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01 23
2012

バイク・ツーリング

大阪・堺に見るレールサイドの終わりとロードサイドの興隆

 大阪・堺のきわめてローカルな話です。

 堺東駅前にある商業施設ジョルノで、去年の暮れに中型書店とダイソーが閉店した。そのまえの九月にハローワークが移転していたから、シャッターが目立っていた施設はますます空き家状態になっていた。

 ハローワークはどこにいったのかと思っていたら同じ堺東駅前の高島屋! 失業者や無職者がデパートにいけば、みじめな気持ちになったり場違いな気持ちを抱くのではないかとハローワークの職員は考えなかったのだろうか。


▲どうも建て替えられるようですね。堺東駅前のシャッターが目立ったジョルノ。「堺のジョルノビル建替え/堺東駅前で再々開発

 ジョルノにはダイエーが入っていて撤退したのは知っていたが、堺東駅周辺にはむかしニチイ、長崎屋、イズミヤがあったそうだが、ことごとくいまはない。「イトーヨーカドー堺店・閉店撤退の波紋

 堺駅前のイトーヨーカドーも去年二月に撤退していたようだ。関西初出店のイトーヨーカドーだったが、堺駅にはなにもなくて堺の繁栄地は堺東のほうだったから、ヨーカドーは堺のことをなにかカンチガイしたのだろうか。それとも関空はこちらの駅を通るからその経路を狙ったのか。

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▲堺の繁栄の中心は南海高野線の堺東駅で、アーケードの繁華街が1kmくらいの範囲に広がっている。南海堺駅にはなにもなかったが、駅前商業施設「プラットプラット」もできている。

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▲取り壊されていたイトーヨーカドー堺駅前店。ここには明治の殖産興業をひっぱった堺紡績所があった。大阪は東洋のマンチェスターとよばれていた。

 先ほどあげたブログ記事では「大規模SCはレールサイドが全滅して、ロードサイドに完全に移行した」と指摘している。鉄道の時代が終わって、車社会の時代が堺にやってきていると考えるべきなのだろうか。

 堺の北花田という少々辺ぴなところにイオン・モールができて大繁盛している。クルマで来場するような郊外型のショッピングモールである。皮肉なことに大阪市内にはロードサイドショップを展開するような土地はもうなくて、大阪市民は大和川をこえて堺市のイオン・モールまで自転車で「詣でる」すがたがあたりまえになった。ロードショップの繁栄は大阪市内はまったく蚊帳の外である。

 ロードショップの繁栄では堺と和歌山を結ぶ26号線の界隈がメッカになっている。30年前ほどにできた旧26号線のバイパス程度の役割をあたえられた田んぼの中を縫うようなのどかなその道路はいまはロードショップの大繁栄地になっている。20年ほど前でも夜になれば周囲はまっ暗になっていたのだが、この10年で大飛躍したようだ。

 堺から和歌山にかけての泉州は南海線とJR阪和線が走っていて、海に近い南海線のほうが繁栄していて、並行するJR阪和線は田んぼのあいだを抜ける田舎の路線だった。そのJR阪和線に近い26号線が繁栄の中心としてバトンタッチされようとしている。そしてその繁栄はもう鉄道ではなくて、クルマなのである。

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▲26号線のロードサイドショップの風景。泉大津あたり。ユニクロがあって、青山があって、ドンキホーテがあって、マクドナルド、吉野家、ネットカフェがある典型的なロードショップの風景。和歌山近くまでずっとつづく。

 26号線は堺では阪神高速が上を通っていたり、バイパスが通っているのでそれが降りる鳳あたりからロードショップが増えてくる。ロードショップの繁栄はその南の高石、泉大津、和泉市、岸和田などで盛んになっているようだ。距離が長い幹線道路だからか、まだ店でびっしりというわけではなく出店の余地は残っているようだ。

 泉北への34号線は泉北ニュータウンへのノンストップの快走路なのだが、土手に上がっているためにロードショップの繁栄を見なかった。田んぼと接するような幹線道路がロードショップの繁栄の条件だったようで、34号線は効率を重視して時代に乗り遅れたのかもしれない。もっとも泉北ニュータウンには土地はまだたくさん残されているようだが。

 イトーヨーカドーが郊外型のロードショップをめざして出店した土地が鳳で、アリオ鳳というシネマコンプレックスのあるショッピングモールもできている。堺はクルマ社会の郊外商業型の街に変わっているのだろうか。鉄道駅の繁栄の時代はもう終わりなのか。

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▲鳳のアリオ鳳。鳳駅にはむかしからのアーケード商店街があるのだが、繁栄の中心はクルマの郊外型モールに変わってゆくのだろうか。

 堺というのはわたしの印象ではむかしから顔がないというか、繁栄の中心地がどうもわかりにくい街だった。歴史教科書に出るような自治都市としての堺はチンチン電車が通っている界隈なのだろうが、中規模のオフィスビルが並んでいるが、商業的な賑わいはもうなかった。

 堺東駅が堺の繁栄の中心であるような印象もあったが、小さなアーケード街がある程度だった。あいつぐスーパーの撤退で堺の中心はますます拡散するようだ。ロードサイドショップの繁栄がそれをますます後押しする。

 電車の駅に降り立った人は堺の繁栄地はどこにあるのだろう?と思うことだろう。繁栄の中心はもう鉄道沿いや駅前にはないのである。幹線道路や道路沿いのロードショップに拡散してしまったのである。そしてそのような繁栄地はかつては田んぼの広がるのどかな田舎だったのである。かつての商業密集地はますます廃れることだろう。

 大阪市内の密集地に住んでいる人は郊外のロードショップの繁栄からとり残されるだろう。大阪市内の人たちは先進の商業地は外に出て行かなければならないという時代になっている。鉄道の駅を中心に繁栄して密集した土地は時代の流れからとり残されてゆくのである。


▼ロードショップ関連本が見つからないな。
みんなで変えよう!堺―新しい自治都市をめざして 市民からの提案 (堺まちづくり白書)ロードサイド商業新世紀―国道16号線にみる実態と今後の展望なぜこのチェーンストアは流行っているのか人口減少時代における土地利用計画―都市周辺部の持続可能性を探る郊外はこれからどうなる? - 東京住宅地開発秘話 (中公新書ラクレ)

郊外の衰退と再生―シュリンキング・シティを展望するファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)都心・まちなか・郊外の共生―京阪神大都市圏の将来コミュニティ・ブランディング―新世代ショッピング・センターなぜ人はショッピングモールが大好きなのか

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