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12 24
2011

書評 歴史

『西行 魂の旅路』 西澤 美仁 編

4044072124西行 魂の旅路 ビギナーズ・クラシックス日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 日本の古典)
西澤 美仁
角川学芸出版 2010-02-25

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 西行は旅や隠遁に生きた人としてあこがれがあったが、西行が後世に名を残したのは仏教の業績ではなく和歌によってである。でもわたしには和歌を味わう素養がないので、この角川ソフィア文庫のビギナーズ・クラシックスで理解を助けようとした。現代語訳や解説がびっしりと書き込まれている。

 でもどうやらわたしには和歌を理解することはできないようだ。現代語訳の補助輪なしには前にすすめないようだ。手放しで理解できるようになればいいと思ったのだが。

 いくつか気に入った言葉をのせることにする。もちろん現代語訳つきで。それとわたしが撮ってきた西行ゆかりの地の写真も。

 身を捨つる人はまことに捨つるかは 捨てぬ人こそ捨つるなりけれ

 (身を捨てて出家する人は本当に自分の身を捨てているのだろうか。いやむしろ、出家しないで身を捨てていない人の方が自分の身を捨てているのだ)

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西行が愛した吉野の桜。標識が残念な写真ですが。

 世の中を捨てて捨てえぬ心地して 都離れぬ我が身なりけり

 (出家をして世の中を捨てはしたけれど、まだ捨て切れていない気がする。修行の旅にも出ないで、いつまでも都から離れられない私なのである)

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山の斜面一面に乱れ咲く吉野の桜。

 枝折せでんほ山深く分け入らん 憂きこと聞かぬ所ありやと

 (枝折しないで、戻る道を絶ちながらもっと山深く分け入ろう。この世のつらいことが聞こえてこないような場所があるかもしれないから)

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蔵王堂を中心とした吉野の全景

 深き山に澄みける月を見ざりせば 思ひ出もなき我が身ならまし

 (大峯山中、深仙の宿で澄んだ月を見る。聖域の中でも最も深遠な神秘の地で、この神聖な光に触れることがなかったら、私にはこの世の思い出など何もないと言っていいくらいだ)

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西行終焉の地、葛城山ふもとの弘川寺の西行堂

 山深くさこそ心は通ふとも 住まであはれを知らんものかは

 (山の奥深くにどんなに心通わせようととも、実際に住んでみないで山の魅力を知ることなど決してできないのである)

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