な音楽
S.E.N.S.
ファンハウス 2000-08-23

by G-Tools

 S.E.N.SはTVドラマのテーマ曲やCM、ドキュメンタリーなどに使われることの多いヒーリング音楽の大家である。ドラマなんかが好きな人だったら一度は聴いたことがある曲があると思う。

 このベストアルバムは私のお気に入りである。飽きない。読書のじゃまにもならない。感動的で気もちを落ち着かせてくれる。清涼な気持ちになる。一言でいったら「陰鬱なアルバム」といったほうがいいと思うのだが、私は陰鬱な曲のほうが気もちが浄化される気がして大好きなのである。

 インストゥルメンタルの曲というのは入り口がむずかしいから、ドラマなど聞き覚えのあるセンスが入りやすい。しかもこのアルバムには数多くのドラマのテーマ曲や挿入曲がある。『あすなろ白書』、『出逢った頃の君でいて』、『輝く季節の中で』、『青い鳥』、『ミセス・シンデレラ』などで使われた曲がてんこもりである。そしてこのアルバムは2001年 日本ゴールドディスク大賞インストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

 私はこの中では『あすなろ白書』で使われた『風のように』がいちばん好きである。石田ひかりが「掛居く~ん」と泣くシーンを思い出す。寂しさが煽られるような感動的なもりあがりがいい。このアルバムは中の一曲を好きになるというか、全体の流れの中で曲の美しさを味わえるので、あえて好きな曲を選ぶのはむずかしい。

 センスはほかのインストゥルメンタル同様、アルバムを選ぶときがたいへんむずかしい。視聴でもしないとどのアルバムがいいのかさっぱりわからない。しかも33枚もアルバムを出しているのにショップでは揃っていないことが多く、コンプリートアルバムかオリジナル・アルバムを選べばいいのかもむずかしい。けっきょく私は『MOVEMENT』と『The Key』を選んだだけだった。

 のちにドラマで使われた『マリア』という曲が大好きだったのだが、この一曲を聴きたいがためにアルバムを買うのもな~とためらわせた。私は神秘的で宇宙的な音楽が好きだから、センスも感動清涼系より、SF的なものをつくってくれたら凄みが増すんだけどな~と思うが、まあそれは個人的な好みの話だ。もっとNHKドキュメンタリー的な曲をつくってほしいセンスである。

MOVEMENT平日の休日The KeyHeart

06 29
2005

CD評

『ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス』 ヴァンゲリス


ブレード・ランナー~ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス
ヴァンゲリス
B00005L915

 ヴァンゲリスといえば、『炎のランナー』、『ブレードランナー』、『南極物語』などの映画音楽を手がけた、シンセサイザーで神秘的で感動的な演奏を奏でる人である。さいきんではサッカーの公式テーマになっていたっけ。

 上記のアルバムなど五枚ほど聴き込んだ。インストゥルメンタルは読書のじゃまにならないので重宝するのである。邦楽なんかぜったいに読書のじゃまになるし、洋楽でもちょっと小うるさくなるし、ボーカルのない曲のほうが読書には集中できるのである。クラシックはどうも好きになれないな。中学のころなんかはラジオを聴きながら勉強なんかしていたけど、どうやって頭に入れていたんだろうと思う。

 こういうインストゥルメンタルのアルバムを探そうとすると、ヒットチャートやラジオで知る機会は少ないし、知ってる曲がないとアルバム選びはひじょうにむずかしいのである。さいきんは視聴できる店やamazonなんかでも視聴できるようになったのでようやく選択の機会が増えたというわけである。

 ヴァンゲリスの曲を聴いていると宇宙空間にさまよっているような神秘的な気分になる。SF的な音楽が好きな私は何回もオートリピートで聴いたものである。ただCDショップでどの分類にあるのか探すのもむずかしいし、表記も「ヴァンゲリス」と「バンゲリス」と異なっていたりするし、売られていない店や手に入られないアルバムも多いのである。いい曲が多いのになと思う。

反射率0.39(紙ジャケット仕様)天国と地獄(紙ジャケット仕様)オデッセイ~ザ・ベスト・コレクション南極物語

06 23
2005

CD評

『SAND CASTLE』 浜田省吾


B0000BVCFVSAND CASTLE
浜田省吾
SE 2003-09-26

by G-Tools

 こんなにハマったバラードのアルバムはこのハマショーのアルバムをほかをおいてない。ともかくどろどろにとろけさせるラブ・ソングのアルバムである。

 十代のころ、真夜中、友だちの車で夜遊びしていたとき、このアルバムがかかっていて、よくみんなで熱唱したものである。たちまちハマショーのとりこになった。

 ハマショーのラブソングがほかとの歌手と違うのは、物語性があることだと思う。どこでだれと出逢って、どのような愛し方をして、どのような別れ方をしたか、ドラマのシーンを見ているように具体的にイメージさせるのである。この物語性がたまらなくいい。

 このアルバムはハマショーのラブ・バラードからピックアップしたものだが、まるでクラシックの雄大な曲を聴いているように全体の曲が一曲のようにつながっている感じがする。私はよく『白鳥の湖』をイメージしたものである。それほどまでにこのアルバムはどろどろの曲調のトーンに全体が貫かれているのである。

 まず一曲目の『君に会うまでは』がいい。

 腕組み歩くよ 夜の町 二人
 踊り疲れて 少しだけ お酒も飲んで
 最終電車に 遅れないように
 いつもはもう駅への道を歩いている頃なのに

 今夜は そっと時計を君はバッグにしまい
 僕も気付かない振りで どこまでも 歩くよ

 やっぱりこアルバムのよさはこの一曲目のよさにあるのだと思う。

 『愛という名のもとに』が最高にいい。というか別れの唄なのだけど、この曲の美しさは私の中では格別だ。真夜中のドライブでみんなで熱唱したのもこのフレーズだ。

 眠れぬ夜は電話しておくれ
 ひとりで 朝を待たずに
 真夜中のドライブ・イン 昔のように
 急いで 迎えに行くよ

 『散歩道』のんびりした感じか好きだ。『片想い』はまあ大そうな気もしないわけではないが、十代ならそういう繊細さもよく理解できるだろう。さいごの『愛しい人へ』の詩が沁みる。

 愛はいつも 失うだけの
 寂しがりやのゲームだと
 僕は君を 愛するまでは
 そう信じていた ひとりぼっちで

google adsense
全ての記事を表示する
ブックガイド特集
月別アーカイヴ
プロフィール

うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。ビジネス書、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、精神世界、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

twitterはこちら→ueshinzz

FC2カウンター

Page Top