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09 23
2015

販売・アフィリ

どれだけ客や売り場のことを知らないか――『なぜこの店で買ってしまうのか』 パコ・アンダーヒル




 全米で160万部売れたベストセラー。1999年に出版されている。「店づくりのバイブル」と銘打たれているように日本でも単行本、ハヤカワ新書、ハヤカワ文庫と三種類のかたちで出されているね。

 販売や店にかかわる人にはいままで知らなかった、気づかなかったというお客の行動に驚かされる、はじめて目を啓かれることになる観察が目白押しかもしれない。

 わたしはアフィリ・サイトでどのようにしたら売れるのかという閉塞の脱出口として、この本を手にとった。おもに売り場での客の行動観察といったところだが、わたしも「客とはだれか」を知らないものとして参考にさせてもらった。

 これを読んだら、販売や売り場の人はお客をいかに知らないかということにたびたび気づかされると思う。

 たとえば、ペットフードのおやつを買うのは子どもや老人が多く、子どもは高い棚のそれをとることができず、棚によじのぼって、とっていたりする。低いところに変えると売り上げが増えるのである。店は客をいかに知らずに、また観察もしていないのである。そういった多くの例が行動観察からみちびかれているのがこの本の特色だ。

 ただ文章が長い。倦むくらいに思考や考え方の道筋につきあわされる。店頭で売れなくて悩んでいたり、苦しんでいる当事者なら、目から鱗の指摘で倦むこともなく読めるのだろうが、ちょっとどういった感じかという態度で読むと苦しいかもしれない。

 こういう本なら簡潔に要点だけをまとめたハウトゥ本のほうがよく見かけるだろう。でも簡潔な要点本は効率が良いかもしれないが、長い文章の本のように知識を長くとどめられないと思う。

 なぜなら長い文章のばあい、いっしょに経験や道すがらを歩いてきたから、その結果や結論におおきな感銘、発見をいだきやすい。だけど要点だけではその滑走路、道すがらがないから、発見や驚きの体験を共有できない。おなかも減ってないし、スポンジも乾ききっていない。だから効率的に思える要点本より、長い文章にはそれなりのメリットがあるのである。

 この本は店頭に何年も立っていたのに客の行動やじっさいはこのようなものだったのかと驚かされる事例満載の本である。お客として行動するわれわれもこんなことも知らなかったのか、気づかなかったのかという多くの事例につきあたる。

 売る立場であれ、買う立場であれ、われわれは売り場のことや客として行動することのなにも知らなかった、ということに気づかされる驚きの書になるのだろうね。


彼女はなぜ「それ」を選ぶのか?: 世界で売れる秘密なぜ人はショッピングモールが大好きなのか買いたがる脳 なぜ、「それ」を選んでしまうのか?「買う」と決める瞬間ついこの店で買ってしまう理由(わけ)

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