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08 28
2010

書評 ビジネス書

『“売る力”を2倍にする「戦略ガイド」』 水口 健次

“売る力”を2倍にする「戦略ガイド」 (日経ビジネス人文庫)“売る力”を2倍にする「戦略ガイド」 (日経ビジネス人文庫)
(2002/06)
水口 健次

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 おもしろかった。消費者は変わる、通念は変わる、固定観念は用をなさない、といった目からうろこのいい方をする人。語り口がひきつける。ネットで見ると残念なことに2008年に亡くなっておられる。1932年生まれの方だが、もうすこし活躍してほしかった。マーケティングの本であるが、語り口が柔軟で、やさしい。

 通念を捨てろ、普通名詞を捨てろという。主婦やコンビニはそれらでなくなろうとしている。

 会社の中は朝から晩までコストだらけである。製造がコストである。販売がコストである。役員がコストである。その全コストを負担するのが消費者である。消費者は変わりつづけている。すぐにコストを負担してくれなくなる。

 顧客は自分の欲しいものを知らない、モノはいらない、思い出が欲しい、ニーズは知覚されない。

 広告に街中はあふれかえっているが、効果を疑われている。巨大な雑音レベルで、効かなくなるのは当たり前。「土足マーケティング」である。見たって、聞いたって、認知されたとしても購買につながるとは限らない。

 商店は新しい業態店に負けたが、その前に家族に負けていた。「親の商売を継いでいたら嫁さんがこない」と息子たちが判断した。この指摘はなるほど。

 通念は多くの人が賛成している支配的な考え、認識。以前、正しかったこともいまは非現実になっている。現実は通念を破壊している。

 「なくては困る会社になること」が戦略。元どおりのことをていねいにやっていると用なしの会社にされる。独自性、マネのできない価値を提供すること。

 全体と平均を捨てること。そんなものは非現実であり、デッチアゲである。そんな人も個人も人びともいない。わたしもこの平均や全体の意味のなさには賛成。

 値段でとった客は値段でとられる。

 強者は必ず弱くなる。二十年前の需要に対応している。二十年前の顧客に向いている。二十年前の運営体制、成功者が経営にあたっている。世の中が自分の会社中心に動いていると勘違いするようになる。「うちは、今年、これだけの売り上げと利益がいるんだ」という考えからスタートする。世の中の基準、市場基準、顧客基準からずれてゆく。営業や専務、社長までかつての成功体験で出世してきた。

 化粧品を買いたいのではない、もっとキレイになりたい。靴がほしいのではない、こんどの海外旅行にぴったりの靴がほしい。

 興味を魅かれた方は本書の中にもっとおもしろい事例や語り口を発見できると思う。この本は2002年に書かれた本だが、もっと新しい本を読みたいと思ったら、著者はもういないんだな。惜しい人をなくしたと思うが、1932生まれの人だから仕方がない。


実況!“売る力”を6倍にする戦略講座 (日経ビジネス人文庫) マーケティング戦略の実際 (日経文庫) 安岡正篤 人間学 (講談社プラスアルファ文庫) 会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」 なぜハーレーだけが売れるのか (日経ビジネス人文庫 ブルー み 2-3)
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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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