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01 07
2015

セラピー・自己啓発

捨てる、しがみつく――『「捨てる力」がストレスに勝つ』 斎藤 茂太

408746248X「捨てる力」がストレスに勝つ
(集英社文庫 さ 28-5)

斎藤 茂太
集英社 2007-12-14

by G-Tools


 軽いエッセイ本である。

 櫻木健古の『捨てて強くなる』というわたしにとっては名著を読んで以来、「捨てる」ということは意外に大きな力をもっていると思っているので、類書を見つけたくて読んだ。リチャード・カールソンも「思考を捨てる」で、自分の心の捉え方を大きく変えたので、この「捨てる」ということがいかに人を苦悩から助けるか。

 人は理想とか夢とか希望をもって前向きに生きるのだが、それが原因でぎゃくにそこまでに至らない苦悩を生み出すということが多いのでしょうね。偉くなりたいとか、立派になりたいとか、プライドを満たしたいという欲求も苦悩を追加するのだから、それも捨てられればいい。悩みや苦悩だって捨てることができる。要は、考えて悩むといういっさいの行為だって捨てることもできる。それらはぜんぶ「空想」だからね。

 過去を捨てられないのは現状に不満があるからだといっている。迷って踏み出せない人は足るを知らず、強欲だから行動することができないといわれている。人はいろいろな心の思いを捨てられない。

 自分らしく生きるためには捨てることだといっている。自分にできないことを捨てる、あきらめるしかないものを捨てる、飾り上げていたものを捨てる、むりしていたことを捨てる。

 伸びる人は自分を捨てられる人だ。捨てられない人は、過去の栄光を自慢する人、がんこ一徹、頭を下げることのできない人、人のアラばかり捜している人などがあげられている。

 年をとってじょうずに老いるには、仕事への野心、地位があったころのプライド、人に指図する癖、何かと偉そうな態度を捨てる必要があるといっている。

 自分を捨てることがいかに大切か説かれているのだが、人は状況や時代が変わっても、自分を捨てられないのだろうね。世間から捨てられる前に自分の肩書きを捨てようといわれている。

 幸せになりたかったら、世間でいわれている偉くなること、ブランド物をもつこと、玉の輿に乗ることといった雑念を捨てて自分なりの幸せを見つけられたとき、世間の基準に惑わされなくなるといっている。

 人とトラブルを起こしやすい人の特徴として、どうでもいいことにしつこいといわれている。過去の出来事をいつまでも捨てられないのでしょうね。

 でもたとえば講演会で緊張して平常心を保とうとしても、ぎゃくに緊張してしまうことがある。気負いはかんたんに捨てられるものではない。その原因となるもの、期待に応えようだとか、いいところを見せたいという気持ちが気負いを生む。これを捨てないとね。

 劣等感にふりまわされる人は人がいうことを=自分だと思ってしまい、思い込みがはげしい。自分なりの価値観、尺度をもってない。他人のいうこと、自分の貶めるまなざしを捨てることができないのである。

 どうも人は悩み、苦しみ、不幸の自家製造機械のようなもので、自分でそれをつくって背負いながら、自分でそれを捨てることのできない存在のようである。潔くいろんなものを捨ててゆく。積み重ねるものより、捨ててゆく中に人の安寧と平穏の日々があるようだ。


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