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08 12
2010

書評 哲学・現代思想

近代哲学者の内面にわけいってみよう

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 近代哲学といえば人づてに聞いた話ばかりですね。教科書で記号を覚えるだけ。そんな暗記キーワードだけで哲学を通り過ぎるのはもったいない。

 たいがいの古典的な哲学者は五百円、千円程度の岩波文庫で読めます。近代の哲学者はなにを考え、なにを問題にしたのか、じかに本人のいったことを聞いてみたいとは思いませんか。

 本を読むということは他人の内面に入ること。思考の道筋をたどることです。知の頂点といわれてきた人たちの内面にわけいり、思考の道筋をたどり、かれらの心に重ねてみたいと思いませんか。たった500円程度でそんな高級な贅沢ができるのならぜひチャレンジすべきでしょう。

 近代の哲学者は時代が違いますから、もう時代遅れになったり、こんにち考える意味のないことを考えているかもしれません。ひとついえることは人間の普遍的な問題はいつまでも変わらないし、解決がぜったいにできたとはいえませんし、永遠に解けない問題なのかもしれないということです。

 わたしたちの社会はかれらから色濃く影響をうけ、こんにちのシステムや思考はかれらによってもたらされたものもたくさんあると思います。時代をこえてかれらの思索にふれることはわれわれの時代の相対化の視点も加えてくれるでしょう。

 わからなかったり、興味のない本もあるでしょう。興味のある本をつまむような感じで読んでいけばいいと思います。全集のように一から読んでも退屈で、投げ出したくなるだけでしょう。自分の興味の魅かれた本を手にとっていけばいいのだと思います。また、自分の興味で読むことがいちばん実りをもたらしてくれるのだと思います。

 ちなみにわたしはぽつぽつと読みましたが、わからないことのほうが多かったし、たいして読んでいませんので偉そうなことはなにひとついえないと思っています。


方法序説・情念論 (中公文庫)方法序説 (岩波文庫)情念論 (岩波文庫)哲学原理 (岩波文庫 青 613-3)省察 (ちくま学芸文庫)

デカルトは意外に読みやすいと思います。『方法序説』なんて物語風に読めます。『情念論』も感情がおこったときの体の内部でおこることを記述していて、なかなか興味が魅かれると思います。

人間知性論 1 (岩波文庫 白 7-1)統治論 (中公クラシックス)市民政府論 (岩波文庫)

ジョン・ロックは人間のかなり基本的なことを考えたのだと思います。「市民政府論」は王権の時代にこんなことをいいだせば、恐ろしいことだと思いませんか。

人性論 (中公クラシックス)市民の国について (上) (岩波文庫)

ヒュームの自己とは知覚の束に過ぎないという洞察はいまも物議をかもしています。神秘主義が飛びつく自我論ですね。

エチカ―倫理学 (上) (岩波文庫)
知性改善論 (岩波文庫)
スピノザ
国家論 (岩波文庫)
スピノザ Baruch de Spinoza
神・人間及び人間の幸福に関する短論文 (岩波文庫)
スピノザ Benedictus De Spinoza
神学・政治論 上巻―聖書の批判と言論の自由
スピノザ Benedictus de Spinoza

スピノザは数学の証明をするように真理を解こうとしました。それだけ真理の方法がゆらいでいたことがわかりますね。

エミール〈上〉 (岩波文庫)社会契約論 (岩波文庫)孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)人間不平等起原論 (岩波文庫)告白 上 (岩波文庫 青 622-8)

学問芸術論 (岩波文庫 青 623-5)人間不平等起原論・社会契約論 (中公クラシックス)

ジャン・ジャック・ルソーは哲学者のなかでいちばん読みやすいのではないかと思います。民主政治に時代の舵が変わる時代の背景をさぐりながら読めばおもしろいかもしれません。

国富論〈1〉 (岩波文庫)道徳感情論〈上〉 (岩波文庫)法学講義 (岩波文庫)アダム・スミス修辞学・文学講義

アダム・スミスの考えたことはいまでも問題になりますね。非情な資本主義か、福祉的な社会主義か。原点に帰るとき、アダム・スミスを読み直す必要があるのでしょう。わたしは『国富論』は一巻で投げ出しましたが。。

純粋理性批判〈1〉 (光文社古典新訳文庫)永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)道徳形而上学原論 (岩波文庫)実践理性批判 (岩波文庫)プロレゴメナ (岩波文庫)

判断力批判 上   岩波文庫 青 625-7

カントはひじょうにむづかしいのでしょうね。観念的な認識論をこねくりましたからだと思います。わたしはいまだに手を出せないです。

歴史哲学講義 (上) (岩波文庫)精神現象学 (上) (平凡社ライブラリー (200))法の哲学〈1〉 (中公クラシックス)法哲学講義哲学史序論―哲学と哲学史 (岩波文庫 青 629-8)

キリスト教の精神とその運命 (平凡社ライブラリー)ヘーゲル美学講義〈上〉

小論理学 上 改版 (岩波文庫 青 629-1)
ヘーゲル
哲学入門 (岩波文庫 青 629-5)
ヘーゲル

ヘーゲルは近代哲学の完成者といわれますが、どうなんでしょうか。『歴史哲学』はふつうの歴史の教科書にしか思えませんでしたし、『小論理学』は絶望的に意味が不明でした。ヘーゲルの山はどうもわかりづらい。

死にいたる病 (ちくま学芸文庫)死にいたる病、現代の批判 (中公クラシックス)不安の概念 (岩波文庫)誘惑者の日記美と倫理

キリスト教の修練結婚の美的権利美しき人生観初恋

キルケゴールは憂鬱なイメージがありますね。書影を見ると意外な本を出しているのですね。知らなかった。

幸福について―人生論 (新潮文庫)意志と表象としての世界〈1〉 (中公クラシックス)孤独と人生 (白水uブックス)存在と苦悩 (白水uブックス)

随感録知性について 他四篇 (岩波文庫)自殺について 他四篇 (岩波文庫)読書について 他二篇 (岩波文庫)

ショーペンハウアーは哲学書より人生論が多く残っていますね。厭世哲学者といわれるだけあって、影響力は強いです。劇薬にならないよう、ポジティブな自己啓発書も併用することをおすすめしますね。

マルクス・エンゲルス 共産党宣言 (岩波文庫)経済学・哲学草稿 (光文社古典新訳文庫)資本論 1 (岩波文庫 白 125-1)賃労働と資本 (岩波文庫)ルイ・ボナパルトのブリュメール18日―初版 (平凡社ライブラリー)

賃銀・価格および利潤 (岩波文庫 白 124-8)ユダヤ人問題によせて ヘーゲル法哲学批判序説 (岩波文庫)ドイツ・イデオロギー 新編輯版  岩波文庫

マルクスは20世紀に絶大な影響力をもちました。社会主義は滅びましたが、資本主義の非情さは解決されないままです。マルクスの問いと同じ時代にまたふりもどされたのかもしれません。

ニーチェ全集〈12〉権力への意志 上 (ちくま学芸文庫)ニーチェ全集〈11〉善悪の彼岸 道徳の系譜 (ちくま学芸文庫)ニーチェ全集〈14〉偶像の黄昏 反キリスト者 (ちくま学芸文庫)ニーチェ全集〈9〉ツァラトゥストラ 上 (ちくま学芸文庫)ニーチェ全集〈5〉人間的、あまりに人間的 1 (ちくま学芸文庫)

ニーチェ全集〈8〉悦ばしき知識 (ちくま学芸文庫)悲劇の誕生―ニーチェ全集〈2〉 (ちくま学芸文庫)この人を見よ (岩波文庫)ニーチェ全集〈3〉哲学者の書 (ちくま学芸文庫)古典ギリシアの精神―ニーチェ全集〈1〉 (ちくま学芸文庫)

ニーチェはいろいろな読み方ができますが、わたしは道徳批判と認識論はぜったいに外せないと思います。破壊したあと、そこから出発しなければならない原初だと思います。

精神分析入門 (上巻) (新潮文庫)自我論集 (ちくま学芸文庫)夢判断 上   新潮文庫 フ 7-1人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス (光文社古典新訳文庫)幻想の未来/文化への不満 (光文社古典新訳文庫)

エロス論集 (ちくま学芸文庫)モーセと一神教 (ちくま学芸文庫)あるヒステリー分析の断片―ドーラの症例 (ちくま学芸文庫)

わたしは認識を変えれば世界は変わるという認識にくみしますから、フロイトの幼少期に問題があるという考えには反対です。しかし人間の認識を深めたインパクトの重要性はこんにちでもあるのでしょう。


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