HOME   >>  書評 小説  >>  わたしの好きだったおすすめ小説
08 04
2013

書評 小説

わたしの好きだったおすすめ小説

 さいきんつづけざまに小説を読んでいるので、わたしの好きだったおすすめの小説をお知らせしておきます。

 もう二十年は人文書ばかり読んできたので、小説からずいぶん遠ざかった。けれどむかしはかたっぱしから世界文学を読みあさった時期もあった。

 自分に適した読書は人文書だとわかるようになるまで小説しか読むものを見出せなかった。いまは哲学のようなちょくせつのメッセージではない物語になんの意味があるのかわからないような言語脳になっている。映画やドラマのような物語はあいかわらず好きなのだが、活字小説は手間がかかりすぎる。

 ともあれ好き「だった」おすすめの小説。おすすめといっても小説というのは「好み」でしかないと思うから、自分の好きな興味あるものを読むのがいちばんだと思うけどね。



4102001131荒野のおおかみ (新潮文庫)
ヘッセ 高橋 健二
新潮社 1971-03-02

by G-Tools

ヘッセは人文書ばかり読むようになっても手にとりたい題材をあつかっているね。『荒野のおおかみ』は市民社会に抗するアウトサイダーの生き様。


4102101047怒りの葡萄 (上巻) (新潮文庫)
スタインベック 大久保 康雄
新潮社 1967-05-15

by G-Tools

スタインベックは人間へのあたたかいまなざしがあって好きだね。『二十日ねずみと人間』も好きだが、1930年代の大恐慌の時代を生きた農場労働者の凄惨さが胸を打つね。


51Bzy8apiWL.jpg香水ジルバ
トム ロビンズ 高見 浩
新潮社 1989-11

by G-Tools

もうトム・ロビンズなんてだれも知らないかもしれないけど、こんなに楽しかった読書体験はないという思いをさせてもらった本。ヒッピーや神秘思想的なアメリカ西海岸のユーモアたっぷりの小説。


4102100148武器よさらば (新潮文庫)
アーネスト ヘミングウェイ 高見 浩
新潮社 2006-05-30

by G-Tools

ヘミングウェイは内容はともかくハードボイルドな文体に魅せられたね。短く、かんたんな文章をぶっきらぼうにつみかさねる、乾いたクールな文体がカッコよかったね。


4062749122羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)
村上 春樹
講談社 2004-11-15

by G-Tools

村上春樹も内容より文体が好きなのかもしれないね。乾いたシニカルで、ブラックなユーモアがカッコよかった。そういうカッコよさが失われた村上春樹は読む意味をなくしたようにわたしは感じるのだけどね。片岡義男的なカッコよさでわたしは満足なのかなw


4102130055月と六ペンス (新潮文庫)
サマセット・モーム William Somerset Maugham
新潮社 1959-09-29

by G-Tools

ポール・ゴーギャンをモデルにした芸術家の狂気と世俗の人間の凡庸さがきわめて痛烈に対比されているね。モームの人間観察とストーリーテラーはピカイチだね。


4560090009キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
J.D. サリンジャー J.D. Salinger
白水社 2006-04

by G-Tools

もうね、『ライ麦畑でつかまえて』は読むしかないね。大人社会への反抗はいつまでも忘れたくないね。


408760022X蝿の王 (集英社文庫 コ 1ー1)
ウィリアム・ゴールディング William Golding
集英社 1978-01

by G-Tools

圧巻。無人島に流れついた子どもたちの壮絶な権力闘争が、現代世界への寓話になっているね。


4003254333神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3)
アナトール・フランス 大塚 幸男
岩波書店 1977-05-16

by G-Tools

正義だったフランス革命がどんどん血に飢えた虐殺劇に転嫁してゆくさまを捉えた黒歴史はしっかりと見ておくべきだね。


410112115X砂の女 (新潮文庫)
安部 公房
新潮社 2003-03

by G-Tools

男は昆虫採集に夢中になっているのだが、ある村の砂のなかに女と閉じこめられて。。 ATM男の悲劇を寓話で描いているね。


4101405204恋文・私の叔父さん (新潮文庫)
連城 三紀彦
新潮社 2012-01-30

by G-Tools

舌を巻くうまいつくりだと思った。『私の叔父さん』が映画化されて表題にもとりあげられたね。禁断の恋物語なんだけど、いつまでも尾を引く気持ちをのこす。


4061317830さらば、夏の光よ (講談社文庫)
遠藤 周作
講談社 1982-08-09

by G-Tools

遠藤周作の通俗文学といわれる青春モノは意外と読ませた。この作品は友だちの死によってその恋人と結婚したけど、身代わりと慰めをもたらせなかった悲劇が描かれている。遠藤周作は非モテ男や男の身勝手さを描くのがうまかったのかな。

                     ◆

 ずいぶんふつうの選択だったね。まあ、わたしはあまり小説読者のよい読み手ではないのだろうね。物語から深い意味、解釈をひきだすのに長けていない。

 いい小説も映画化やドラマ化でふれることが多くなった。見るのがあっという間だから、小説のように活字を読む手間がはぶけるからかな。


 さいごにわたしが文学から現代思想とか社会学に興味をダイビングさせた本を紹介しておく。わたしは小説という物語より、学術書のほうが身体にすらすらと入ってくることがわかるようになった本。でもその前の文学体験がないと入れなかったのかもしれないね。


okui.jpg60冊の書物による現代社会論―五つの思想の系譜 (中公新書)
奥井 智之
中央公論社 1990-04

by G-Tools

一冊の小説を皮切りに社会学や現代思想の本を紹介してゆく本で、書かれている内容にひきつけられた。

4480422129増補 現代思想のキイ・ワード (ちくま文庫)
今村 仁司
筑摩書房 2006-05

by G-Tools

フランス現代思想というものはこんなに魅力的なテーマや内容を語っているのかと、現代思想にのめりこませたきっかけの本。学術書のおもしろさを知らない人はこういうカタログ広告的な本に出逢っていないだけかもしれないね。


関連記事
Comment
Trackback
title>
Trackback URL
Comment form









管理者にだけ表示を許可する






google adsense
全ての記事を表示する
ブックガイド特集
月別アーカイヴ
プロフィール

うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。ビジネス書、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、精神世界、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

twitterはこちら→ueshinzz

FC2カウンター

Page Top