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10 26
2005

CD評

むかしのカセット・テープを聴きたくなるとき


 CIMG000314.jpg ソニーのAHF、BHF、CHFのテープ

 ふいにある唄を聴きたくなって、むかし録ったカセット・テープをひっぱりだして聴くことがある。1980年代のはじめ、私が中学のころにFMからエア・チェックしたテープだ。ふだんは死蔵しているのだが、とつぜんに聴きたくなるのである。

 聴きたくなる曲のNO.1はおそらくベッド・ミドラーの『ローズ』だ。ピアノのこおん、こおんというイントロからはじまる曲は、ふいに頭の中に想い出して、とりついたように口ずさみたくなるのである。アバの『ザ・ウィナー』もたまに聴きたくなる曲だし、コモドアーズの『スティル』、ポール・サイモンの『追憶の夜』なんかも頭の中でとつぜん鳴り出すことがある。

 そうなったら、しばらくは古い時間を閉じ込めたカセット・テープを聴きつづけることになるのである。「あ~、この曲はいいなあ」とか「この曲は名作だな~」と再確認しながら、1980年代の音楽の世界にひたるのである。

 中学生だった私や、中学生だったころの思い出を思いだすわけではない。その曲を新たに聴き直しているというか、新たに再発見するという感じである。はじめて聴いた曲のように「この曲はこんなにいい曲だったのか」という新鮮な感じを味わうのである。

 中学のころに聴いた音楽というのは、多くの人にとって強烈な感動や新鮮な感じを与えるものである。年をとってから出会った音楽とは、インパクトがまるきり違う。自分のからだの血と肉となるようになじんでいるものである。何年たっても、このころの曲は名曲ぞろいだったと、自分の中では感じてしまうのである。やはり中学生といういちばん感受性ゆたかなころに聴き込んだ音楽だからだろう。

 FMでエア・チェックした曲は、曲順がそのカセット・テープにしかないものになるので、曲の並び方も強い印象として残っているものである。この曲が終わったら、つぎはこの曲だと完全に刷り込まれているのである。いわば、ひとつのセット曲というか、つながりある曲になったりして、またその調和やハーモニーも楽しませてくれるのである。

 80年代に音楽を聴いていた中学生はいまやもう30代や40代になっていることだろう。むかしの曲を聴きたくなる人も多いようで、80年代のコンピレーション・アルバムが出ていたりする。でもそういうアルバムは自分の好みでない曲がたくさん入っていたりする。もう編集アルバムをつくる気力のない世代にとってはかなりやっかいな話である。私は中学のころに録ったテープを残していてよかったなと思うのである。

 ただ、さいきんはもうすでにテープ・デッキのないコンポやラジカセが多く出回るようになっている。そんな話は聞いていなかったぞ、といいたくなるところだが、時代や技術の変化はこのように容赦のないものなのだろう。永遠と思っていたものもいつかは古びたり、消え去ったりするのである。

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