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09 29
2010

書評 マンガ論、サブカル論

『お母さんという女』 益田 ミリ

お母さんという女 (知恵の森文庫)お母さんという女 (知恵の森文庫)
(2004/12/08)
益田 ミリ

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 益田ミリは謙虚で朴訥とした絵柄がいい。ほっとする。脱力系というのか。押しや強引さ、欲望といったものが排除された謙虚さを味わえる。わざとヘタウマと雑な絵も味わいを増す。ほこっとしたいときには絵をながめているだけで安らげて、癒される。これはいいな。

 著作を見ているとゆるゆる系やダメ系も多いが、イラチ系もちょっと混ざっていて、自分のそのような性格にたいするアンチをとなえるために謙虚絵柄かもしれないと思ったりする。顔写真を見ればそのへんのところがわかると思ったのだが、ネットには顔写真はないみたいだな。顔はその人の人間性や背景をあらわすと思う。人生経験で顔からキャラを見分けたりする。当たっているかはわからないが、自分なりのデータベースを人はもっていると思う。

 このマンガとエッセイはひたすらお母さんの何気ない日常を切りとっている。ほんとになにもない。それがお母さんの日常であり、すべてであり、幸福と満足もそこにあるのだろう。まあ、このマンガにかんして批評的なことを語っても仕方がないな。たのしめればいい。

 お母さんはもったいないといって甘すぎるあんこを食パンにぬったり、近所の人といつまでもおしゃべりしたり、団地のまわりを歩いたり、手作りの小物であふれさせたり、花壇に水をやったり、娘の子どものときに好きだったものをいまでも与えたり、そんなふつうの日常がこのマンガで何事もなく描かれ、そこにほんのわずかな楽しみとほんわかする気もちを味わせる。

 このエピソードは好きだ。茶わんを重ねてふるとまるいごはんができる。子どものときの益田姉妹はそれで大喜び。これだけでうれしい子どもがいれば母にはたいそう楽しかったことだろう。

 益田ミリでもうすこしほこっとしたいな。


すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日青春、手遅れ47都道府県 女ひとりで行ってみよう女湯のできごと (知恵の森文庫)

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世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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