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02 11
2015

労働論・フリーター・ニート論

失業の不安を、認知療法で解消する方法

 失業したらいろいろ不安が大きくなりますね。「仕事が見つからなかったらどうしよう」「家賃や支払いを払えなかったらどうしよう」といったものです。とくに失業が長引いたり、なかなかめあての求人がなかったりして、待ち時間やひまな時間が増えると人は追いつめられて、せっぱ詰まった気持ちになるものです。

 そういったときには、うつ病に効くとされる「認知療法」の考え方を応用してみましょう。参考文献はエドムンド・J・ボーンの『不安からあなたを解放する10の簡単な方法』の「第3章」から多く負っています。


 まずはいちばん大事なことは、不安や恐怖は自分自身の思考がつくりだしているということを理解しましょう。ぼんやりしているときやふとしたときに自分の心にささやく思考が、自分自身を恐れさせています。そういった自分を恐れさせる心の思考に気づかずに自分自身を傷つけているのです。そういった思考に距離をおき、不安なときには自分の考えることをまったく相手にしない、気にしないといった方法も大事です。

 不安は「もしも~だったら、どうしよう」というつぶやきからはじまります。「もしも仕事が見つからなかったらどうしよう」「もしも支払いが滞ったらどうしよう」といった思考が心のなかにつぶやかれます。

 この「もしも思考」に対処することが肝心です。「頭の中で考えているだけじゃないか」、「不安にさせようとむだなことだ」といった心の反論が効きます。頭の中で想像された思考にすぎないものを「真に受ける」、「深刻にうけとめる」必要はないのです。

 不安な人は「大げさ」に考えてしまいます。極端で最悪な出来事を予想してしまいます。最悪な結果と、自分の対処能力をまったく無視するか、考えてもみません。「自分に対処能力がまったくないのか、解決能力はまったくないのか」と、その「大げさ思考」にぶつけてみることが大事です。

 自分を励ましたり、応援したり、味方する考えをもつことが大事です。不安な人は自分を不安に陥れる思考ばかり「真に受けて」、自分の対処能力やのりこえる力を無視しがちです。自分の中に見方や励ます応援者がいなければ、だれが助けてくれるというのでしょう。

 認知療法というのはこのような自分のゆがんだ思考にたいして、反論や根拠を問うやり方で、自分の思考のゆがみを治してゆく手法です。

 「もしも思考」や「大げさ思考」にたいして、「その確率は?」、「現実にあわせて考えた場合、その可能性はどのくらいあるのか?」、「過去に同じような状況は何度あったのか?」、「自分には対処する能力がまったくないのか?」といった問いをぶつけて、自分のゆがんだ思考を書きなおします。不安にするのは自分の思考なのだから、その思考の根拠や正当性を問うことによって、その思考に脅かされることはなくなるということです。

 思考のゆがみには、
  


  否定的な面ばかり見る「フィルタリング」
  小さな出来事から誇張して全体的な結論にみちびく「過度の一般化」
  問題を過度に大きく見る「拡大視」
  すべての問題を自分に関連づける「自己関連づけ」
  「~でなければならない」といった完璧主義を要求する「あるべき姿思考」


 などがあります。自分の極端に大げさにみせる思考に疑いを抱き、真に受けず、問い直してみることが大事です。

 基本的に不安は自分の心のつぶやき、思考が自分の感情をつくっているという理解が大事です。自分でも気づかずに、自分で自分を脅かしているのが、不安のからくりです。認知療法はその根拠や正当性に反論をぶつけます。自分の対処能力や解決能力を思い出せます。

 思考が脅かせるのだから、考えることをいっさいやめてしまうという方法も効果があります。瞑想の時間をつくってみてはいかがでしょうか。初心者は「思考を無視する、相手にしない、流すままにする」といった方法はなかなかむづかしいものですが、べつに「頭を空っぽにする」「頭をまっ白にする」といったつぶやきを心の中でつぶやきつづけるような方法でも可能です。思考が不安をつくりだしているというからくりを理解するなら、その効果の大きさを理解することができると思います。

 失業中は、深刻に、否定的に、悲観的にものごとを考えないようにすることがとても大事だということです。そのような悲観的な思考や気分に落ち込みそうなら、「考えるのをいっさいやめる、ほかのことをする、運動する、気をまぎらわせる」といったことがとても大事になると思います。自分を傷つける、脅かす、不安にさせるような思考とは縁を切る、断ち切ることがとても大切です。

 それと不安なときは胸をつめて浅くて苦しい呼吸をしています。お腹をふくらませる腹式呼吸を意識的におこなうのがいいと思います。胸を広げたり、背を伸ばしたりする体操も、不安解消に一役買ってくれるでしょう。



 前掲書から不安に陥らないための声明文を引用しておきます。

私は悩みを追いやる方法を習得している。
悩みや不安を抑える私の能力は毎日向上していく。
不安な考えが浮かんだら、時間をかけてリラックスし、それを解き放つ。
不安は実体のない考えから生まれる。そんな考えなら私には追いやることができる。
恐ろしい考えは誇張されるものだ。私には自分の意志でそれを消し去る力がついている。
リラックスして自分を不安から脱出させることがだんだん楽にできるようになった。
どんな状況にも対応できることがわかったので自分に自信がついてきた。
私の人生からは怖れが分解して消えていきつつある。私は平静で自信に満ち安定している。
どんな状況もコントロールできることがわかって、どんどん自分に自信が湧いてくる。




▼この文章はつぎの書からほとんど負っています。
4791105540不安からあなたを解放する10の簡単な方法―不安と悩みへのコーピング
エドムンド J.ボーン ローナ・ガラノ
星和書店 2004-10

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▼否定的な気分なときにものを考えることの危険と害悪を説いた不安からの解消法ベストブック。
4393710312リチャード・カールソンの楽天主義セラピー
リチャード カールソン Richard Carlson
春秋社 1998-12

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