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12 30
2013

右傾化再考

アジアの独立運動周辺――『日本近現代史の「裏の主役」たち』 田原 総一朗

4569760570日本近現代史の「裏の主役」たち (PHP文庫)
田原 総一朗
PHP研究所 2013-08-03

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 近現代史をテーマに本を読んでいるから、たまたま見つけたこの本に手をのばしてみたが、まったくわたしの興味内に入ってくる本ではなかった。

 この本では西洋列強にたいしてゆいいつ白人に勝ったアジアの国として、日本がアジアの独立運動家の理想や渡来先として選ばれ、かれらを助けようとした日本人の人物を中心にとりあげられている。孫文なんか日本に来日しているから、その周辺の話である。

 日本がロシアに勝って、アジアに独立運動がつぎつぎとおこるきっかけになった。ロシアは国内のロシア革命のために戦いをやめたのであって、敗北感はなかったのだけどね。

 エジプト、ペルシャ、トルコ、アフガニスタン、アラビアに独立運動がおこり、インド人もならった。アジアの独立運動家は日本を希望の国、独立運動の拠点の国としてやってきて、日本のアジア主義者たちが政府に抗して面倒をみた。その核となる人物が頭山満であった。

 その頭山満、大川周明、松井石根、北一輝といった人たちがとりあげられたのが本書である。わたしはまだまだ勉強不足で、このひとたちがどのように重要だったのか、興味をあまりもてずにいる。北一輝の名前はよく知っているのだけどね。

 大川周明は資本主義の腐敗は日本を破滅に追い込み、そのカネの腐敗からもっとも遠くにいるのが軍人であると考えたそうだ。軍人が中心になれば、腐敗を一掃できて、透明で平等で健全な国家になると考えた。こういう考えもあったのね。

 大川周明が中学生活をおくった明治三十年代は成功や金儲けの秘訣を書いた書物が氾濫し、海外留学がもてはやされるなど、世俗的な成功熱が高まるいっぽうで、人生論的煩悶が問題化した時代であったという。「人生とは何ぞやという「内観的煩悶時代」へとうつりかわりつつあった。これは国家的目標が内面から揺らぎはじめていた傾向を示しているのだろうね。

 首相暗殺をくわだてた青年将校というのは、資本主義の腐敗や搾取を嘆いており、その批判が軍部の暴走へとつながっていったのは、いまの時代とも共通する基盤や陥穽かもしれないね。

 北一輝の人生は23歳で『国体論及び純正社会主義』を書いて世に出たのはすごいね。そして『日本改造法案大綱』を書き、2.26事件の主導者として処刑される。壮絶な人生だね。

 まあ、わたしにはこの本は時期尚早か、縁のない本だったかもしれない。わたしは国家目標の結集と崩壊の精神パターンを近代にさぐりたいだけなのでね。


大川周明の大アジア主義大川周明  ある復古革新主義者の思想 (講談社学術文庫)北一輝論 (講談社学術文庫)革命家・北一輝―「日本改造法案大綱」と昭和維新 (講談社文庫)人ありて―頭山満と玄洋社


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