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11 03
2012

レイライン・死と再生

古代人は「時間」も「季節」の概念も知らなかった

動画:古代人と天文学
「古代人と天文学」 ナショナル・ジオグラフィック
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 この動画はかなりわかりやすかったね。古代人にとってなぜ夜空や星、天文学が重要だったのかよくわかった。

 そもそも「時間」の概念や「季節」の概念をもっていなかったのだ。それは周期を正確にもっている太陽や月、星によって生まれたものだ。もしこの基準を知らなかったら、いきあたりばったりに時間や季節に遭遇していたことだろう。

 古代人は月の満ち欠けによって「ひと月」というくくりを見出し、時間管理の方法を手に入れた。そのうちに星や星座の移動を観測することによって、「季節」の概念も手に入れた。もし「季節」の概念を知らなかったら、とつぜん食物が途絶える冬にいきあたりばったりに出会い、貯蔵がないままに放浪や飢餓にさいなまされていただろう。

 冬がやってくるのはたとえばオリオン座があらわれたころに予測できる。エジプトではシリウスがあらわれたときに災害と収穫をもたらすナイル川の氾濫の時期を知ることができた。

 星や星座はまいとし周期的におなじところにあらわれるので、これからの季節にどのようなことがおこるのか予測の手段をあたえた。季節を管理することで、古代人は「季節を飼いならす」ことができるようになったのである。

 季節を知ることが、それを知らない人とどのような差異や格差を生み出したか。それを知らない人はとつぜんやってくる季節の変動に翻弄されるしかなかった。季節を予測する知識をえることは、季節の到来に前もって対処する力や能力をあたえた。

 「一年」という概念もあたえた。もしそういう年間という概念を知らないと、わたししたちは周期的な「年齢」という概念も知らないままに人生をすごしていただろう。

 ストーンヘンジやマヤ文明の神殿では夏至や冬至の節目がわかるしかけがほどこされていた。ピラミッドのシャフトはとうじの北極星とオリオン座をさしていた。ピラミッドの外周の和は一年間の日数をあらわしていた。

 この世界は「時間」や「季節」、「年」という概念のない世界である。どこかで「周期性」をもつものを基準に法則やくりかえしを見出さないと、すべてがとつぜんあらわれる「災厄」になる。

 古代人がどうして天体や星空に興味をもっていたかというと、それは季節や年間の予測力や制御力を手に入れるためだったのだ。季節の周期にあらわれる現象を予測できないと人はとつぜんの災厄にふりまわされることになる。

 日本のばあいは山を基準にして夏至や冬至の季節を知った。その定点観察地点が神社のもととなった地点であり、その重要な知識をあたえてくれる神社は崇拝に値する場所であっただろうし、また宇宙の法則や神という概念のおふれを知ることのできる聖なる場所であっただろう。だから神社や山岳はレイラインという線で結ばれて、人々に季節や年という概念と予測をあたえたのである。

 山岳や星座に方角をもとめる方法は航海や漁業から発生したものだと思われる。航海や漁場にはなにもない海上において、山の角度や星座、太陽の位置から自分の位置を知ることはきわめて重要な知恵だった。海洋民はひと足先に土地放浪者より季節の周期に気づきやすいポジションにいたのだろう。

 こんにちの人はかんたんに時間や月、季節を知ることができる。でもその基準というものはこの世界のどこにあるのだろう。もしその時計やカレンダーという人工物がなければ、人はどこで月日や季節を知っただろう。それはどこかに基準をもたないと周期性を知られないものだ。太陽や星がいかに重要だったかわかるだろう。

 周期性のある時間や季節を知ることは人類にとって、「革命」だったのではないか。周期やパターンを知ることによって、人類は気候の予測と制御を可能にした。わたしたちが季節行事や儀礼に祈ることは、じつは時間と季節の「概念」の発見ではないのか。


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季節という名の革命

≪季節を知ることが、それを知らない人とどのような差異や格差を生み出したか。それを知らない人はとつぜんやってくる季節の変動に翻弄されるしかなかった。季節を予測する知識をえることは、季節の到来に前もって対処する力や能力をあたえた。≫

 現在のように、冷暖房設備があったりまた、365日食料が調達出来る現在と異なり、昔は季節を知ることは死活問題だったのだと思います。冬が到来して作物が出来ないことを予想できなければ餓死してしまいますし、寒くなることを見越して冬支度をするあるいは温暖な地域に移動しなければ、凍死する可能性もあります。
 季節という概念を定めた事は人類の存続に関わる革命だったのだと思いました。

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