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10 13
2013

日本崩壊80年周期説

明治と昭和の80年崩壊サイクルのグラフ

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 ▲明治の80年サイクル

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 ▲昭和の80年サイクル


 明治と昭和の80年周期をグラフにしてみた。

 藤井青銅『日本人はなぜ破局への道をたどるのか』の78周期説で符合すると見られているのは。

 明治の藩閥政治・官僚制の開始と、戦後の自民党一党体制がスタート時から10年目
 大正と平成の改元がスタートから45年目
 世界大恐慌がスタートから62年目、リーマンショックが64年目
 三陸・東北の津波がスタートから66年、67年目におこる



 日本は80年周期で上昇と下降をくりかえし、さいごには破滅をむかえてしまう。明治の80年でおこったことである(正確には78年)。

 昭和の時代が前半の40年に高度成長で上昇をつづけ、半分の40年を境に「失われた20年」といった月日を停滞していることはよく知られていることだね。明治が「富国強兵」をめざし、昭和が「経済大国」をめざしたのもそっくりだね。

 昭和のサイクルでめだつのが、1990年のバブル崩壊から1997年まで破滅的なことがらが連続しておこったこと。昭和天皇の崩御もあった。ソ連の崩壊は冷戦体制の終焉という世界史的な出来事で、47年目におこったそれは、明治のサイクルでは第一次世界大戦の世界史的な出来事に該当するね。体制の崩壊があり、世界ルールが変わったのに日本はその後適応できなかったと近現代史でいわれていることだね。

 62年目におこった世界大恐慌は20世紀を変える大きな出来事だったけど、昭和サイクルでは64年目にリーマン・ショックがおこっている。アメリカの不動産ローン破綻でおこった世界株価大暴落は、アメリカよりむしろヨーロッパの国家破綻の危機という弱点を露呈した。ただし世界大恐慌のような世界的な危機をあたえているかはいまのところ薄弱に思えるが。

 47年目には第一次世界大戦とソ連崩壊という出来事がおこっているが、明治サイクルに第二次世界大戦がおこったようにソ連崩壊に似た第二の崩壊がおこるのだろうか。社会主義国の中国の破綻や北朝鮮の体制崩壊といった社会主義関連の崩壊がおとずれるのだろうか。二度の世界大戦というのはなにを争ったのか。西欧の植民地主義の帰結と崩壊をあらわすのか。

 戦後の体制というのは資本主義VS社会主義の経済戦争がおこなわれていて、計画経済か民営経済かのこれみよがしの消費誇示が行われていた時代だと見ることができる。アメリカのモノにあふれたデパートと市民の図と、ソ連の計画経済のモノのない配給の店にならぶ市民の図の対比が、象徴的だったね。

  体制の崩壊の序曲は1937年、70年目の日中戦争からはじまっており、今サイクルでいえば70年目は2014年にあたる。このあたりに崩壊のプレリュードがはじまるのだろうか。

 上昇と下降のサイクルでわかることは、単一目標の危険性ということだね。国民一体となって単一目標に集結するのは力を発揮するが、達成後の崩壊過程がはなばなしすぎ、おまけにその成功した得意なことによって壊滅状態に追い込んでしまうという皮肉である。明治では軍事力によって世界に伍したわけだが、その軍事力によって壊滅的になってしまった。昭和も経済力で世界に覇をかけたのだが、おなじような報復を受けるのだろうか。

 昭和サイクルでいえば、1990年代にバブル崩壊、社会主義崩壊、大手銀行・証券破綻という歴史の曲がり角を経験している。経済大国の目標という単一目標はここで終焉したのだが、この体制の解除もしくはほかの目標体制への転換といったことがおこなわれなかった。単一目標の弱点が露呈して、その後社会も経済も漂流、衰退したままである。

 壊滅的な状況にならないとわからない、変われないということなのだろうか。そこまで追いつめられないと体制と既得権益は変えられないということだろうか。

 未開民族では世界がそこまでの危機をむかえるまえに王殺しがおこなわれた。フレーザーの『金枝篇』は世界中の王殺しの事例をあつめた書物だね。「王」というのは世界の若々しさや活力、精力をもたらす象徴のようなもので、その王が老いたり、活力を衰えさせる前に新しい王をすげかえないと世界が衰微・滅んでしまうという認識があった。

 「王」というのはこんにちでいえば、至上価値や単一目標のことをさすのだろうね。そういった支配的な価値観をすげかえないと世界は壊滅的な状況に追い込まれてしまう。というよりか、社会は単一目標に固定されてしまうのではなく、複線化の目標や価値観を先に組み込んでおくべきで、単一価値社会の弱点と弱さをとりかえしのつかなくなる前に防ぐものを植え込んでおくべきなのだろうね。

 徳川家康は天下統一がなされたあと、それまでの戦火の功労者たちの首切りを断行した。目標や価値観が変わったことを目に見せて宣告したわけである。こんにちの日本はそういった宣言がおこなわれず、ずるずると旧体制のままで漂流しづけて、その成功価値至上の破滅と報復を受けてしまうという皮肉な結果におちいるようだ。

 この80年周期説をとなえたのは若者のアパシーや無気力を研究する稲村博で、ピークの89年のことだった(『若者・アパシーの時代』)。その後はひきこもりやニートといったかたちで長期化している。

 明治期にもピークの日露戦争後に「大学は出たけれど」といった高学歴者の就職難や漱石の「高等遊民」といったかたちであらわれている。目標のしめつけが厳しすぎる体制に若者が適応できず、前時代の過酷な体制が目標終焉後もつづいており、理解も賛同もできない社会体制が世におおっていることに耐え切れないのである。

 この単一目標に拘束されたシステム・体制を解除・緩慢にすることが必要だと思うのだが、支配的な価値観を形成できたそれへの抵抗はむずかしいものになっているのである。それゆえにその体制・価値観が自滅するまで、世を変えることができないということだろうか。

 もし今サイクルが崩壊し、次サイクルがはじまるようなら、この二度の過ちの教訓を学ばないことには為政者や支配者層の愚鈍ぶりは頂点をきわめることになるだろうね。民主政治といったものは「王殺し」のシステムを組み込むことに失敗しているというしかないね。


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日本放送出版協会 1989-04

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