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08 15
2012

書評 ビジネス書

お金持ちは環境に育て上げられる―『お金持ちのお金はなぜなくならないの? 』 宮本 弘之

4840135363お金持ちのお金はなぜなくならないの?
宮本 弘之
メディアファクトリー 2010-10-21

by G-Tools


 お金持ちはどんな人たちかと知っておくだけでも、お金を稼ぐなんらかの資質をつけくわえるだろう。

 長くつづくお金持ちは経済の変動をもろにうけるので、経済をわがことのように捉える習慣がつくられるらしい。同級生にもお金持ちの子息がおおい学校にいき、財産や事業をひきつぐことをうけいれ、資産家としての自覚が高まってゆく。

 友だちと遊びに行っても事業の話がぽろりと出てきて、そういう環境のなかで「無形の財産」をつちかってゆくことがお金持ちの強みなのである。

 代々続く金持ちは事業オーナーであることが多く、その子どもは小さいときから店舗を見て回ったり、地元の経済界のつきあいに同席したりする。子どものときからこういう実体験としての経営者感覚というのが身についてゆくのである。

 終戦後、多くの財産をもつ金持ちを対象に最低25%、最高90%の税金をかけられて財産没収のような目に会うことも多く、農地改革やハイパーインフレなどで没落する金持ちはたくさんいたということだ。

 84年度の高額納税者の上位一千名のうち、10年後の94年度に残っていた割合は10,6%、20年後の04年度には5,6%にすぎないということだ。お金持ちはいかに変動したり、没落したり、凋落の激しいものなのかわかる数字である。

 銀行にお金を借りるのであっても、株を担保に借りていると経済危機で株価が何分の一かになると、貸し過ぎの状態になり、そういう危機的なときにかぎって銀行は追加の担保差し入れや借金の返済を迫る。不動産を売ろうにもそのときには土地価格も底値で売れない。金持ちの苦労もそうとうのものである。

 景気が悪くなると金持ちは億単位の資産をうしなうこともある。10億の元手で50億のマンションを購入したばあいでも、家賃収入がなくなり、40億の借金だけが残ってしまうことになりかねない。ピンチの大きさもケタ違いなのである。

 でも何億も銀行にお金をあずけていると銀行のほうから自宅にきてくれるそうですね。また銀行のセミナーではおおぜいの聴衆に講演した後、その講師が自宅でマンツーマンで同じ内容をレクチャーしてくれたりするそうですね。

 お金持ちはビジネスを「親友と同じ関係」と捉えているそうですね。打算や駆け引きに長けることより、信頼や誠実さをいかに大切にしているかということなのである。

 お金持ちというのは育った環境、ふだんの環境がふつうの人と違うのでしょうね。そういう目に見えない「無形の財産」がたくさんある。そういうのを「文化資本」といい、たくさん抱えもっているのでしょうね。環境によって生える樹や草花は違っていて、そういう土壌や雰囲気がいかに大切かわかる本でした。お金持ちはお金持ちに育て上げられる。


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