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08 06
2011

自分で稼ぐ方法

『起業するなら中国へ行こう!』 柳田 洋

4569655416起業するなら中国へ行こう! 北京発・最新ビジネス事情 (PHP新書)
柳田 洋
PHP研究所 2006-07-15

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 日本人は高度成長期以後のモノやサービスをうけてきたから、高度成長期のように発展する中国にいけば未来からきた人間のように有利なはずである。おいしい話のはずだが、やはり中国語の壁や中国人という見知らぬ土地や人にたいする障壁も強いのだろう。もしそのような壁がなかったら、見逃せない市場が近くに育っているわけだ。

 この本は先進社会で暮らしてきた有利さを活かしたい人は参考になる本だろうし、なによりも中国社会の特徴や性質がよくのべられている本である。中国で一旗上げたいという人は読んでみたらいいと思う。中国人の特徴を抜書きしておこう。

 中国では契約は「そのときに話し合った合意事項の備忘録」くらいに思っていて、状況が変わればかんたんに変えていいものと思っている。商品の船積みの段階で、「高値で買ってくれる会社に売った」という話が出てくることになる。契約概念には注意。

 中国の製品は悪かろう安かろうのイメージだが、すでにそれなりのお金を払えば品質のいい製品はたくさん出ている。「いかに安く売るか」から、「付加価値をつけることによっていかに高く売るか」に変わってきている。中国の市場も「安かろう悪かろう」の市場が12億人分あるが、「高かろう良かろう」の市場も一億人分育っている。相手にするのはこの市場。

 中国では即決即断があたりまえだが、日本の企業は交渉にきても「会社にもちかえります」となる。「子どもの使いやメッセンジャーボーイを出してきて、貴重な時間を奪ってバカにしているのか」と中国人に憤られることになる。

 中国でもやはり経営者や起業家になることは評価が高い。日本のように安定した大企業を離れるのはバカだという常識はない。

 中国では部下に教えたら自分の地位が脅かされると考えていて、単純作業をやらせるそうだ。日本では教えることは自分や会社の利益になると考えると思うが、こういう抜け駆けない考え方も必要かもしれないな。

 自転車に床屋道具をのせて公園などで散髪する青空床屋はたったの三元(45円)だ。日本の床屋が格安で参入する余地はない。それにしても日本の店はどうして建物がなければダメだという発想になっているのだろう。青空店なら家賃とか光熱費のコストがカットできるのに。

 中国人は公衆道徳を守らない。並ぶことも知らないし、横入りして先を争うのがふつう。守っても一銭の得にもならないと考えている。例外は「自己人」という身内意識のあるものだけで、この人たちが困れば全財産を投げ打ってでも助ける。この運命共同体から外に放り出されることは死を意味するから結束や道義は高い。中国で会社や組織に一族や友だちがつぎつぎとひきいれられるのはこの意識が強いから。

 高度成長をつづける中国だが、残業をせず定時になるとさっさと帰り、猛烈サラリーマンはいないようだ。労働の美徳や努力を美化する風土はなく、合理的でドライ。日本のような残業、こつこつ努力は認められない。

 中国はいがいに男女平等先進国。部長や課長の女性がいるのはあたりまえ。子どもの送り迎えも会社の業務より優先される社会常識が共有されている。なによりだんなの給料だけで食っていけず、共稼ぎが常識。日本の専業主婦を中国女性はうらやましく思うが、男に養われる生き方は理解できないようだ。この点では中国は圧倒的に先進国。

 日本人は礼儀正しく、社会のルールを守り、中国は見習うべきだとされるが、ルールを守らないと村八分にされ、なにをされるかわからないからという恐ろしい空気があるからではないか。その分、自由や多様性、気ままに生きる風土も抹殺されている。

 中国はここ十年二十年で高度成長をはじめた国だから、先進国/後進国の図式でバカにして見勝ちだが、こういう図式でとらえてじっさいのすがたを見ないのも危険である。中国では日本より優れている点や見習うべき点もたくさんある。先進/後進の色メガネで遅れた人たちという像で見ていると、いまにバカを見るだろう。だいたい先進国というのは後進国からの脱皮と転換という作業を順繰りで短時間でなしとげるものだ。


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