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07 30
2005

CD評

『My First Love』 浜田省吾


C10228831.jpgMy First Love
浜田省吾
SE 2005-07-06

by G-Tools

 ハマショーの4年ぶりのオリジナル・アルバムである。バラード・アルバムの『初秋』からは2年ぶりである。

 私は根本的にバラード好きである。バラードのいい曲があれば名曲だと思うし、最高だと感動的する。そういう個人的好みからすれば、ノリのいいロック調を前面に押し出したこのアルバムはおそらく私の好みではない。さいきんのハマショーは「やかましい」と思ってしまうのだけど、ノリのいいライブが好きなファンも多いのだろう。

 私はどろどろのラブ・バラードの『Sand Castle』をとても愛好しているし、『愛という名のもとに』や『とぎれた愛の物語』、『19のままさ』とか『君に会うまでは』、『君が人生の時』などのバラードを名曲と思うファンである。

 デビュー・アルバムの『生まれたところを遠く離れて』のフォークの弾き語りのような曲調も好きだったし、初期の数枚のアルバムの貧相な演奏の曲も好きだった。『J BOY』や『Promised Land』のような社会派のアルバムやサラリーマンを批判した唄などがとても好きだった。

 さいきんのハマショーはどのくらいの年齢のどのような人に向かって唄っているのか混乱しているように感じる。そりゃあ、もう50代だしね。十代に向かって切ない恋愛の曲はそう唄えないよね。

 この新しいアルバムにはほぼ深刻なバラードがない。私はそういう悲しい曲を聴くことによってカタルシスを得るのだけど。私にとっての音楽とは悲しみによって心を洗うことなのである。

 『光と影の季節』や『この夜に乾杯』、『旅立ちの季節』というさいしょの曲はやっぱり私にはよさがよくわからない曲調である。『Thank you』は自殺未遂をおこした女性の詩で、なんでこんな曲が唄われているのかわからない。

 『デスク越しの恋』でようやくハマショーのお得意のラブ・ソングを聴けるという感じである。『I am a father』は父親の応援歌で、まあいい感じだ。『花火』はふいに家庭を放り出した男の詩で、しみじみといい。

 『初恋』はこのアルバムのタイトルにもなった曲で、ハマショーにとっての初恋――ロックン・ロールへの讃歌を唄っている。なかなかいい曲だ。さいごのほうの『君と歩いた道』と『ある晴れた夏の日の午後』は深刻なバラードが閉めてくれればありがたかったのだが、どうもそういう曲ではないようだ。

 まあ、私は完全にバラード好きであるから、このアルバムはそうではなかったということである。ハマショー節を聴いていると「あ~いいな~」と思うときもあるけど、愛好するアルバムにはなりえないだろうなと思う。

 つぎのハマショーはやっぱりバラードを多く唄ってほしいものだが、人生や社会をもっと語ってほしいと思う。人生の渋みを唄うような、いうなれば演歌のような詩を唄ってほしいのだけど、まだノリのいいロック調の曲ばかり唄うのだろうか。なんかシングルを出して元気のいいハマショーを見るたび、ハズしている感じがするのだけどなぁ。私はバラードのハマショーだけになってほしいんですが。       

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Comment

はじめまして

音楽好きなんだなぁ。。。と感心して読ませて頂きました。

語る言葉がなかなか出てこない私としては、思いのたけを綴られているこちらのブログは楽しいです。

バラードが好き。。。。うん、分かります。切なくなる曲って、一番心が動く瞬間ですものね。

ひとつの曲でも、聴いた時のシチュエーションで心象風景が変わる曲、浜田さんのには多い気がします。が、誰の曲でもそういった曲は名曲だなぁと、私は感じます。

また出会えたら嬉しいです☆彡

こんにちは。
うえしんです。

書くことは訓練と習慣ですね。つづけていないとなかなか文章が思い浮かばないものですね。

思えば私は十代、二十代のころから虫のように文字を書いてきた気がします。いいたことや考えたいこと、そういったことを書くことによって、吐き出す習慣をつづけてきました。そういったひとり言で人が楽しめたらいいなと思っています。

ハマショーのよさは、むかしの曲のほうですけど、物語のような曲が多くて、私は好きでした。出会って、どのようなシチュエーションがあって、どのように別れたかといった映画のような唄が好きでした。貧相な演奏もまた味があったんですけどね。詞もまた心に刻まれました。

また遊びに来てくださいね。
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世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。ビジネス書、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、精神世界、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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