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06 28
2006

書評 ビジネス書

『ユダヤ人大富豪の教えⅡ』 本田 健


ユダヤ人大富豪の教えⅡ さらに幸せな金持ちになる12のレッスン
本田 健 だいわ文庫

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 思わず愛着のわく本になってしまった。幸せな金持ちになるための本だが、お金のセラピー書ともいえる内容をふくんでいて、おどろきである。

 私たちはたいてい親や家庭でのお金のかかわりを見て金銭観をはぐくむ。そしてそこには怖れや恨みや怒り、不安、軽蔑などの感情をまとわりつかせて、そのお金への偏見や固定意識によってお金とのかかわりかたをつくってゆく。いわばお金の奴隷になるのであり、または親の金銭観の奴隷となるのである。

 たとえばこの物語に出てくる「僕」の父は、「経済力のない男は首のないのと同じだ」を口ぐせにし、友人もなく家族にもそっぽを向かれ、金だけが唯一の友だちだ。その父は夜学の高校に通っていたころ、パンを買う金もなくひもじい思いをしていたそうだ。子どもだった「僕」は貯金箱をもってきてお父さんにパンを買ってあげるといったら、父は号泣して僕を抱きしめたことがあったそうだ。そして父はお金さえあればと思いがむしゃらな人生を選択し、僕はお金持ちになったら父さんを癒してあげられると思うようになっている。

 家族のお金のドラマがその後の人生のお金とのつき合い方を決めてしまうのである。もしそれがネガティヴなかかわりだったら、その人は一生そのドラマに囚われて生きることになってしまうだろう。お金で傷ついた心を癒さないことにはお金からの自由と解放は得られないのである。

 心理学だけではなく、お金との関係も癒さなければならないなんて、私には目からうろこの世界だ。私の家庭も父の事業の失敗という経済的危機の状態をくぐりぬけて、おそらく私は金は汚いとか無関心なふりの態度をもつようになったのだろう。私も親の家庭に囚われた金銭観を解放しなければなと思ったしだいです。

 もうひとつ書いておきたいことは、お金に何を見るかで人生の種類や質はまったく違ったものになるということだ。

 お金に権力、パワー、影響力を見る人はパワーゲームに人生を費やしてしまうだろうし、自由になれると思っている人はぎゃくに自由を失うし、安心や安全をもとめてもどんな大金持ちでも安心することはない。お金に自分や男、女の価値を見る人は金に縛られつづけるだろうし、汚いと思う人はお金のよい面よりお金の悪いことばかりにぶつかってしまい、愛情を見る人は男女関係の修羅場を見ることだろう。応援、感謝をお金に見るような人は楽しく幸せな人生を送るといえるだろう。

 私たちは無意識のうちにお金にいくつもの感情をまとわりつかせている。そしてそれによって人生が決まり、または将来まで決まってしまうのだろう。

 お金といういちばん身近で大切なものでありながら、われわれはあらためてお金について考えてみるということはない。考え方や過去の奴隷となって、われわれは幽霊のように生きているといえるだろう。私がこのような金持ちになるための本を読もうと思いはじめたのは、自分の無自覚な金銭観を考えなおしてみたくなったからだ。

 金儲けは悪いこと、貪欲で功利的な人間になることだと無自覚に思っている私は、ちかごろ金儲けは人に喜ばれる利他的行為をしたからこそたくさんの人からお金をもらったのだという側面にようやく気づきだした。金銭観を考えるには、金持ちになるという自己啓発書が役にたちそうだと目をつけている。ちょっと金儲けの本を読んでみようかと思っているしだいです。


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うえしん

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