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01 06
2012

書評 ビジネス書

『残念な人の仕事の習慣』 山崎将志

4776206307残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS)
山崎将志
アスコム 2010-09-20

by G-Tools


 前著の『残念な人の思考法』が20万部ととすこし売れていたようだ。ビジネス書はよくなる方法は多く書かれるが、どんなことが残念なことなのか書かれていることは少ない。それとルーティーンワークを実験の場と考えるようなことが書かれてあったので読むことにした。

 まあ、客の立場でサービスのもっと改善点や効率的な方法はないかと考えたエッセイ本のようなものである。ゴルフ場、ホテル、ファミレス、タクシー、書店などの自分なりの改善方法が書かれている。客なんだから好きなことをいえる愚痴のいいたい放題の本に近いが、こういうほかの店のサービスに改善点を思いめぐらす訓練も必要なのではないかと思った。

 読み飛ばすような本だと思うが、ドッグイヤーの二、三点だけ銘記しておく。

 仕事の勉強というのは払ってするものではなくて、お金をもらってするものだといわれている。お金をもらう以上、ちゃんとした質の仕事を提供しなければならないというプレッシャーに追われることによって真の勉強や技術が身につくということだ。研修などの勉強ではこのようなプレッシャーの環境を演出することができないのだ。

 所得というのはどれだけ替わりがきく仕事をしているかと、勤務先のビジネスモデルでほとんど決まる。自分のやる仕事がどれだけ差別化されているか、勤務先の業種でどれだけ差別化されているかで生き残りが決まる。

 マネジメントの考えていることは仕事の標準化である。だれにでもできて、だれにでも替えのきく仕事に標準化してゆく。そうすれば賃金はどんどん低賃金化してゆく。

 チャップリンの時代から工場でずっとおこってきたことだが、90年代後半からはホワイトカラーでもおこっている。さっこんの賃金下落傾向は景気の問題ではないのである。

 差別化できずに標準化され、賃金が下落してゆく仕事というのは、

 ①よその国、とくに発展途上国でできること
 ②コンピュータやロボットにできること
 ③反復性のあること

 といわれている。このような仕事はいずれ発展途上国なみの賃金をうけいれざるをえないのである。

 働き手はいつも標準化の圧力にさらされている。得なこと、利益になることで選ばれている。選ばれることに鈍感である人には自分が商品を選ぶときのことを考えてみろといわれている。

 自分の選び方のこだわりはあなたの選ばれ方に比例しているかもしれない。いい加減に選ぶ人はいい加減に選ばれる。安いものばかり選ぶ人は安いかどうかで選ばれる。自分の消費行動を反省してみる必要があるのかもしれない。

 会社側が標準的な仕事ばかり押しつけてきたり、それ以下しか期待していないばあい、われわれはどう差別化してゆけばいいのだろうか。マネジメントの視点、創業的な視点を得るしかないのだろうか。


残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ) 仕事オンチな働き者(日経プレミアシリーズ) 残念な人の英語勉強法 残念な人の仕事の中身 ~世界中の調査からわかった「組織で評価されない人」の共通点 30の「勝負場面」で使いこなす ロジカル・シンキングの道具箱
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Comment

はじめまして

 最近から見始めさせて頂いておりますが初めてコメントします。

《自分の選び方のこだわりはあなたの選ばれ方に比例しているかもしれない。いい加減に選ぶ人はいい加減に選ばれる。安いものばかり選ぶ人は安いかどうかで選ばれる。自分の消費行動を反省してみる必要があるのかもしれない。》

 私も安いかどうかばかり見ているから、安いかどうかで選ばれてしまうのかなと思いました。胸にグサリと来る言葉ですね。


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