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05 19
2005

映画評

『ジェイコブス・ラダー』


B00005FXISジェイコブス・ラダー
エリザベス・ペーニャ ティム・ロビンス エイドリアン・ライン
ジェネオン エンタテインメント 1999-12-10

by G-Tools

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 きのうサンテレビでやっていたのでまた観た。『ジェイコブス・ラダー』は私の好きな作品である、というか、じわじわと衝撃を与えた作品である。

 ベトナムから還ってきた元アメリカ兵が戦闘のすまさじさを何度もフラッシュバックしながら日常を送る物語で、すべては衝撃のラストに収斂する作品だ。アメリカに還ってきていたと思っていたが、これらはすべてベトナムで見た死の直前の白昼夢だったわけである。

 不可思議で不気味な雰囲気がいい。謎だらけの雰囲気が私には惹きつけるものがある。ただ退屈に感じる人もいるだろうけど。

 アメリカの日常が死の直前の白昼夢にしか過ぎなかったというラストが衝撃なのは、これはわれわれの時間の感じ方をも表わしているからだと思う。終わったことや過ぎ去ったことは、もはや記憶や思い出としか思い出せない。それは空想とか、存在したか存在したかもわからなくなるレベルのものである。

 われわれの死の直前にも、人生はもはや空想とか想起でしかない。存在したかも存在しなかったかもあやふやになる。おそらく死ぬときの人生の感じ方とはそのようなものだと思う。だから宗教では想いとか心、思い出にしがみつくなといっているのである。この『ジェイコブス・ラダー』が衝撃なのは、われわれの人生のそのようなはかない砂のような感じ方を表わしているからだ。

 新しい恋人や離婚した家庭、交通事故で死んだ子どもと生きているときに出会ったりするのはなぜなんだろう。人生の後悔や悔恨がそれらの想起を思い出させたのだろうか。

 ベトナムで攻撃性を誘発させる幻覚剤がつかわれ、仲間同士で殺しあったというストーリーも出てくるが、これは戦争の本質を表わしているのだろうか。

 なお、『ジェイコブス・ラダー』というのは『旧約聖書 創世記』に出てくる「ヤコブのはしご」のことで、雲の切れ間から射す光のことをいい、ふだんでもよく見かける神々しい光のことである。天の門と考えられている。日韓ふたつのドラマ名にもなった『天国の階段』のことである。

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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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