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09 17
2018

幻想現実論再読

漢文・古文の引用多し――『無心ということ』 鈴木 大拙

4044076014無心ということ
(角川ソフィア文庫)

鈴木 大拙
角川学芸出版 2007-09-22

by G-Tools


 無心についてということだから前から読みたかったのだが、Kindle本で78%OFFの177円だったので、思わずポチッとな。いつまでやっているかわかりません。

 読後感は、かなり曖昧蒙古とした禅的な話を聞かされて、しかも漢文、古文はそのまま引用だから読めずに、あまり有益な知識を得られたとはいいがたい。まだ、ちくま文庫の『禅』のほうがわかりよかった。

 真宗の信者の前で話したものだから、浄土についてどう話すかと思っていたら、禅的ないま・ここがすなわち浄土のようなことをいうので、禅者の面目は崩さなかったようだ。

 鈴木大拙は、浄土宗やスウェーデンボルグに親近感をいだいていたようで、言語が幻想をつくることに否定的な禅者がなぜかと思っていたのだが、ここではうまくかわしていた。方便的な捉え方をしているのだろうか。

 論理ではなく、信心が仏者のいうような世界を現出させるのだといったり、キリスト教のように「神のままに」といった神まかせの受動性が無心なのだといったり、ほう、そういうことをいうのかと感心した。

 無我や無心は、社会秩序や道徳をこわしてしまうのではないか、無心は動物や幼児のように本能だけにまかすことではないのかといった疑問も考えられており、この考えには参考になることがあった。有心でも無心でもないところに、人間的無心を認めたいという。

 どちらかというと、究極の無心は見えてこない本に思えた。本を書いたわたしは、わたしなりの固い論理がもうじゃまをする。


禅 (ちくま文庫)新版 禅とは何か (角川ソフィア文庫)浄土系思想論 (岩波文庫)スエデンボルグ (講談社文芸文庫)思考を捨てる安らかさ


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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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