HOME   >>  国家と文明の優劣論  >>  中国人の旅行マナーの悪さもパクリ問題もかつて日本が通った同じ道
10 01
2015

国家と文明の優劣論

中国人の旅行マナーの悪さもパクリ問題もかつて日本が通った同じ道

 若い人はやっぱり知らなかったか。

 中国人の旅行者のマナーの悪さやパクリがテレビやネトウヨで叩かれたりしているのだが、これはいまから約三十年前、日本もまったく同じように叩かれていたんだけどね。

 バブル以前の昭和の時代を知っている世代なら、だれでも身に覚えがあること。知らないのは若い世代とネトウヨだけ。知らなくて、中国人をたたいて悦に入っている人はハジさらし。







 知らない世代はこちらの比較画像をぜひ見てね。
 衝撃!50年前に日本も中国のような「山寨」(パクリ)大国だった



 バブル以前を生きた中年以上の方はあたりまえに記憶しているできごと。

 日本人はアメリカに憧れて、アメリカ人みたいになりたくて、アメリカの猿マネやパクリばかりくりかえしていた。なんとかアメリカ人になりたい、でもなれない、自分たちはダサくて、カッコ悪いと思っていた。

 当の日本人はパクリや悪いことと思うより、憧れを追いかけていた、憧れのようになりたい、勉強したい、学びたいという気持ちでアメリカをめざしていた。だからパクリとか泥棒という非難も拍子抜けに思えたことだろう。

 いまの中国人もパクリであるという意識より、憧れをめざしたい、手に入れたいという気持ちで夢中で学んでいるだけなんだろう。

 若い人たちはかつて親世代や先行世代が全く同じ道を通ったことを知らずに、中国や韓国をたたいて悦に入っているようだが、ぎゃくに同じことを経験したことを知らないほうが恥っさらしである。


 中国はいまはパクリだの、マナーがないだの、劣悪品だのと叩かれているのだが、三十年前以上は日本もおなじように叩かれていたのだから、早晩こんにちの日本のように品質がいいとか、製造大国とか、後進国が憧れる国になるのだろう。日本のころより高度成長とか、成長のスピードはもっと早まっているから、あっという間にアジアをリードする国になる。中国が経済的にここまで大きな国になると、文明の中心に躍り出ることはだいたいは規定コースになったと思う。


 こういうことが予測できるのは、文明の中心、世界の文化をリードする国、文化はだいたい百年ごとに入れ替わっているからだ。

 20世紀はアメリカの時代であったが、その前の二百年間はイギリスの時代だった。産業革命で世界をリードして、西欧文明が世界を支配した。

 しかしイギリスの前はオランダ・アムステルダムが世界を支配していた。その前はポルトガルやスペインであり、戦国時代に南蛮貿易といってポルトガル人など南蛮人がやってきた歴史は知っているだろう。その前はイタリアのヴェネツィア、フィレンツェ、ジェノヴァが世界貿易の中心だった。

 その前はイスラム圏経済が世界を席巻しており、ヨーロッパは片田舎、イスラムが世界を支配していた。東南アジア圏にイスラム教が浸透しているのはその残香。そのかつての栄華はアラジンの魔法のランプや「千夜一夜物語」にわずかに伝え聞くことができる。


 文明は持ち回りで、順々に世界の文化の中心は約百年ごとにうつりかわっているのである。

 いまの中国人のパクリや旅行者の激増とマナーの悪さは、その文明の移行期の曙光にあたるわけである。後進国は先進国を憧れて、マネして、パクって、学んで、先進国をのりこえて、みずからが先進国として世界に影響をあたえてゆく。

 日本もアメリカや西欧のマネをして、パクって、学んで、いまの先進国や経済大国の地位を築いたのである。バブル期には日本がアメリカを抜いて、世界の覇権を握るだろうといわれたが、残念ながら、経済での凋落ははげしく、覇権レースから脱落しかかっている。ただ文化的にはアニメやファッションなど東南アジアへの影響はかなり大きなものであるが。

 このパターンは百年ごとにくりかえされている。この百円周期はモデルスキーの波といわれている。

 中韓のパクリやマナーの悪さはこの大きな文明の図式でながめるべきである。こういう大きな図式で見れば、なんてことはない、文明に憧れた人たちがいずれは通るただの通り道にすぎないからだ。

 どっちが勝ったとか、負けたとかは、無益なコメ粒ほどの近視眼である。いずれこの道は後から来たものたちが凌駕して、前にいたものを追い去ってゆく。この図式的なパターンはもう何百年もくりかえされて、文化や文明は世界に伝播してゆくのである。

 パクリやマナーの悪さはその過程でのつかの間の泡沫にすぎない。

 日本はかつて世界の覇権や文明の中心に躍り出たかもしれないが、いずれ世界の文化伝播においてゆかれる、中心からはじき飛ばされた国になってゆくだろう。かつての世界の中心だったオランダやポルトガルのような国に。まだまだ遠い話なんだが、文明の伝播というのは、いまも超高速で進んでいるのである。



▼オオカミ少年の浅井隆でも文明の図式は学べるんだけどね。
中国が世界をリードするとき・上:西洋世界の終焉と新たなグローバル秩序の始まり世界システムの動態―世界政治の長期サイクル経済大国興亡史 1500-1990 <上>なぜ大国は衰退するのか ―古代ローマから現代まで国家はなぜ衰退するのか(上):権力・繁栄・貧困の起源


関連記事
Comment

えー、団塊の世代やらその下の世代がマナー悪いことと、若者は全く関係ないですよね?親が悪いことしたら、人を批判できないんですか?悪いことを悪いと言えないんですか?
はあ、素晴らしい世界ですね。

日本がそういう道を通ったから、中国も見逃せって凄いですね。ネトウヨが他の国もやってたから、俺たちは悪くねえって言ってるのと同じですよ。ドイツの評論家がフォルクスワーゲンが悪いのではなく、日本が悪いと言ってますが、同レベル。

はいはいはい、VWが不正するのも、中国のマナーが悪いのも、311の地震も、シリア移民も全部日本人のせいですよね。全て全て日本人が悪い。

あと、対して知識もないのに歴史を楯に主張しないほうがいいですよ。パックスロマーナ、パックスブリタニカ、パックスアメリカーナ。これくらいです、世界の中心と言えるのは。ポルトガルもヴェネツィアもアラブも世界の中心とはほど遠いです。
貴方のおっしゃる世界とは地中海周辺のみを指すのならその通りですがね。

>若い人たちはかつて親世代や先行世代が全く同じ道を通ったことを知らずに、中国や韓国をたたいて悦に入っているようだが、ぎゃくに同じことを経験したことを知らないほうが恥っさらしである。
貴方は歴史を知らず、日本の若者や日本人を叩いて悦に入っているようだが、こんな駄文を書いていることそのものが恥っさらしである。

中国人のことが知りたいのなら石平さんの本、
私はなぜ「中国」を捨てたのか
http://www.amazon.co.jp/%E7%A7%81%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%8C%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%80%8D%E3%82%92%E6%8D%A8%E3%81%A6%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B-WAC-BUNKO-%E7%9F%B3-%E5%B9%B3/dp/4898316107/ref=sr_1_6?ie=UTF8&qid=1448526504&sr=8-6&keywords=%E7%9F%B3%E5%B9%B3
↑ここから買えます

あなたは早くGHQによる自虐教育から目を覚ますべきです
Trackback
title>
Trackback URL
Comment form









管理者にだけ表示を許可する






google adsense
全ての記事を表示する
ブックガイド特集
月別アーカイヴ
プロフィール

うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。ビジネス書、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、精神世界、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

twitterはこちら→ueshinzz

FC2カウンター

Page Top