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10 10
2014

右傾化再考

なぜ韓国にそんなに興味があるのか――『韓国 反日感情の正体』 黒田 勝弘

4046534214韓国 反日感情の正体 (角川oneテーマ21)
黒田 勝弘
角川学芸出版 2013-06-10

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 嫌韓ブームとはなにかと思って読む。韓国とのいざこざや関係にはまるで興味ないので、韓国に三十年在住のこの著者のまとめはよくわかってよかった。

 比較的に冷静に書かれていて、感情的には走っていない立場のように思われたが、著者は2011年まで産経新聞のソウル支局長だったこともあり、韓国ではメディアにも出る人らしく、「妄言製造機」の悪名までもらっている人のよう。ほかのソウル支局長だった人が記事捏造で在宅起訴されたように、最右翼とされる産経はとうぜんながら韓国とは相性が悪いだろうね。

 韓国は大衆が親日的であり、だから知識人やマスコミが反日を説教しつづけてきたというのが、著者の見かた。民衆はふつう国家がどうのこうのと他人事だ。他国人や国のことを意識する人は、マスコミにはよく出てくるのだが、そんなにたくさんいるようには思えない。生活や日常に多くのパワーとエネルギーをとられるのが民間の人。

 韓国のトラウマの底には、統治時代にみずから支配を打ち破ることができなかった体験がいまもくすぶっているようで、だから反日感情でその痛みを癒さなければならない。また豊かな時代の育った世代は自信にあふれ、むかし日本の支配下に入っていたことが我慢ならない、そういった不整合が反日へと向かうエネルギーの根底にあるのだとか。

 慰安婦問題はいぜん問題にならなかったのだが、91年の『黎明の瞳』というドラマによってにわかに主題になったようだ。とうしょはそのような存在は独立運動の英雄ということではないので、恥をさらすことはないという反対の立場もあったそうだ。性をとりあげてもよい言論民主化の賜物でもあったという。なんだかこの問題は、性的関係を主題にしていて、性への興味関心と言論自由化をもてあそびたいだけかのようにも思える。あるいは強制か自発かの態度の象徴か。

 1944年の夏、ソウルの映画館では日本軍快進撃のニュースに、東京より熱狂する韓国人がいたという話がここに書かれている。「われわれはそこまで日本人になってしまったのか」とそれを見た韓国人は思ったそうだ。36年の日本統治のあいだを、韓国人はどうとりあつかうのかといった過去の怨霊にいまもとり憑かれているのだろうね。

 問題はこれから韓国の反日感情よりも、もっとこじれてきた日本人の民族的自尊心のほうがもっと重くて複雑なものになってゆくのだろうね。落ちぶれてゆく一方の民族的自尊心を建設的なパワーに用いるのではなくて、他国を貶めたり、憎んだりすることによってとり戻そう、優越感を満足させようとする衝動や誘導が勃興している。日本人の品格がいま試されている時代である。日本人はこの時代で堕落するのか、それとも品格をたもって尊敬をうけるのか、分岐にさしかかっているのだろう。


“日本離れ”できない韓国 (文春新書)韓国人が書いた 韓国が「反日国家」である本当の理由「反日」の敗北反日メディアの正体 「戦時体制(ガラパゴス)」に残る病理【文庫】 「反日」の正体 中国、韓国、北朝鮮とどう対峙するか (文芸社文庫 に 1-2)


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