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02 10
2011

書評 心理学

感情は抵抗がアクセル

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三笠文庫にウェインバーグの「自己創造の原則」という本があった。ある感情をもとに行動するとその感情をますます強化してしまうという原則だ。恐怖を打ち消そうと行動すると恐怖を強化してしまう。人は感情は放っておけばしぼむという原則を待ちきれない。そして行動することにより恐怖を強化する。

▼改題してこのタイトルに

4837978177 自分が「たまらないほど好き」になる本
 ―「自己創造」の絶対ルール (知的生きかた文庫)

 ジョージ ウェインバーグ George Weinberg
 三笠書房 2009-09-18

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わたしの書評です。

感情というのはすでにスイッチを押して惰性で止まるまで動いている状態を考えればいい。人は感情にブレーキがあると思う。でも感情のブレーキというのはアクセルになる。じつはブレーキを踏もうという「注目」がその感情にエネルギーをそそぐのである。

社会的場面では感情をどうにかしなければならない場面が多い。恐怖を感じれば、怒りを感じれば、放っておいてよい野生状態にあるのではなく、社会的に抑えなければならない場面が多い。その感情に注目をそそぐ。そして火に薪や石炭を放りこみつづける。

感情を抑えなければならないという社会的要請がその感情の注目を生み、ますます強化するという結果に陥る。感情をどうにかしなければならないという思い込みが、注目を生み、コントロールしたいという欲求が注視を生み、ますます火に油をそそぐ。感情を雲や空のように通過する自然状態に見れない。

感情を許せないのだ。感情を自分の感じるままに放っておくということが我慢できない。自分の弱さや本心のままであってはならない、恥ずかしい、隠したいという思いがますますその感情の抑制や隠蔽をのぞむ。注目された感情はアクセルを踏みつづけた状態になる。

感情をコントロールしようという欲求と注視がエンジンの空吹かし状態をつくる。感情をありのままに放っておいてよいこと、そのような感情を感じる自分を許せないのだ。感情に腹を立てて、エンジンを空吹かししつづけるのだ。

感情をどうにかしたいと思う時点で、エンジンの空ふかしのスイッチは押されたのだ。感情だけではなく、そういう自分を許せないという気持ちのスイッチも押されたのである。

感情は注目することがアクセル。感情を抑えようとすることは、注視を生むから、ブレーキどころではなく、アクセルなのだ。人は感情はどうにかコントロールできると思って、注視して、けっきょくアクセルを踏みつづける過ちを犯すのである。

感情や思考は注目するからますます大きくなる。頭のわたしにずっと同一化している。だから禅や仏教は思考の脱同一化をずっと説いてきた。神という概念は自己の利益や立場を外すことによる解放を方便にしたともいえる。自分の頭、自己の利害にとり憑かれれば必ず不幸は起こる。頭の脱同一化。


▼感情の脱同一化はトランスパーソナル心理学でところどころにのべられていたかなあ。
自我の終焉―絶対自由への道無境界―自己成長のセラピー論

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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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