HOME   >>  幻想現実論再読  >>  西洋哲学と仏教のあいだ――『心に映る無限』 長谷 正當
07 22
2017

幻想現実論再読

西洋哲学と仏教のあいだ――『心に映る無限』 長谷 正當

483183825X心に映る無限―空のイマージュ化
長谷 正當
法蔵館 2005-09-15

by G-Tools


 リチャード・カールソンやケン・ウィルバーに出会わなかったら、仏教や東洋宗教は理解できなかったわけで、西洋的な説明スタイルがないと日本的・東洋的なものすら理解がおぼつかない。

 この長谷正當という人は、ベルクソンやレヴィナス、ハイデガーなどの西洋哲学を語りながら仏教などの宗教も語る論者なので、読んでみたが、理解もおよばず、興味のひかれる論考もあまりなかった。

 西田幾多郎や田邉元、西谷啓治といった禅を西洋哲学と語ろうとした京都学派に近い立場の人に思えるのだが、どうもこの系譜の人たちは、禅や宗教をよけいにわからないものにしているという私見しかもてない。おそまつ。

 本書にはいくつかの論文がおさめられていて、興味をひかれた論考に「宗教と構想力」があり、わたしは言葉の非実在性や創作性といったものを問題にしたいと思っているから近いことを語っていると思われたが、ちがった。

 「空のイマージュ化」というのは、情念が虚空や環境にうつることという西谷啓治の言葉らしいが、わたしは言葉の創作能力を否定的に捉えたい立場なので、肯定的に捉えていそうな立場とは相いれない。

 「他者と無限」というレヴィナスの思想紹介のような論文もあったが、レヴィナスってなにいっているかわからないなあw。

 著者には『象徴と想像力』という著作もあるらしいが(アマゾンでは見つからない)、わたしは人間の言葉による壮大なフィクションを剥がしたい思いがあるので題材的には興味ありそうだが、それを否定的に捉えていないのだろうか。

 禅や仏教を西洋的説明スタイルで説明されたほうが、わたしには理解に近づきやすい。心理学や認知論、生物学といった次元で理解したいと思う。しかし西洋哲学はぎゃくに難解すぎて理解を遠ざけることもあり、わかりやすい西洋的な詳細な説明スタイルがほしいなあ。


善の研究田辺元とハイデガー (PHP新書)宗教と非宗教の間 (岩波現代文庫―学術)三木清全集 (第8巻) 構想力の論理象徴の想像力


関連記事
Comment
Trackback
title>
Trackback URL
Comment form









管理者にだけ表示を許可する






google adsense
全ての記事を表示する
ブックガイド特集
月別アーカイヴ
プロフィール

うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。ビジネス書、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、精神世界、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

twitterはこちら→ueshinzz

FC2カウンター

Page Top