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01 17
2015

書評 心理学

初歩的解説書――『不安症を治す』 大野裕



 対人不安や人前に出る不安のつよいことをさいきんは「社会不安障害」とよぶようになったが、性格の問題と考えられてきたが、医療で治せるかもという意味で用いられるようになったらしい。

 著者は認知療法の第一人者ということだが、認知療法では対人不安の考え方をどのような修正するのだろうか。

 不安に悩む人は、「現実を実際以上に重くとらえすぎて苦しんでいることが多い」といわれている。「いちばん危険なところは自分の頭のなかだと気づくことだ」。

 自分をいちばん批判しているのはまわりの人ではなく自分自身なのである。そのような考え方を修正させるのが認知療法である。

 不安な人は思い込みがつよく、パフォーマンスの期待値をひじょうに高く設定していたり、自分の行動のせいによってよくない結果をひきおこすと思い込んでいたり、「わたしはダメな人間だ」といったように自分自身の人間性まで否定していたりする。

 自分のことばかりに目が向きすぎて、しかも「よくないこと」ばかりに向ける。不安が強くなるとちょっとした危険でも見逃さないようにしようとするからだ。

 そうすると現実のうけとり方が極端になり、自分の心の中がそのまま他人につたわっていると思ったり、自分が見ている自己像が他人が見ている自分のイメージそのものだと思い込んだり、緊張で「いつもとは違う感覚」を体験しているのだから、周囲から自分が「ヘンな感じ」に見られているだろうと思い込む。

 本書ではじっさいの認知療法の用例がくわしいわけではない。不安の気持ちは長つづきせず、10分から15分がピークで、その後はしだいに和らいでゆくといわれている。また不安な気持ちを完全になくそうとは考えないといわれている。

 まあもっとくわしいワークブックのような本はほかに求めたほうがいい本である。



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