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04 16
2013

映画評

賢明な選択のために―『精神科医がすすめる“こころ”に効く映画』 高橋 祥友

4532196191精神科医がすすめる“こころ”に効く映画―シネマ処方箋 (日経ビジネス人文庫)
高橋 祥友
日本経済新聞出版社 2011-12-02

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 精神科医なりの映画の解釈を読みたいと思ったのだけど、精神科医の話は別項目としておかれている感じかな。

 あらすじがていねいに紹介されていて、解釈よりどの映画を見るか参考にするためのカタログ本に近い。たとえばこんなふうに。

子供が巣立ってふと空しく感じるとき『愛と追憶の日々』

自分とは一体なんであるかと混乱してしまうとき『17歳のカルテ』

もう自分のピークは過ぎてしまったのかと不安になるとき『レスラー』

人生でなにを達成してきたか不安に感じるとき『永遠と一日』



 テーマや問題別の項目から見たい映画を選べるふうになっている。テーマやメッセージはなにを語っているかと先にわかる映画はすくないからね。話題性や大ヒットという情報で選ぶより、こういうテーマやメッセージで映画が選べるようになりたいね。

 わたしは韓国映画の『八月のクリスマス』を見たくなったかな。不知の病にかかった三十代の男の恋。ネットで映画をさがしたけど見られなかった。こういう本から見たい映画をさぐるとおめあての映画はなかなか見れないことがあるね。

 『レスラー』もいいかなと思った。もうかつての栄光がすぎてしまったという話だね。わたしもそういう中年のあきらめ方みたいな作品に魅かれるような年になったのかな(泣)。著者は、スター選手より、代打選手や敗戦処理選手に魅かれるといっているのだけど、中年以降になるとそういう下り坂の下り方を無意識にまなぼうとするものかもしれないね。

 上記の引用のようにこの本の映画チョイスはあまり若者向けではないかもね。著者は53年うまれで、この本は04年に出されて11年に加筆訂正されたものだ。もう五十代の目線で見られたものが多いのだろうね。

 『愛と追憶の日々』はこの本でもとりあげられているが、わたしは田嶋陽子の『ヒロインは、なぜ殺されるのか』での解釈がよほど心に残った。「主婦という自己犠牲からの脱却」という項目で45ページも解釈されている。そういう解釈もこの本に期待したのだけど、この本はカタログ本と見なしたほうがいいようだ。

 だいたい30作品くらい紹介されている。あらすじを読んでこれを見たいという映画に出会えたらいいね。著者は「シネマセラピー」という言葉もつかっているのだけど、映画はセラピーになるのかな。

 わたしはあまり映画の選択眼というものが育っていなくて、なにを見るべきか、なにを基準にするべきかの自分の基準がないのだろうね。ビデオ借りるより本を読む時間を削りたくなかったので、テレビで放映される映画くらいしか見てこなかった。

 ネットでたくさん見られる機会がふえたので、こういう本を手にとった。あらすじやちょっとした紹介でこの映画はなにをテーマにしていてなにを語っているのか事前にわかるようになれたらいいのだけどね。そういう判別ができないと、自分にとって見るべき価値ある映画のなのかの判断ができない。

 自分に合わない映画を見てムダにしたくない思いが強いのだろうね。本を選ぶときにはそういう確認をしっかりとしたうえで買うからね。



ヒロインは、なぜ殺されるのか (講談社プラスアルファ文庫)「死にたい」気持ちをほぐしてくれるシネマセラピー上映中―精神科医がおススメ 自殺予防のための10本の映画映画にみる心の世界―パノラマ精神医学シネマサイキアトリー―映画からみる精神医学シネマのなかの臨床心理学 (有斐閣ブックス)

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