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02 12
2015

セラピー・自己啓発

読みつがれるロングセラーになってほしい名著『楽天主義セラピー』

 ひさしぶりにリチャード・カールソンの名著『楽天主義セラピー』を読み直した。心の捉え方を180度変えたこの本は折りにふれてラインを引いた箇所を読み返すことは多々あったのだが、通読はひさしぶりだ。それだけ思考の罠に囚われて、悲観的な気分におちいっていたということだ。

 リチャード・カールソンはつぎの啓蒙的なエッセイ書『小さいことにくよくよするな!』が170万部のベストセラーになったため、より原理的な説明をほどこした『楽天主義セラピー』はあまり日の目を見ることもなく、絶版状態がつづいている。

 わたし自身は『楽天主義セラピー』こそが心の健康にとってぜひ読まれるべき本だと思うのだが、一時のベストセラー作家としてもう省みる必要のない作家と思われてしまったのかもしれない。

 『楽天主義セラピー』の主要部分は、「落ち込みや不幸に陥らせるのは思考にしかすぎない」ということと、「気分が落ち込んでいるときに考えることは否定的な思考をよりいっそう拡大させ、自分を傷つけるだけだ」ということをいった。

 「あなたを落ち込ませるのは、頭の中の思考にすぎなく、それは選択可能であり、捨てて手放せばいいのである」といったのである。「思考は「真に迫った現実」ではなく、たんなる思考、頭の中の想像や幻にすぎない」のである。

 この心の理解ができるかできないかで人生は大きく変わる。心に思った現実を恐怖や悪夢として追い立てられつづけるか、たんなる思考にすぎないと放っておけるかで、人生の経験は大きく変わるだろう。

 まことに重大な心の捉え方の転回をあたえてくれる書物なのだけど、前述のとおり読みつがれるロングセラーとして確立されていないのがふしぎでならない。

 落ち込みや憂鬱からなかなか抜け出せないという人にはこの書物の深い意味が身にしみてわかると思うし、悲観的・否定的にものごとを考えがちな人にはぜひ手にとってほしい書である。深い落ち込みに落ち込んでいたわたしには目を見張るほど効果抜群だった。

 心の原理というのは、自分の思考が「現実」をつくり、その思考によって恐れたり、悲しんだりするという心の原理が目からうろこのような感じで理解することができるだろう。その原理を知ると、落ち込んでいるときにものを考えつづけることは、傷口に塩をすりこむようなこと、自らがみずからを痛めつづけているということがよくわかるようになると思う。

 ぜひこの本を手にとって、この心の原理を知らないばかりに自分をどんなに傷めつづけてきたか、わかるようになってほしいと思う。

「思考は現実ではないということ、つまり、思考はたんに思考でしかなく、思考そのものが自分を傷つけることはないのだとわかってくると、あなたの人生は今日から変わりはじめます」



「自分を不幸から解放するには、ほかでもない自分の否定的な思考が、否定的な気分の原因であることを理解しなければなりません。否定的な思考さえなければ、あなたをいやな気分にするものは何もないのです」



「そこから抜け出す道は、沈んでいるときの自分の考えや気持ちを信じることが愚の骨頂であることを理解し、そんな状態になったら必ず自分の思考を無視しようと固く決意することなのです。気分が沈んでいるときの思考は、注意を払うに値しません。そんなときの思考は、はなはだしく歪んだ見方しかできないので、人を傷つけるだけだからです」




▼旧版の古本はお安く手に入りやすくなっています。
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リチャード カールソン
春秋社




 わたしがこの本に出あったのは96年の春だったが、それからこの本の原理をもっとくわしく知ろうと近くのジャンルをむさぼり読んだ。しかしこのカールソンの本を越える本、より詳細で深い本に出会ったことがないのが残念でならない。もっともっとこの原理を叩き込みたいのだが、継承者やセラピーのひろがりを見ないのが惜しくてたまらない。

 近くのジャンルといえば、トランスパーソナル心理学やニューエイジといったところになる。ここでの目標はセラピーや感情の脱却でなく、心の悟り、宗教的世界観なのであって、わたし的にはセラピー論としてのみ享受したかったので残念に思えた。

 バグワン・シュリ・ラジニーシ、ケン・ウィルバー、クリシュナムルティ、グルジェフ、ウェイン・W・ダイアーといった人たちの著作を読んだ。思考についての考察をより深めたのはクリシュナムルティなのであるが、かれの目標はむろん宗教的世界観なのであって、精神的健康をめざしたものでないことがわたしには物足りなかった。

 リチャード・カールソンの継承者、普及者はいないのだろうか。

 こんかい、ひさしぶりに通読してみて、否定的な思考をとり去れば自然ほんらいの心の働き・コモンセンスがとりもどされ、明るく幸せな気持ちがおのずとわきあがってくるという箇所が、わたしの経験・知識ではいまいち理解できにくいように思えた。頭を空っぽにして、瞑想して、ひたすらなにも考えないようにしても、そういった自然ほんらいの心といったものがあまり経験できないように思うのだ。たんなる「無風」、「静かな状態」があるだけに思えるのだが、わたしは用い方をまちがっているのだろうか。

 カールソンの本に出会ったころは頭を空っぽにして瞑想に熱中した。落ち込みや憂鬱から解放されていった。だけど人は考えないわけにはいかないし、カールソンの精神を忘れていったり、ときに最悪な落ち込んだときに思考を働かせる、思考を真に受けてせっぱ詰まった気持ちに追いやられることも多くなったりした。思考は思考にしかすぎないこと、思考の選択権をどんどん忘れていったのかもしれない。

 頭を空っぽな状態にすることと、考えることの必要なときのうまい使い分けをわたしは失敗しているのかもしれない。まったくなにも考えない、頭を空っぽにしつづけることは、日常生活上、ちょっとおこなえないときもある。そういった合間、合間に否定的な思考はしのびこみ、わたしを否定的な気分に落とし込む。

「何かを忘れる、捨て去るという意味は、頭の中にそれが存在しなくなるということです。頭の中に存在しないものは、現実に存在せず、影響力をもちません」



 思考は思考にすぎなく、捨て去れば自分を傷つけることはないといったカールソンの忠告は折りにつれ忘れたりしがちなので、わたしはふたたびこのカールソンの『楽天主義セラピー』を本棚からひっぱりだして、読み返すことになるのである。

 この本はぜひ「読みつがれるロングセラー」としての地位をもつようになってほしい名著であるといいたい。



リチャード・カールソンの楽天主義セラピー
リチャード カールソン
春秋社




▼わたしだけではなく、ほかの人もどういっているかというと。
 「『楽天主義セラピー』絶賛の声をネットから拾ってきました。」

▼いぜん書いた書評です。
 『リチャード・カールソンの楽天主義セラピー

▼リチャード・カールソンに出あって読みあさった本
自我の終焉―絶対自由への道無境界―自己成長のセラピー論グルジェフとクリシュナムルティ―エソテリック心理学入門人生が楽になる 超シンプルなさとり方 (5次元文庫)存在の詩 和尚 OSHO


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