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06 04
2014

右傾化再考

丸山真男の本ははじめて読んだ――『日本の思想』 丸山 真男

400412039X日本の思想 (岩波新書)
丸山 真男
岩波書店 1961-11-20

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 1961年に出版されて、2013年で97刷、108万部をこえた岩波新書のロングセラー本だね。

 わたしは現代思想とか社会学を中心にした読書をこのんできたので、政治とか民主主義といったことがらをあつかった丸山真男とほとんど接点がなかった。

 書き下ろし本ではなくて、雑誌に掲載されたものを集めたもので、この本が評価を永らえているのはこの本自体か、中のどれかの論文、講演なのか、よく知らない。

 レビューにもよくあるように論文調のⅠ、Ⅱはちょっと読みとりにくいところがあって、Ⅲ、Ⅳの講演はだいぶわかりやすい。

 やっぱりいちばん感銘をうけるのは、Ⅳの「「である」ことと「する」こと」だろうね。民主主義の警句はこんにちでも守られていない、はっとするものだった。

「自由は置き物のようにそこにあるのでなく、現実の行使によってだけ守られる、いいかえれば日々自由になろうとすることによって、はじめて自由でありうるということなのです」



 自由とか権利というのは行使や主張を日々おこなっていかないとなくなってゆくもの。労働法が守られていない現状はまさにこの間隙に落ちてしまったものではないのか。

「およそタブーによって民主主義を「護持」しようとするほどこっけいな倒錯はありません」



 反対意見や議論を自由に交わすことが民主主義であるのに、タブーによって封じられれば、おおよそ民主主義ではありえない。どうも議論政治というものが、ひらかれているようには思われない。

「民主主義とはもともと政治を特定身分の独占から広く市民にまで解放する運動として発達したものなのです」



 こんにちでは特定政治家や専門的な政治家が政治にかかわるべきだと思われていないか。おおよそ民主主義の根本がこの国では実施されていないように思われるのだが、いかがだろうか。

 この本ではⅠの「日本の思想」がいちばんの主題のように思われるのだが、強くは感銘をうけなかった。日本の思想は流行だけで論争が終わるとつぎにはまたゼロからはじまるといったことや、日本の中間勢力の弱さといったものがとくに目をひいたかな。とりたてて、目からうろこという箇所には出会わなかった。


忠誠と反逆―転形期日本の精神史的位相 (ちくま学芸文庫)〔新装版〕 現代政治の思想と行動丸山眞男セレクション (平凡社ライブラリー ま 18-1)翻訳と日本の近代 (岩波新書)文明論之概略を読む 上 (岩波新書 黄版 325)

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