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12 01
2017

幻想現実論再読

科学の崖――『エゴ・トンネル』 トーマス・メッツィンガー

4000050966エゴ・トンネル
――心の科学と「わたし」という謎

トーマス・メッツィンガー
岩波書店 2015-06-13

by G-Tools


 トーマス・メッツィンガーという人は、神経科学や意識研究をとりいれた科学寄りの心の哲学者であって、たまに科学寄りの見解も読まなければということで読んだが、まあ、あまり得られることは多くなかった。

 エゴ・トンネルというのは、人間の認識や感覚はトンネルのように限定されているということで、本書では自我がないということが主張されていて、そうならば社会が宗教化してゆき、知的な倫理性や誠実性はどうなってゆくのかと問われているようだ。

 神秘思想や宗教などのあやしい知識にかんたんにつっこめるわたしにはべつにたいした問題には感じず、科学への強い思い入れをもった人の危惧感は、わたしにはたいして共感できなかった。

 宗教のような怪しくて、古い知識だとしても、現代的に信憑や翻訳できる部分だけを抜きとり、あとのフィクションや崇拝のひどい部分は差し引いて、摂取すればいいのだというのが、わたしの態度である。

 著者は対外離脱も経験しており、それが意識研究へと向かわせる動機のひとつであったようである。

 意識の問題として、なぜわたしたちは素朴実在論者なのかと問うているが、言語や思考の実在化ははなはだしく、そのトリックにもほとんどの人は気づかない。それが神秘思想としていわれるのもナゾである。

 まあ、わたしは科学の崖から落ちまいとするより、さっさと向こうの陣地には飛びつける。人間の実在化の作用を、神秘思想からもっと学びたい。


心の哲学: 新時代の心の科学をめぐる哲学の問い (ワードマップ)科学の世界と心の哲学―心は科学で解明できるか (中公新書)心の哲学―心を形づくるもの意識と脳――思考はいかにコード化されるか〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義


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