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01 08
2017

社会批評

「フィクショナライズ・サピエンス=虚構する・猿」定義の提唱をします!

 ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』は虚構・フィクションが人類の文明発展の理由だと説明して、各国のリーダーも注目してベストセラーになっているということですね。

 
430922671Xサピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之
河出書房新社 2016-09-08

by G-Tools

 
4309226728サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ 柴田裕之
河出書房新社 2016-09-08

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 前回の記事のくりかえしになりますが、人類はフィクションの世界に入り浸っていることの客観視の見方は、人類に過ちや失敗の透徹した見方をつけ加えることになると感じました( 「クロ現」の「サピエンス全史」特集 フィクションを信じる力の意味」 )。

 「フィクショナライズ・サピエンス=フィクションする・猿」の定義づけは、人類にフィクションの世界に入り浸る過ちに気づかせる大きなきっかけになるかもしれませんので、この人類の定義づけをおおいに提唱することは大切ではないかと思いました。


 人類はフィクションを信じる力を得ることによって大集団を統合する知恵を身につけましたし、文明の発展力もつけ加えました。だけど同時にフィクションは人類が対立、戦争するきっかけもつくりだしました。

 フィクションを信じる力だけでは過ちに陥り、フィクションにはまり込んでいる過ちに気づくためには、「事実」や「世界そのもの」ととらえている像をフィクションだととらえる見方も、人類には必要なのだと思います。

 われわれは「国家」を信じ、「宗教」を信じ、「民族」や「人種」があると信じています。そのことによって統合や人類の技能や知恵を結集する技術も手に入れましたが、そのことによってぎゃくに対立・分断・戦争をひきおこします。

 これが人類が統合するための「フィクションな接着剤」にすぎないと見るようになると、人は一歩引いた冷静さをとり戻せるのではないでしょうか。

 わたしたちが命を賭けて戦っている「国家」や「宗教」はフィクションに過ぎない、としじゅう思い出されることは、信念や信仰への歯止めをかけるのではないでしょうか。


 わたしたちの過ちは「国家」や「宗教」のような共同幻想の過ちにおちいるだけではなく、個人の日常生活においてもフィクションの世界におちいることの過ちにはまっています。

 フィクションは現実に存在しないことを、あたかも現実に存在するかのように思わせます。わたしたちは日常の人間関係や行動、規範や記憶の中でも、フィクションの過ちにおちいっています。そのために悲しみや怒りにいつまでもつきまとわれます。

 過去は終わって二度と帰らないのにいつまでも過去を思い出し、過去の感情にさいなまれます。未来の不安は存在しないフィクションなのに、現実の脅威のように恐れつづけます。ある人がおこなった行動や言動はもうどこにも存在しないのに、報復や復讐を考えてわが身を焦がします。頭の中で思い描いた自己像の価値を守ったり、プライドを守ったりしますが、それは現実に存在するものでしょうか。

 われわれは時間的にも終わり、物体的にも存在しないフィクションという思考方法によって、現実には存在しない世界で嘆き苦しんだり、焦燥に駆られたりします。そんなものはどこにも存在しないフィクションであるということに、フィクションの世界につかり切ったわれわれには気づかないということです。

 仏教はずっと人間の認識はフィクションに過ぎないと伝えてきたのですが、この理解があまりにもむづかしいためか、怠慢のためか、人々に深く理解されることはありませんでした。


 「フィクショナライズ・サピエンス」という定義が突きつけることは、この過ちに人間がいつも気づかされるということではないでしょうか。

 わたしたちはいつも「フィクションの夢の世界」に入り浸っているのだと思い出せてくれる概念にはならないでしょうか。

 フィクションを信じ切っている人にはそれが「事実である」、「世界そのものだ」と信じ切っています。それがひとつの考え方、解釈である、フィクションであるという客観的な見方からは切り離されています。

 呪文のようにくりかえせるという意味で、「フィクショナライズ・サピエンス」という定義は、わたしたちの入り浸っているフィクション世界のカーペットにいつも揺さぶりをかけられるのではないでしょうか。

 生物学者や人類学者の学者さんに定義づけの検討をお願いしたいところです。


フィクションの夢から醒めるために
ものぐさ精神分析 (中公文庫)「自分」を生きるための思想入門 (ちくま文庫)民族という名の宗教―人をまとめる原理・排除する原理 (岩波新書)グルジェフとクリシュナムルティ―エソテリック心理学入門人生が楽になる 超シンプルなさとり方 (5次元文庫)

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