HOME   >>  おすすめ本特選集  >>  仲間外れ・嫌われることを恐れないための12冊の本
07 03
2011

おすすめ本特選集

仲間外れ・嫌われることを恐れないための12冊の本

nakamahazure.jpg


 日本の一般人には宗教嫌い、政治嫌いがあると思う。そういうことにかかわるのはアブナイ人や危険な人と思われる懸念がある。だから人は知性から離れ、テレビやパチンコなどにふけり、知性にかかわりのないふりをする。

 「ふつう」の人畜無害な安全な一般人であるというメッセージの縛りが強力に強いのだ。

 同様に仲間外れや人から嫌われることを恐れて、人に合わせて、マニアックさやこだわり、主義・主張・思想を抑える動きもあるように思われる。人から「あちら」の人と思われないために、凡庸な一般人であるメッセージを発しなければならない縛りが強いのだ。

 人から嫌われたり、仲間外れにされても平気であったり、気に病まない心・考え方をもてば、人は自分のこだわりをもったり、マニアックな趣味に没頭したり、自由な自分らしさを追求できるだろう。

 恐れはあいまいで不明確なものだからよけいに恐ろしい。輪郭や正体がわかれば、むやみに恐れる必要にないものに見えてくる。

 いつも「こちら」側にしかとどまれない人のために向こう岸に渡れるような本を紹介したいと思う。人から嫌われたり、仲間外れをむしょうに恐がらないための本。

4102033017幸福について―人生論 (新潮文庫)
ショーペンハウアー 橋本 文夫
新潮社 1958-10

by G-Tools


 ショーペンハウアーは人はひとりでいるときだけが自由であると説いた。社交や人のあいだにいるとき、自由を抑制され、人に同調させられ、自分自身をうしなうとされた。かれらは自分自身が空しいから社交のなかでしか生きられないのだと孤独を絶賛した。人に認められたいと思う気持ちが孤独を許さなく、したがってこの基準を引き下げることが肝要だと説いた。

4140019271孤独であるためのレッスン (NHKブックス)
諸富 祥彦
日本放送出版協会 2001-10

by G-Tools


 ひとりでかまわない、人から嫌われても自分をうしなうよりましだという覚悟をもつための本。この覚悟をもてないために人に合わせてしがらみに縛られて自分をうしなう人があまりにも多い。これを批判した言葉や考え方を知るだけでも人はずいぶん解放されるものだ。

4101467250カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ (新潮文庫)
中島 義道
新潮社 2005-07

by G-Tools


 人に嫌われることを恐れて自分を「よい子」にがんじがらめにしてしまった人のための逆噴射型ブチ切れ方。「よい子」というのは自分の動物やエゴを殺してしまった人間。この殻を破るには人に迷惑をかけ、嫌われ、自己主張のカタマリになるしかない。中島義道流荒療治。

4043496028ひとを“嫌う”ということ (角川文庫)
中島 義道
角川書店 2003-08

by G-Tools


 人から嫌われることが恐ろしい人は嫌うという感情がどのようなものか実情を知ったほうがいい。嫌われることの輪郭や正体をつかむために。

4422111981孤独―新訳
アンソニー・ストー 吉野 要 三上 晋之助
創元社 1999-03

by G-Tools


 心理学では孤独を人格欠陥のしるしだとか、問題がある証拠だととらえ勝ちだが、だからこそ人はこの目印を恐がるために他者依存や集団依存になる。アンソニー・ストーは孤独に積極的な価値と意味を見いだした心理学者。その考え方を知らないから、孤独を排斥するものとしてむりに恐れる。

4003411668自由論 (岩波文庫)
J.S. ミル John Stuart Mill
岩波書店 1971-10-16

by G-Tools


マニアックな天才を擁護した本で、一般の人は凡庸で画一的な空気を強制する。それを「多数者の専制」とよんだが、このような空気の中で天才も個性ある人も生きられないと説いた。凡人強制の空気にのみこまれないために。

4480080813ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)
フリードリッヒ ニーチェ Friedrich Nietzsche
筑摩書房 1993-08

by G-Tools


 ニーチェはJ.S.ミルの『自由論』とショーペンハウアーの孤独の価値を足し合わせたような思想を展開した。善人になれという道徳は凡庸で画一的な人間をうみだす危険な考えだと非難した。人が同じになるには高いところではなくて低いところに合わせられるのだ。

400338041Xキリストにならいて (岩波文庫)
トマス・ア ケンピス 大沢 章
岩波書店 1960-05-25

by G-Tools


 世の賞賛も非難も心にとどめなければ安らぎを得られると説いた本。神の安らぎに心をおくと人の非難も批判も気にならない。キリスト教であるが、安らぎの方法論として一読の価値はある。

4480080155異人論序説 (ちくま学芸文庫)
赤坂 憲雄
筑摩書房 1992-08

by G-Tools


 外部や境界に追放された境界人・周辺人=異人。かられは一方的に追放されるだけの存在だったのか。聖性をおびたり、内部の活性や新秩序を生み出す契機になったのではないだろうか。

9784480080219.jpg排除の構造―力の一般経済序説 (ちくま学芸文庫)
今村 仁司
筑摩書房 1992-10

by G-Tools


 暴力の思想家・今村仁司の思想的論考。現代思想を語った難解な内容になっているが、排除の構造について考えるための思想書。

4480081984排除の現象学 (ちくま学芸文庫)
赤坂 憲雄
筑摩書房 1995-07

by G-Tools


 なぜ社会秩序は暴力的に排除される生け贄を産出しつづけるのか。学校や都市、分裂病に照準を合わせた論考。

4588001159暴力と聖なるもの (叢書・ウニベルシタス)
ルネ・ジラール 古田 幸男
法政大学出版局 1982-01

by G-Tools


 排除や生け贄の子羊の暴力について外せない思想家のルネ・ジラール。他者を模倣することから欲望が生れるとされた。


関連記事
Comment

長文失礼いたします

うえしんさん、はじめまして。昨年の4月頃からこのブログを読ませていただいている者です。

はじめての書き込みとしてふさわしいかどうかはわからないのですが、是非うえしんさんにご紹介したいブログがありますので、コメントさせていただきました。(すでにうえしんさんがご存知であれば申し訳ありません…)

『まぶい分析学公式ブログ』
 http://drmatayan.seesaa.net/

上記リンクは、「日本文化の心理学と家族療法研究会」主催の又吉正治先生のブログです。この方の主な主張として「現代日本の心理学は単に西洋人向けの心理学を輸入しただけであり、東アジア人向け、日本人向けの咀嚼がなされないまま用いられてしまっている」「沖縄の土着信仰に日本人全体の心理構造をとくカギがあり、しかもそれは理論的に説明可能である」「現代の社会問題を解決するには日本人向けの心理学が必要である」というものです。又吉先生は日本人の心理形成に「甘え」が重要であると考え、沖縄に古来から伝わる文化、信仰を足がかりに説明しておられます。

うえしんさんは社会批評だけでなく、心理学や日本の歴史なども話題として扱っておられるため、このブログも興味を持っていただけるかもと思い、紹介させていただいた次第です。特にサイト右部の「カテゴリ」に含まれる「これで良いのか?「病める日本」の心理学」というコーナーがお勧めです。

若干このブログの話題からはそれるかもしれませんが、もし興味を持っていただけたなら、是非お時間のある時にご覧いただけたらと思います。
Trackback
title>
Trackback URL
Comment form









管理者にだけ表示を許可する






google adsense
全ての記事を表示する
ブックガイド特集
月別アーカイヴ
プロフィール

うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。ビジネス書、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、精神世界、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

twitterはこちら→ueshinzz

FC2カウンター

Page Top