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03 06
2015

セラピー・自己啓発

マインドフルネス瞑想法――『生命力がよみがえる瞑想健康法』 ジョン・カバットジン



 アメリカの企業でマインドフルネス瞑想が注目されている。その権威とされるジョン・カバッドジンという人の本は約二十年前に読んでいたので読み返すことにした。

 ちょっと抽象的で、とらえどころがないような気がしたかな。瞑想の意味に気づいたのはリチャード・カールソンの『楽天主義セラピー』からで、この本を読まなければ瞑想の必要性に気づかなかった。ジョン・カバッドジンのこの本は瞑想をなんのためにするのかがつかみにくいかもしれない。

 マインドフルネス瞑想法をおこなう態度につぎのような注意がある。「自分で評価をくださないこと」、「むやみに努力しないこと」、「受け入れること」といったものだ。これがむづかしくて、わかにくい。

 「むやみに努力しないこと」というのは、「究極的に、瞑想とは”何もしない”ことなのです。瞑想のゴールは、あなたが”あなた自身として存在する”ようになることなのです」ということである。努力の先に瞑想はない。

 「太っていて、自分の体を嫌だと感じている人が、思うように体重を減らしてから、自分の体や自分自身を好きになろうと考えるのはまちがっています。もし、あなたが、本当に欲求不満の悪循環を断ち切りたいと思うなら、今の体重のままの自分を好きになるべきなのです。なぜならば、自分を好きになる瞬間は、”今”しかないからです」

 これはなにかをできたら、達成できたら、成功や幸福と思う多くの人がもつ考えそのものだが、それを否定する。できない、達成できていない自分そのものを受け入れることがたいせつなのだという。努力や未来の先に期待しないで、ありのままを受け入れるということがマインドフルネスの重要だけど、むづかしいところかな。

 腹部での呼吸のおちつきや安らぎを説く。「腹部は、頭の中の思いや、悩みや、心の騒がしさから遠く離れた、文字どおり体の”重心”です」。

 「呼吸を意識する場所を鼻や胸ではなく、もっと下の腹部にもってくれば、心の動きにもあまり左右されず、よりおだやかな状態を作りだすことができます。特に、感情的になっているときや”心の中にいろいろなことが浮かんでしまう”といったときは、落ちつきとバランスを保つために腹部で呼吸するといいでしょう」。頭の中のわずらいがとれないというときには腹部を意識した呼吸をしてみてはいかがでしょうか。

 「自分の思いが単なる思いにすぎないということ、そして、それは”あなた自身”でもなければ”現実”でもない、ということがわかると、とても解放された感じになるはずです」

 このことは瞑想のひじょうに大事な点をいっているのだけど、この本ではその点を深く追求しているわけではないので、瞑想の必要性に気づきにくいのではないかと思う。

 この本には「痛みを心でコントロールする」という章があるのだが、痛みをそらすより注意を集中するほうが痛みを軽減する効果があるというのだが、この方法をためしてみたらよけいに痛みに注目して痛みが増したことがある。また体や痛みに自分を同一視せず、客観的な傍観者としての視点を維持するという姿勢も説かれる。どちらがいいのでしょうね。

 痛みは痛みのみよりか、それに対する思考や感情のほうが痛みを倍加するということがあるのだろう。「自分はこれで死ぬんじゃないか」「いったい、いつまで続くんだろう」「私の人生はめちゃくちゃだ」「希望のかけらも残っていない」。こういった絶望の思いが痛みとはべつに自己を絶望に落とし入れる。

 この思いはあなた自身ではない。現実でもない。こうした感覚を悪いものとして排斥せずにただ受け入れるようになること、傍観者になること、そうすればおだやかな状態は自分の思いとはべつに存在することがわかるようになるはずだという。この悟った感覚はむづかしいのだろうね。

 この本が出されたのは1990年である。それからジョン・カバッドジンの療法は進歩したのかな、変わらないのかな。マインドフルネス瞑想法が受け入れられたのは、医療関係から出てきた療法だからなのだろうね。

 瞑想はさまざまな思い、悲観であったり、批判であったり、自己否定や不安、怖れなどをもたらす思考を排斥して頭を空っぽにしてしまうから、安らぎや穏やかさをもたらす。心の中の黒い澱みを押し流すのである。汚れた大気があたりまえの状態だと思っている人は、清涼な空気の存在さえ気づかないまま日々を暮らしているのである。


リチャード・カールソンの楽天主義セラピーマインドフルネスストレス低減法8マインドフル・ステップスマインドフルネスを越えてマインドフルネス認知療法―うつを予防する新しいアプローチ


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