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04 13
2008

芸術と創作と生計

『名画に教わる名画の見かた』 早坂 優子 視覚デザイン研究所



名画に教わる名画の見かた
早坂 優子 視覚デザイン研究所

名画に教わる名画の見かた


 私はまったくの絵の初心者なので、たんじゅんに多くの絵をたくさん見れるこの本はありがたい。色の洪水や豊潤さがうれしい。ついでに絵の解釈や読み方、なにをメッセージしているのか理解できるようになればもっとありがたい。

 しかしこの本はなんとなくちがうような。画中画とよばれる絵の中に書かれた絵の作品が多くとりあげられているのである。読んでいるあいだはたんじゅんに新しく知る絵を楽しみたいとだけ思っていたが、どうもこの本の主題は「絵とはなにか」、「絵を描くとはどういうことか」というテーマの下にそれらに該当する作品があつめられているようなのである。

 初心者がいきなり「絵を描くとはどういうことなのか」というテーマにそうは興味をもてない。初心者はまず絵を楽しんだり、テーマやメッセージを読み解きたい。絵の世界を広げたい。おおくのテーマの作品を見たい。「絵とはなにか」というテーマは初心者が絵を楽しむ段階にうかぶ問いではない。もう何段落あとにくる懐疑や疑問から発する問いであって、無邪気に楽しみたい初心書ははじめからそういう問いを投げかけない。初心者の私としては順番をまちがったかもしれない。

 章立てとしては、「アトリエに置かれた絵画」「説明を加えるための絵画」「自画像の中の絵画」「オマージュとしての絵画」などとなっており、「絵とはなにか」が問われている。おいおい、私はたんじゅんに絵画の世界を広げたいだけと思っていたのに。そういう問いを発せれるほど、私は多くの絵画を見たわけではないのに。これは「名画の見かた」というよりか、「絵を描くとはなにか」といったタイトルのほうがよかったのではないかと思う。

 これは初心者の見る本ではないな。たくさんの絵画がのせられているのはうれしいのだけど。


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レンブラント アトリエの自画像 1629年頃

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フェルメール 画家のアトリエ 1660年代

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クールベ 画家のアトリエ 1855年頃

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ドニ セザンヌ礼賛 1900年


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