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01 19
2012

セラピー・自己啓発

失業を恐れるなら禅の訓練をしよう!

 失業中には恐ろしい不安や想像ばかりが駆けめぐる。仕事が見つからないかもしれない、社会のだれからも相手にされないし必要とされないのだ、お金がなくなって生活ができなくなるかもしれない、ホームレスになるしか仕方がないのか。。といった凄惨な想像ばかりが頭に思い浮かぶ。

 たいへんに困難な時期に思えるが、この追いつめられた時期だからこそ学べることがある。心のコントロール法や心に対する認識である。これらの知恵やスキルというのはこのようなせっぱ詰まった時期にいちばん学べる。というのは心がいちばん苦しい時期は心の用い方が緊急の課題になるからだ。のほほんと平和に暮らしていると気づけない知恵をつける絶好のチャンスなのである。

 そんなことより仕事を見つけるほうが先だというかもしれないが、その余裕のなさは自分の心が追いつめているからで、いわば自分の心がお化けのように恐ろしい姿となって自分を追いまわしているのである。

 失業中というのはすこしの貯えがあれば、毎日休日をすごせる最高のバケーションである。せっかくの毎日休日のすばらしい日々をすごしているのに、自分のせっぱ詰まった心が追いかけるために余裕の日々をすごせないのはもったいない。失業の日々をバカンスにするか、地獄にするのかはただ自分の心構えひとつにかかっている。

 失業中の恐れというのは想像力や空想にほかならない。まだ現実におこったり、いまその緊急時がこの瞬間におこっているわけではない。ぜんぶ想像であり、空想であり、明日の予測にしかすぎない。いまこの時刻に脅威が襲っているわけではない。それなのにどうしていまこの時刻に脅えるのか。

 わたしたちはこの想像力の「現実化」、「実体化」という病にかかっている。いまこの時間にない不安があたかも目の前にあるかのように脅える。いま、この瞬間にその恐れは目の前にあるのか。モノや実体として存在するのか。お化けのように存在しない幻に脅えているだけではないのか。

 この知識はただ言葉で知っているだけでは不安を追い払えない。幻だ、空想だといったところで頭の中の想像はどんどんわたしを追いかけてきて、わたしを脅えさせ、追いつめる。なぜなら想像や思考というのはわたしの意志とかかわりなく、勝手に出てくる自動機械のようなものだからだ。不安な想像はわたしの意志と無関係にどんどんわきあがり、わたしを追いつめる。

 その自動的にわいてくる想像を断ち切る方法が禅の瞑想である。禅の瞑想というのは頭を空っぽにしてなにも考えないことである。いっさいの想像や思考を断ち切る訓練である。この訓練をおこなわないと、勝手にわいてしまう恐ろしい想像を断ち切ることができない。知識として知っているだけではダメなのである。

 ともかく頭を空っぽにする禅の瞑想をおこなうことである。頭を空っぽにしないと恐ろしい空想はどこまでも追いかけてくる。瞑想で理想的な状態は想像や思考を空の雲をながめるように他人事や外の出来事のようにながめることである。そうすれば想像は自然にしぼんでなくなってゆく。頭が空っぽな澄んだ状態をいつまでもつづけられる。

 しかしたいていのばあいは想像や思考に飛び乗ってしまい、その思考・想像世界に埋没している。想像の力は圧倒的にわたしたちを巻き込む力をもっている。とくに恐ろしいときや不安なときの想像の噴出力、巻き込む力はそうとうに強いものがある。不安や恐慌をきたしているときの思考の吸引力というのはふだんの倍以上の力をもつのである。ゆうちょうに雲をながめるように思考をつきはなすということはとてもできない。

 だから仏教の瞑想では念仏をとなえた。頭の中はひとつのことしか考えられないし、ふたつの思考を同時に頭におくことはできない。頭の中にひとつの言葉がずっとつづけば、ほかの思考は排除されて、身のおき場所がない。

 念仏は時代遅れだし宗教がかっていていやだと思うなら、べつに「頭を空っぽにする」、「頭をまっ白にする」、「空っぽで頭が澄んでいる」でもいいし、「羊が二匹、三匹。。。」でもいい。強力な言葉の反復でほかの想像を寄せつけなくするのだ。そうすれば思考の強力な力は頭の中で弱まってゆく。

 想像や思考の力を弱めることができたなら、不安や恐れもやんでくる。想像がやってきたとしても、軽く流したり、相手にしないことができるようになる。それは頭を空っぽにするという状態が想像力の吸引力を弱めるからである。しじゅう想像や思考に満ちている心にはそのような抵抗の力はなくて、想像と感情の波にしじゅう弄ばれることになるはずだ。空っぽな心というベースがないかぎり、想像力の嵐はやむことがないのである。

 このような瞑想の訓練をしていたら気づくはずである。わたしたちの恐れや不安はただの想像や空想にすぎなかったのではないかと。わたしたちが恐れていたものはどこにもなくて、ただ頭の中の空想が生み出す想像にすぎなかったということが。それを知識としてではなく、実感として感じられるようになるのが瞑想の訓練で思考や想像力の力を弱めることができてからだ。

 この力を弱めることができないと恐れや不安の現実性というものは圧倒的にわたしたちに襲ってくるのである。

 失業時の不安や恐れの時期はこの心の性質に気づく絶好のチャンスである。平和で温和な日々をすごしているときには心の不要性を感じることはないのでその性質に気づくことはない。恐れや不安がどこまでも襲ってきて、たまらない、逃げ出したいと思うときにしか心をどうにかしたいと思うときはない。

 だからこそ失業時はチャンスなのである。わたしたちの心とはなんであるか、なぜわたしたちは不安や恐れを抱くのか。心はどうしたら制御できるのか。失業時はわたしたちの心を追いつめて、そのゆえに性質とありようを露わにするのである。この時期を逃せば、あなたは一生、心の奴隷のままかもしれない。


▼心を断ち切る理論面での補強はつぎのような本が役立ちます。

4393710312リチャード・カールソンの楽天主義セラピー
リチャード カールソン Richard Carlson
春秋社 1998-12

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思考と感情のつながりがのべられた本で、不安なときには不安な連想がどこまでもついてくれることを教えてくれる名著です。不安なときに思考で解決することは火に薪をくべるようなものだと教えてくれます。思考の有効性を根底から疑わせてくれる本ですね。

4199060030人生が楽になる 超シンプルなさとり方 (5次元文庫)
エックハルト・トール 飯田 史彦
徳間書店 2007-11-09

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思考を断ち切る方法を時間から教えてくれる本ですね。時間に着目すると恐れや不安がいま存在するのか、それとも現実に存在しない空想にしかすぎないのかよくわかりますね。

4795223661グルジェフとクリシュナムルティ―エソテリック心理学入門
ハリー ベンジャミン Harry Benjamin
コスモスライブラリー 2000-09

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すこしむずかしいかもしれませんが、どうしてわたしたちは頭のなかでひとりでおしゃべり、ひとりごとをつづけるのか教えてくれます。その理由を知れば、その無益さ、徒労がわかるようになるかもしれません。

4892032840恐怖なしに生きる
J. クリシュナムルティ J. Krishnamurti
平河出版社 1997-03

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恐怖なしに生きたいものですね。クリシュナムルティは思考の否定的側面を論理的に考えた哲人です。

4422100521道は開ける 新装版
デール カーネギー Dale Carnegie 香山 晶
創元社 1999-10

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カーネギーの古典的なスタンダード本もうつから立ち直る方法をいくつも教えてくれますね。鉄のシャッターで明日と昨日を断ち切れという方法など使えます。

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