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2015

販売・アフィリ

イマイチおカタい本――『クチコミはこうしてつくられる』 エマニュエル・ローゼン

453214938Xクチコミはこうしてつくられる
―おもしろさが伝染するバズ・マーケティング

エマニュエル・ローゼン Emanuel Rosen
日本経済新聞社 2002-01

by G-Tools


 クチコミの威力や大きさを知らなかったと思う。ふつうマスコミの広告や情報によって人はモノやサービスを買うと思われているが、そのあいだには人々の交わす会話や情報によって、その選択を選ぶ可能も大きいのである。クチコミのありかたをどれだけ明瞭に見えるだろうか。

 先に読んだクチコミについての本、マルコム・グラッドウェルの『急に売れ始めるにはワケがある』に比べるとこの本は魅力がとぼしく、おカタいように思われる。なんとなくおもしろくない、魅力だと思わない本である。

 でもクチコミについてはもっと知らなければなあと思う。わたしはこの威力や大きさをあまりにも気づいていなかったと思う。

 たとえば医者を選ぶとき70%の人は他人のアドバイスにしたがうというし、映画ファンの53%は見た人の推薦を参考にするというし、旅行については43%人が友人の意見を参考にした。

 企業や広告より、友人や知人のクチコミをよっぽどわたしたちは信用しているし、参考にしている。いまはネットで消費者の書き込みを読むことができるから、そちらのほうをより参考にしていることだろう。

 その広がりや伝わり方をわれわれはどれだけ知っているというのだろう?

 「推奨しても何も得ることがないことが、信用の源泉のひとつなのだ」

 アフィリエイトやステルスマーケティングといわれるものは、紹介することによって報酬を得ているから、その情報は信頼されないのである。友人や知人の言葉なら、なにも報酬を得ることはない。だから信頼されるのである。同じ消費者、受容者としての情報として信頼されるのである。

 アムウェイのようなマルチビジネスが信頼されないわけがこれでわかるというものだろう。友人に売りつけたくないと人は思っているのである。

 アメリカの56%の人が個人的なつながりを通して、仕事を見つけたという。企業の流す求人広告より、知人のほうが信頼、もしくは頼れるのだろう。

 クチコミのネットワークというのは見えない。見えるのはマスコミによる企業の広告や情報ばかりである。でも水面下でわれわれに多く影響をあたえるのは、友人や知人によるクチコミである。

 利益を求める人と、利益を求めないで情報を与えてくれる人の信頼の差を、われわれは鋭く峻別してきたわけだ。

 利益を得るものをいかにわれわれは信頼していないかということでもある。

 ネットでの個人情報の発信は、その利益を得る人、企業の一方通行の情報シャワー・支配をくつがえす技術の転覆がおこったというわけだ。いまさらいうことでもないことだが。

 クチコミというもののネットワークのありよう、姿をもっと絵や図に見えるように理解したいものだ。


キーパーソン・マーケティング: なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのかなぜ「あれ」は流行るのか?―強力に「伝染」するクチコミはこう作る!ソーシャルメディア クチコミ分析入門口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則(ソフトバンク文庫)

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