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05 27
2016

主体性の剥奪

自分の行動の結果が見えていますか?――『子どもが育つ魔法の言葉』 ドロシー・ロー・ノルト

4569660231子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)
ドロシー・ロー・ノルト
レイチャル ハリス
Dorothy Law Nolte
PHP研究所 2003-09

by G-Tools



 強制と自発性というテーマで本を読んでいるので、人を伸ばす、人を育てるという面では、子育てに話にもつうじるので、このような子育て論にも手をのばしている。

 われわれは自分がおこなった行為や言葉が、他人やまわりのどのような結果をもたらすのか、よくわからずに行動するのかもしれない。

 子どものときに親にしつけられたり、言われた言葉に対して傷ついた気持ちはよく覚えていても、自分が親の立場になると、自分の言葉が子どもにどのような気持ちをもたらすのか、もう押しはかれなくなっている。

 受け手はいつも送り手にされた気持ちをしっかりと覚えている。だけど送り手になると、受け手がどのような気持ちを抱くのかすっかりわからなくなっている。

 それで、ドロシー・ロー・ノルトが書いた詩篇「子は親の鏡」のような親の行った結果の因果を教えてもらわなければならなくなる。

 この詩篇は、アメリカン・インディアンの言葉として加藤諦三に紹介されていて、ドロシー・ロー・ノルト自身が迷惑そうにはじめにで断りを入れている。

けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
励ましてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる



 自分のおこないや言葉が、子どもにどのような影響や結果を与えるか。人はそれが見えなくなっている、あるいは見えないものなのかもしれない。

 子どもに注意ばかりしていると自信をうしなった人の顔色ばかりうかがう臆病な子どもになるかもしれないし、人と比べてばかりいたら他人を羨むばかりで自分に価値がないと思い込んだり、欠点ばかり注意していると、世の中の悪い面ばかり見る子どもに育つかもしれない。

 子どもは鏡のように親の行動や言葉を写し、その内面もそっくりひきついでしまう。

 こういう子育て本は、自分もしっかりとした大人に育っているか、ちゃんとした道徳律をもっているのかといった試金石の役割もはたす。子どもの矯正以前に、自分はちゃんとした大人として成長しているのか、そういったことも試されているのだと思う。自分は大人としての関門を通過しているのだろうか。

 わたしのぼんやりした問題意識では、強制されたものがいかに自分を疎外するかといったことや「いつわりの自己」問題の方に関心があるのかもしれない。

 親から独立して、一人の人間として大人として自立して、自分らしく自分のしたいことをする人間に成長できているか。この点でいえば、自立や反抗の問題をあまりとりあつかっていない本ということができるかもしれない。

 大人、ひとりの人間として自立する話は、それを疎外され成長や自立をはばまれた毒親の方こそ問題が見えるかもしれないということで、つぎにはそっち方面の本を読みたいと思っている。

 外発性や強制で育ってきたわれわれは、自立や自分らしい生き方をできるように成長しているのだろうか。思春期に親に反抗して自立心を育てる青年はたくさんいる。だけど世間や企業の常識などに縛られて、そこから自立や成長できない人はたくさんいるのではないだろうか。

 世間や企業からも反抗して、自立することが、われわれの時代には求められているのではないだろうか。われわれはもはや教育や親からのキャッチアップでは成長できない創造と実験の時代を生きなければならないからだ。


10代の子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫)不幸にする親 人生を奪われる子供 (講談社+α文庫)毒になる母 自己愛マザーに苦しむ子供 (講談社+α文庫)母がしんどい

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