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09 09
2017

幻想現実論再読

「ミクロの尺取虫」――『非神秘主義』 上田 閑照

4006001827哲学コレクション〈4〉非神秘主義
―禅とエックハルト (岩波現代文庫)

上田 閑照
岩波書店 2008-04-16

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 上田閑照という人は、まえに一冊読んでわからないなという読後がのこったのだが、こんかい読んでみて、まあ、わたしには深くつきあう気はない人だという評価に落ちつきそうだ。

 細かくて、繊細で、微細な世界をえんえんと何ページにもわたって語りつづけて、もういい加減倦む。

 「ミクロの決死圏」というか、「ミクロの尺取虫」みたいな話がえんえんとつづく。

 京大のえらい人なのか、「一、二行でまとめてみよ」とだれからもいってもらえなかったのか、冗長な、なにが異なるかわからない話をえいえいと選り分けてゆくのだが、もうつきあう気をなくす。

 道元のテクスト解釈なんかその最たるもので、なにが重要かわからないテクストの違いを語りつづけて読み飛ばしたが、この人は禅者ではなくて、重箱の隅をつつくような学者なのだろうね。

 禅問答の「達磨はなぜ中国からきたか」という僧の問いに対して、師の「庭さきの柏の樹」という答えにさいして、無の境地がわかるようになるためだのようなことをいった解釈は参照になるのだが、いかんせん長すぎる。

 「非神秘主義」というのは、神秘主義というのは神との合一にとどまるのだが、禅はその地点から日常の世界にもどってくるから、非神秘主義だといいたいらしいのだが、長すぎてつきあう気が失せる。

 「ことばの実存」というタイトルの本を出していて、ずいぶん気になるタイトルだが、この人にはつきあいきれないかもしれないな。

 岩波現代文庫から哲学コレクションが出ているが、いっぱんの読者にわかりやすく、伝わるように書こうと努力していないような本は読まれるのだろうか。心が汚れるような文句ばっかりいって、ごめんね。


ことばの実存―禅と文学私とは何か (岩波新書 新赤版 (664))哲学コレクション〈3〉言葉 (岩波現代文庫)哲学コレクション〈2〉経験と場所 (岩波現代文庫)神の慰めの書 (講談社学術文庫)


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