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![]() | 35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書) 渡邉 正裕 筑摩書房 2010-10-07 by G-Tools |
よい本であり、おすすめしたい本であるが、出てくる人物がレベル高すぎてそんなエリートでも優秀な人物でもない人はどうしたらいいのかと自分にたいする残念感・負け犬意識を煽られる本でもあるな。
まあ、わたしなんかハナからキャリアなんてぼろぼろで四十代だから、世間の相場やどんな売り方、買い方で労働市場が動いているのかとつかむために読んだ本である。
ちょっとごちゃごちゃ詰め込みすぎた感のある本で、第4章の「動機を顕在化するには」の章がいちばん大事だと思うのでこの章をふくらませてもっとわかりやすくしたほうがよかったかもしれない。
動機というのは自分の価値観で、なにをやることに価値を感じるかという考え方のことだ。この価値観とできることの仕事のすりあわせを二十代、おそくとも三十代半ばに完成させておけということである。自分の価値観とすり合わない仕事をやっていると充実もないし、成長もないし、成功もないだろう。「やらされ感」や「時間の切り売り」だけの仕事人生で終わってしまう。
外発的な動機を見誤ってはならない。安定しているからとか、給料が高いからとか、世間や親ウケがするというのは内発的な動機にもとづいていない。自分の人生を放棄するようなものだ。チャレンジできる二十代のうちに内なる動機とすりあわせることのできる仕事のポジションをつかまえておけということである。
ドラッカーの強みを伸ばすことの踏襲をしろということだ。
「努力しても並みにしかなれない分野に無駄な時間を使わないことである。強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーを必要とする」
![]() | プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編)) P・F. ドラッカー Peter F. Drucker ダイヤモンド社 2000-07 by G-Tools |
多くの学校や組織が無能を並にすることに懸命になっている。日本では「成功の鍵は強みにある」と思っている人は二割しかいない。
ただ「才能ある分野で努力すれば、きっと報われる」には著者は否定的だ。「人材は育たない」と考えているそうだ。才能をバカでもないが、1%ももちあわせていない人間は意外に多いという。「努力すれば報われる」という政治的な言葉はもう通用しない。才能や資質がなく、強みがない分野で戦って生きてゆけるほど、世の中甘くない。
動機とかけ合せるべき能力を知るには「他者に比べ、(圧倒的に)能力を発揮できた瞬間」を思い出してみろといっている。それが自分ができることの強みである。
日本の労働市場が新卒や二十代までの若者しかとりたがらないのは、解雇ができない日本の法体系では定年まで雇うことが大前提だからである。いまの能力だけを借りるのではなく、ポテンシャルやのびしろ、育てがいが大事になるからである。
さらに四十代になると事実上転職市場がなくなってしまうのは、日本ではピラミッド型組織でありながらレースから落ちた社員を解雇できないから過剰になる運命にあり、よほどの貢献がないかぎり四十代が雇われることはない。また管理職になる四十代では会社の内部に精通している者のほうがふさわしい。
著者は三十代半ばまでに市場価値のある人材になっておけといっているのだが、日本の会社内人事というのはまずは下積みで販売現場でお客さんの声を聞き、地方のドブ板営業をこなして、それからというふうになるのだが、このコースを会社にいわれるままにこなしていると市場価値をゆいいつつけられる二十代の大切な時間をつぶされてしまう。
商品企画や国際展開、マーケティングなどの市場価値が高まる仕事は最後までとっておかれて、市場価値が高まらない下積み、ドブ板営業を若手社員はずっとさせられる。それで五年、十年の月日を費やして外部の市場価値が高まらないまま、もしそこが衰退産業ならもっとも転職が厳しい四十、五十にリストラで外に出されて泣きを見るしかなくなる。
これまでの会社は二十代に下積みをさせて育て上げるという考え方であったし、人員構成上そうせざるをえないところがあったのだろうが、四十代で事実上転職市場がないのなら、二十代で市場価値を高めることが必至になる。さもないと会社の業績悪化でなんのスキルもつかないまま四十代で市場に放り出されれば目もあてられないことになる。二十代が決戦の場なのに会社の人事に従っておれば、いちばんヤバイ状況に追い込まれるかもしれないということである。
この本で出てくる人たちは自分の動機と能力をすりあわせるために転職をくりかえす人ばかりが出てくる。スキルが上がり、ほんらいの価値観=動機とすりあわせに成功した転職例がとりあげられている。売れない四十代に会社から放り出される人がほんとうに多くなった。市場価値の高まらない仕事に滞留させられるのは死に等しいのだろう。
よい本である。若い人たちに向けてこれからどう市場価値を高めるキャリアをどう築けばいいか説明されている。ただごちゃごちゃしすぎて、頭の中にすっきりと整理しにくい。この書評を書いていてもどの要点を抜き出すべきかまだ定まらない。
まあ、会社にお任せ人事では市場価値をゆいいつ高められる二十代を下積みですごすことになって、市場価値がつかないまま四十代になって外に放り出されないためのキャリアを考えないといけないということである。
すぐれたキャリア本や生き方戦略本というのはそうないように思うのだが、この本は比較的すぐれている読むべき本なのだと思う。
ほかにキャリア本ですぐれていると思ったのは、山本真司の『30歳からの成長戦略』という本で、コモディディ化(日常品化)されるものからいかに差別化をはたすかという戦略がすごかった。
ちなみにわたしはこの本のキャリアコースからまったく外野外であり、周回コース・衛星コースでもうハレー彗星となって星になってしまったのだが、そういうばあいのキャリア・生き残り戦術についても考えている本がほしかったな。
▼わたしの書評。
『30歳からの成長戦略』 山本真司
![]() | 30歳からの成長戦略―「ほんとうの仕事術」を学ぼう (PHP文庫) 山本 真司 PHP研究所 2007-02 by G-Tools |
▼著者の感想をゲットしたぜ!

▼この本も読みたいですね。
![]() | 僕は君たちに武器を配りたい 瀧本 哲史 講談社 2011-09-22 by G-Tools |
▼この本も一種のキャリア本?
![]() | 非属の才能 (光文社新書) 山田 玲司 光文社 2007-12-13 by G-Tools |
▼自分でキャリアを切り開かないと会社から放り出されたときに。。



































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