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12 25
2004

恋愛・性・結婚

なぜ聖夜が「性夜」になったのかについての考察

げんざいの見解はこちらの傾いていますね。

 クリスマスが「性なる」夜になった理由
 クリスマスと性交と太陽の再生


 クリスマス・イブがカップルのセックスの夜になったのは大いなる皮肉というほかない。そもそもキリスト教は性を激しく禁止した宗教だ。キリストは童貞であり、母マリアは処女懐妊といわれたように性にまつわる話は徹底的に削除されている。修道院も女性を断った。

 そんなキリスト教のクリスマスが日本に根づくようになると、なぜカップルやセックスの日になったのだろうか。

 そもそもクリスマス・イブはケーキを食べる夜だったように記憶する。ケーキ業界はおおいに儲かった。そのうちにプレゼント業界やレストラン業界、ホテル業界などがクリスマス商戦に参入し、TVや音楽業界がイメージ戦略をすすめることによって、若者のなかにすっかり定着することになった。もっと上を目指すステップ・アップ消費、高級化で個性を主張しなければならない時代の流れである。音楽業界のイメージ煽情も強い。産業が必要としたのであり、そして若者や男女の関係で必要とされていったのだろう。

 イブがロマンティックな夜になったのはとりあえずキリスト教はイメージだけ移植したわけである。教義や戒律がまったく根づいていないのは、イブがセックスの夜になったのと同様、いうまでもないことである。

 キリストの生誕する前の夜がロマンティックなセックスの夜になったのは、キリスト教が愛を説く宗教であるからわからないでもない。しかし禁欲を説くキリスト教がセックスを奨めるとは思われない。日本では宗教を受容する頭が空っぽだったから、下半身だけが受容・需要したわけである。

 キリスト教の教義はちっとも受容されずにクリスマスという慣習だけが受容されたのはなぜなんだろうか。

 日本人はともかく形だけを採り入れるのが好きである。内実が空っぽのほうがより大勢に受容される。キリスト教国家は金持ち国家であり、先進国家である。日本は近代国家になったときから国策として金持ち追っかけをすすめた。ともかく金持ちはカッコイイ、金持ちのなんでもかんでも猿真似をしようという国になった。禁欲や抑制は美徳ではなくなった。

 解放された金持ち憧憬が、キリスト教教義ではなくて、クリスマス慣習だけを受容した。宗教や思想を受容したのではなくて、金持ちの生活スタイルを真似ただけであるから、スタイルは下半身だけに受容されたのである。

 クリスマス・イブというのは金持ちイメージの真似だけである。だから中身は空っぽでいいのである。ともかく金持ちの真似をして、金持ちと同じことをしていれば、満足なのである。社交やカップルの文化が興隆すれば、多くのマーケット、業界が潤えばいいのであって、キリスト教教義はどうでもいいのである。

 キリスト教、もしくは西洋国家からは一夫一婦制の規範もとりいれた。それ以前の日本は庶民において性の規範はもっとゆるく、稲の豊穣を祈る意味でも性交が隠微なものになることは少なかった。近代国家はそれを日本の後進性や恥だと思い、一夫一婦制や厳格な性道徳を根づかせようと努力した。

 処女や貞操の価値が高まった。これらの価値が高まるということは、それらが商品や市場に組み込まれるということである。性が禁止されるということは、性が有料になるということであり、お金を使わなければ性関係や婚姻関係が得られないという関係になることである。市場に組み込まれた性は抑制されて、強力なマーケットをかたちづくってゆくことになったのである。

 禁止されたもの――有料になった性は多大なお金やサービスをかけて手に入れなければならないものになった。戦後の終身雇用慣行もてつだって、女性の性は終身契約になり、生涯をかけてでも支払わなければならない資産級になったのである。

 クリスマスはそのような男女の関係に組み込まれた新たなマーケットだといえるだろう。厳しく抑制された性関係はぎゃくに有効なマーケットになるのである。

 いじょう、長くなってしまったが、禁止された性関係がぎゃくに聖夜を性夜にしたと私は考えてみる。キビシイ性関係が性のマーケットを広げる、そのからくりがクリスマスにあらわれているのではないかという私の一考察である。



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勝手に性夜を過ごす分にはまだいいんですけど、「クリぼっち」のようなクリスマスに性行為をしない人間を差別するような言葉が出来てしまったのはとても悲しく思います。
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