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08 01
2010

自分で稼ぐ方法

『「売れるお店」のつくり方』 甲田 祐三

「売れるお店」のつくり方―売上げが3割のびる店づくり「売れるお店」のつくり方―売上げが3割のびる店づくり
(1994/09)
甲田 祐三

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 売り手の視点を得るためのレッスン。わたしたちはお客や消費者、教えられる側、与えられる側、遊んでくれる側として育ち、この視点で世の中を見ることが多い。しかし大事なのは売る側、与える側の視点を早くに身をつけることである。さもないと大人になってもメシの稼ぎ方がいつまでも得られない。売る側からの視点を訓練することはこの社会の基本訓練である。

 お客としてなら店のことをとやかくいえる。しかしつくる側となったら、はたしてそれ以上のものをつくれるだろうか。受け手の視点ではどんな文句でもいえる。はたしてつくる側になったとき、自分でけなされないレベルのものをつくれるだろうか。ぼろクソに客にけなされそうだ。買い手から売り手に立つことがいかにむづかしいか、この訓練は早くにやっておくべきだと思う。

 店というのはゼロからつくる。すべてまっ白ななにも決まっていない状態からつくる。すべては意識や思考によって、ひとつひとつが意識的に決められる。TVドラマの風景や通行人がすべて計算されていることと同じである。このゼロからすべてを計算するという働きがつくり手側に求められる力量なのであって、受け手や客の視点ではなかなか得られない頭の働かせ方が必要なのである。これこそ社会人になるために素養だと思うのだが、教育とか世間とかそれを教えてくれないんだな。それが欠如したわたしは94年刊の百円本で頭のレッスンだ。

 この本はイラスト多用の教科書的な本である。教科書的な本は知的興奮もインパクトも与えないものである。すべて平均的に捉えようとして薄められた内容しか書かれない。そのために読み物としてはおもしろくない。専門的な本のほうが偏りや視野が狭いばあいがあるのだが、狭くて深い探求がおこなわれているので、ずっとおもしろい。入門書は薄く伸ばされたガムのようだ。

 順にドッグイヤーの折られたところについてのべる。店員の姿勢は操り人形のような上から吊り下げられたような姿勢がいいと書かれているが、吹いた。これはマジなんだろうか。「お迎え3歩、見送り7歩」ということがいわれているが、買ってもらったらそれでいいやという店員への戒めなのだろう。

 「2・8(ニッパチ)の法則」というものがあるそうだ。二割の商品で売り上げの八割を占め、のこり八割の商品は売り上げの二割しかすぎないということだ。会社でも二割の人が売り上げの八割を占めるという。店内の売れる場所も手前の三分の一といわれている。

 人は左側の壁を背にして歩くクセがあるそうだ。心臓を守るとか、利き手が右手の関係だろう。売れ線のものは左側におくのがいい。まあ、コンビニではレジの店員を避けて歩くということがあるらしいが。

 棚をまとめるとき、まん中からはじめれば、ずれなくなるらしい。ふつう人はいちばん上から手をつけやすいものだが、そうするといちばん下がずれやすい。生け垣も中央からはじめるとまとまりやすい。テストでもかんたんな問いから解いてゆけというようなものだろう。

 わたしはディスプレイの章がいちばん興味をひかれた。八百屋のひな壇など意識的なディスプレイがほどこされていたのだなと知らされる。大事なことはばくぜんと見ていたものを言語化することだ。ばくぜんと知っていることと言語化されるインパクトはかなり違うし、意識化されることはその操縦を可能にする。わたしたちはものをイメージで捉えているのだが、言語化すればその行動や対処はずっと変わったものになる。言語化されないものは見ていても意識されないという状態にとどまる。養老孟司のいう「バカの壁」だ。言語化は行動のいしずえである。

 うわさは悪いものはすぐに広まる。店で悪い印象をうけると22人に話すというが、よい印象は8人しか話さなかったという研究があるそうだ。店の評判はすぐにガタ落ちになる。

 売り手のレッスン、わたしはそのためにこの本を読んだが、わたしが手に入れたいことは自分を売るという姿勢のことだと思う。自分を売るということがどうもわたしにはできないというか、この視点が欠如しており、謙遜の美徳だけではビジネス社会を生きていけないのになぜかわたしはこの姿勢が欠落している。

 どうもわたしは売るという行為に道徳的タブーを課しているようなのだ。売るということは利己的な、金儲けのロクでもない黒い行為という思い込みがあるようだ。この心のブロックはなにかということと、ブロックのバリヤーを破ることがこの本を読もうとした動機にあるのではないかと思う。あんがい商行為にこう思う人もいるではないかと思う。それで現場の作業とか公務員の職につこうとする動機が生まれるのではないだろうか。売る行為のバリヤーになっている考え方とはどのようなものだろう。まあ、こんな考えでこの本を読む人はいないだろうが。。


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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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