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02 07
2012

レイライン・死と再生

基本的な入門書ですね。『一冊でつかむ天皇と古代信仰』 武光 誠

4582854621一冊でつかむ天皇と古代信仰 (平凡社新書 462)
武光 誠
平凡社 2009-05-16

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 武光誠は古代史の入門書のような本をたくさん出しているから、基本的なことを確認したいときに読む。この人の見解が古代史の一般的了解を代表しているのかはわからないが。

 わたしは日本創生神話は太陽やあの世の神の関係を象徴した話にすぎないと思っているから、大和朝廷と出雲族との権力平定の話であるという武光誠の見解は首肯できない。

 古代史を研究している人は創生神話をすぐ現実の豪族や天皇の権力闘争のはなしと読みたがるのだが、あれは古代宗教や原始宗教の神話と読むほうがパズルがかっちり合ってくるように思える。

 現代の学者はどうして創世神話を政治や権力の話と読みたがるのだろう。古代宗教の軽蔑や絵空事と思う気持ちであったり、神概念が政治イデオロギーに使われた危険な過去を警戒しているからだろうか。科学的・現実的であろうとすれば絵空事のような神話を語るより、現実的な権力関係を読む込みたがるからだろうか。

 古代宗教というのは意外になぜそう考えたのかを考えると、論理的に分解できる立論で組み立てられていると思うのだが。

 そういう思いにたつわたしはやっぱり武光誠を読むより、読みたかったフレーザーの『金枝篇』とかエリアーデの本を読んだほうが勉強になっただろう。

 古代宗教を読んでいると意外に現代の季節的な行事が古代信仰の復古ではないかと見えてくる。クリスマスは冬至の太陽の死と再生の祈願であるし、カップルのロマンティックな夜になったのは古代の性交によってこの世界が再生するという考え方と似ているし、サンタクロースは異界から豊穣をもたらす神の商業化されたすがたではないのかと思いいたるのである。現代の行事のなかに古代信仰が無意識に甦っているのである。

 起源や創始を探ると、この世の根本的な考え方・しくみが見えてくるのではないとますます思うしだいだ。


▼この本によってこの岩が最古の神であることを知った。琵琶湖の津田山に「天乃御中主尊」と書かれた立て札があった。ただの岩。。しょぼい立て札だけ。。しめ縄があったけど。
CIMG00302.jpg


▼こっちのほうを読むべきだった。
初版 金枝篇〈上〉 (ちくま学芸文庫)初版金枝篇(下)   ちくま学芸文庫 フ 18-2図説 金枝篇(上) (講談社学術文庫)図説 金枝篇(下) (講談社学術文庫)

エリアーデ著作集 第1巻エリアーデ著作集 第2巻永遠回帰の神話 - 祖型と反復世界宗教史〈1〉石器時代からエレウシスの密儀まで(上) (ちくま学芸文庫)

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