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01 01
2016

右傾化再考

2016年、経済的凋落と右傾化勃興のこれから

 あけましておめでとうございます。年頭のあいさつです。



 日本の経済的凋落はいちじるしく、それでも日本国内ではTVで自画自讃の番組が流されている。中韓をバッシングする空気もねづよく、去年はとうとう平和憲法を破る安保法が成立した。

 ひとりの人格としてみると、過去の栄光が忘れらないオッサンが自分を追い抜かそうとする若手を口汚くののしり、自画自讃の自慢話をくりひろげ、暴力的方法で過去の栄光をとりもどそうとするトンデモないオッサンに成り下がってしまっている。なりふりかまわない品位のない下劣なオッサンだ。

 中韓へのヘイトスピーチ、むき出しの憎悪は、たぶん抑えられる市民的成熟はかろうじて日本には残っていると思う。

 問題はこの情報のシャワー、風潮をうけて育った子供の世代がどういった自意識や反応を示すか、その点には不安が残る。バブルも経済大国の自負も知らない世代が、中韓にどのような態度を向け、どういった自負心の勃興をめざすかが、恐ろしい点が残っている気がする。

 経済的復興をめざせない国が、国家的威信を高め、統合しようとしたときに、どういったことが起こるか、左翼的な抑制が効いていた時代から信じられない流れが生まれてきたもおかしくない時代がやってくる可能性はある。

 右翼的傾向のある人が左翼に向ける憎悪や批判は、市民的抑制のタガすらもぶっ壊す危険もひそめていると思う。ウヨ傾向のある人はこれまでの時代を守っていた左翼的抑制それ自体も憎悪の対象に思える。タガが外れた後の時代は、国家的自尊心をむりやりに押しつけ、認めさせようとするむき出しの強制力だけが残るのだろうね。

 高度成長期的ながむしゃらな経済成長のエネルギーはもう日本にはないが、その成長のためにはほかのものをなんでも犠牲にする経済的貪欲心の時代をとおりこし、文化的・心情的成熟をもった余裕は日本にあるはずである。成長期の中国にはない文化的成熟は、日本の自負すべき点である。

 去年はおもに中国人が中心の爆買いが話題になり、観光地にはおなじみの風景になったように、日本は先進国として先行した憧れの対象としてまだまだ健在なのである。経済的順位では凋落したが、この文化的成熟でいかにほかに国に認められるかが、これからの日本の生きる道ではないだろうか。経済的勃興国をおとしめて自負心を慰めるような下劣なアイデンティティではなくて。

 右翼的勃興は経済的凋落を認められないところから生まれていると思う。ほかの価値観やモノサシで承認されればいいのであって、なにもむかしの価値観で認められる必要はない。むかしのモノサシにしがみつくことが、勃興国をバッシングする醜さに向かわせるのである。

 文化的成熟によって後進国の憧れの対象になりつづけるには、高度成長期の成長システムのままの労働システムを解体する必要があるのだが、日本の労働主体の、企業主体のシステムをもっとゆるやかにする動きはあいかわらず、ない。

 サービス業の増加や文化的享受ができる国にするのは、長時間労働や労働の拘束力を弱める必要があるはずなのだが、それに費やす時間の増加の必要性をなぜ認められないのだろうか。ヴァカンスや時間の余裕のあることが、文化的享受、成長のために必要なのではないか。文化的な享受国にすることが、これからの日本の生きる道ではないのか。

 戦後の経済システムはもう70年を超え、制度疲労は限界に達しようとしている。日本はだいたい80年ごとに成長と破壊をくりかえすという社会周期パターンでいうと、次回のカタストロフィーとされる2025年はもうあと9年後に迫ってきた。

 40年で成長し、40年で没落・凋落するというパターンを平成になってみごとにたどっている。前半の40年でムリをして成長した分、風船の空気が抜けるようにみごとに収縮・没落するのである。

 そういう時期に近づくにつれ、みごとに右翼的勃興が生まれてきたのは、判で押す機械的反復装置が、この日本に埋まっているのかと思えるほどだ。

 日本は戦後70年の平和憲法の約束や自負を破って、戦争できる国になってしまった。歴代総理のなかで安倍総理ほど憎く思えた総理ははじめてだ。戦争によってカタストロフィーを迎えるような終末を、日本は迎えてしまうのだろうか。

 戦前のような植民地主義や大恐慌による経済的崩壊といった状況は、現代の世界にはない。それでも日本の制度疲労は、カタストロフィーを必要としてしまうのだろうか。

 あと4年後の2020年のオリンピック時にはカタストロフィーが起きうるのか、起きないのか、見えているころではないだろうか。

 
右傾化する日本政治 (岩波新書)戦前回帰 「大日本病」の再発ヘイトスピーチ 「愛国者」たちの憎悪と暴力 (文春新書)戦後リベラルの終焉 なぜ左翼は社会を変えられなかったのか (PHP新書)左翼はなぜ衰退したのか (祥伝社新書)

2030年 世界はこう変わる アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」China 2049シフト――2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来1500万人の働き手が消える2040年問題--労働力減少と財政破綻で日本は崩壊する日本は80年周期で破滅する

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Comment

日本の右傾化はアメリカのトランプ現象と同じく、知的で経済的余裕のある中間層の減少が原因と感じます。
プアホワイトがトランプを支持しても彼らに恩恵は無いでしょう。同じく日本の知的・経済的貧困層が安倍政権を支持しても彼らに利益は無いでしょう。保守政権から貧困層が得るものはないでしょう。
貧すれば鈍する。現在の日本の現状ではないでしょうか。
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