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12 19
2015

販売・アフィリ

古典たりうる本――『私に売れないモノはない!』 ジョー・ジラード

4894518120私に売れないモノはない! (Forest 2545 Shinsyo)
ジョー・ジラード
フォレスト出版 2010-04-08

by G-Tools


4894511665私に売れないモノはない!
ジョー・ジラード
フォレスト出版 2004-05-19

by G-Tools


 77年に発売された本だから、もう古典の部類に入る本なのでしょうね。

 車のセールスでギネスに載った記録をもつ人の話で、もうここに書かれている手法は企業が採用したり、古くなったかもしれないが、商売にたいする基本姿勢はあいかわらず学ぶことがたくさんつまった本なのだと思う。

 このジョー・ジラードという人、1928年にデトロイトの貧しい下町で生まれ、8歳から靴磨きをはじめ、父親から虐待をうけ、おまえはダメだ、刑務所行きだとののしられ、父の正しさを証明するような半生をおくり、35歳で車のセールスに転じ、そこから成功をおさめた時代的な苦労を背負った人である。

 この人の考えは「ジラードの250の法則」といっているように、人には結婚式や葬式によぶ人が250人はいるということで、「一人の客に嫌われることは、あと250人の客に嫌われることだ」という信念をもっている。いまはダンバー数といって、150人といわれているが。

 一人の客にうしろには250人もの知人が控えており、ひとりもおろそかにできないのだ。ぎゃくにいえば、「満足した顧客を作ることが新しい顧客を見つける手っ取り早い方法なのは明らかだ」というように、ひとりの客の満足は250人の知人に伝達される。ジラードはそれをねらっている。

 ジラードはクチコミのネットワークの強さを知っているから、顧客を紹介してくれた人に報酬を払う。この手法はいまは商品のプロモーションにたまに見かける手法だが、ジラードは売り手の紹介より、知人の情報を人は信頼してモノを買うということを知っていたのだろう。

 この方法ってアフィリエイトとまったく同じなんだよね。アフィリエイトは企業ではなく、知人や消費者の言葉を信じる購買者の心理を突いたものだろう。ジラードは自分の販売を、自分より信頼される客の知人にさせていたわけだ。

 ジラードの基本姿勢は、客のつながり、情報のネットワークというものを重要視することから、導かれたものなのだろう。


「私は客を長期の投資だと思っている。車が一台売れればそれでよく、あとは気に入らなくても知ったことか、という売り方をしない。私は、客がこれから買うすべての車を私から買ってもらいたい。…

私は、どの客も自分の生涯年金のようなものになるかもしれないと思って接している。そのためには、彼らに満足してもらわなければならないし、信じてもらわなければならない。…

高く売りつけたセールスマンが、いざ車の調子が悪くなり助けを求められたときに逃げたり隠れたりすると、客は何をされたかを悟る。セールスマンに一度でも背を向けられれば、客は自分が食い物にされ、金をしぼり取られ、だまされたことに気づくのだ」



 そして、「ジラードの法則」が効いてくるというわけだ。「客は頭に来て、その車、店、セールスマンの悪口を言いはじめるだろう」。ジラードによれば250人の知人に伝わり、その知人はさらに多くの人に話すだろう。

 だからさいしょの話に戻って、ジラードはひとりの客に生涯、信頼されるような接客をおこなうというわけだ。この姿勢がジラードをセールスNO.1に押し上げたのは明白だ。セールスや商売というのは、人間関係の「道徳」とおなじである。


 それと「商品の「におい」を売れ」という章も重要だと思った。

 「勝つためには、ステーキではなく、ジュージュー焼ける音を売らなければならない」

 車のばあいは試乗させ、奥さんや子ども、近所の人に見られるようにすることだ。もう前のポンコツ車に戻りたくないと思うはずだということである。


 ジョー・ジラードの方法、考え方はいまも古びることはないのでしょうね。企業や広告を信頼している人なんて、そういないでしょう。ますますみんな企業や広告を信頼しなくなっているのではないでしょうか。

 そのかわり人が信頼するのは友人や知人の体験や経験であり、消費者の率直な意見である。ジョージラードはこのことを知っていたのでしょうね。だから目の前の客をどこまでも大切にする。満足した顧客は250人に評判を伝え聞かせ、顧客をつれてくる、あるいはだれにも行かせないようにすることだってできるのだ。

 ジョー・ジラードは人の「伝達力」に売っていたのでしょうね。

 「古典」たりうるべき本なのでしょうね。


私はどうして販売外交に成功したか (Life & business series)D・カーネギー セールス・アドバンテージシュガーマンのマーケティング30の法則  お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか[新装版]商いの道 経営の原点を考える

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