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11 01
2018

書評 労働・フリーター・ニート

釣りがひどいタイトル――『私たちの“感情"と“欲望"は、いかに資本主義に偽造されてるか?』 フレデリック・ロルドン



 タイトルは魅力的すぎるのだが、内容はなにいっているかぜんぜんわからない屈折した表現や言語ばかりで、タイトルもどこにそんな問いが追求されているかわからないほど難解だから、これから読もうとする人には警告しておきます。

 もうびっくりするくらい読みとれない本である。なにが読みとれないのか、スピノザやブルデューなどの知識人の話を通すからわかりにくくなるのか、あるいは表現が屈折しすぎて意味に到達しないためか、それともわざと表現を遠回しにして難解にすることでハクをつけているのかと勘繰るほど、意味が読みとれない。

 難解すぎてわからないといえば、読書側の読解力や知能が問題になるから黙る人もいるかもしれないが、私はわからないときはいつもわからないといってきた。あるときには読解力がぴったり合う本もあるし、まったく合わない本もあるし、自分の読解力を水準の高くに見積もる圧力もないので、自分のズブの感覚はいいやすい。これほど意味が読み取りにくい本は、指に数えるくらいかもしれない。

 訳者もお断りしているが、広範な読者に訴えるためにタイトルを改題したといっているが、このタイトルでつかまされた人にはもう詐欺レベル。原題は『情動の社会――情念の構造主義のために』だから、広範な読者を捕りにいくのは、被害が発生するレベルです。フランスの思想界は、ソーカル事件を地でいっているようだ。

 なお、この著者にはほかに『なぜ私たちは、喜んで"資本主義の奴隷"になるのか?』という魅力的すぎるタイトルの書物が出ているのだが、おそらくはこれもタイトル詐欺なんだろうなあ。ネットでいえば、釣りがひどすぎるタイトル。悪評は、好評の何倍もの記憶に残りやすいというデータもあったから、気をつけたいところだ。



なぜ私たちは、喜んで“資本主義の奴隷〈借金人間〉製造工場――“負債なぜ、1%が金持ちで、99%が貧乏になるのか?――《グローバル金融》批判入門エチカ―倫理学 (上) (岩波文庫)国家論 (岩波文庫)


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