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06 10
2010

自分で稼ぐ方法

『週末起業サバイバル』 藤井 孝一


週末起業サバイバル (ちくま新書 811)週末起業サバイバル (ちくま新書 811)
(2009/10)
藤井 孝一

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 その気になった。自立して生きていかなければならないなと思った。

 起業はもはや選択の余地はない。宿命になったとこの本はアジテーションする。早期退職で50代で会社を去らざるをえない人は3割にたっし、給与も9年連続で減少し、非正規も1737万人、34%に増えた。

 会社は「好況時に安易に人を雇うと、不況時に苦労する」ことを学んだので、雇用や正規の就職はいっそうむづかしくなる。非正規が増えたのは若者だけではなく、中堅、中年でも増えている。ほかにいくところがないだろう、しがみつかざるをえないだろうと足元をみられて賃下げや条件の劣悪化もおこっている。

 犠牲者にならないために自立するしかないのだ。リストラされたり、転職先が見つからなくやむなく自分で稼がなければならない人が増えて、起業せざるをえない人があらわれてくる。選んでいる権利などもはやない。起業するしか生きてゆく道はないのだ。十年ほど前、大阪でどっとホームレスが増えたとき、西成でゴミから拾ってきたモノを売っていた露店が増えたことを思い出す。雇ってもらえなければ自分で稼ぐしかないのだ。

 起業といえば優秀な人や商才のある人向きだと思うかもしれないが、こんにち経営者になっている人はサラリーマンになれなくて仕方なく経営者になった人も大勢いるそうだ。そういう人たちが堅実で収入が安定しているとサラリーマンをめざして会社に入った人を使っているのだ。

 起業というのはむかしお金が儲かるからやる人が多かった。ウン千万儲かるといえば身をのりだす人が多かったそうだが、さいきんはそういうことに関心がない人が増えた。「自分のやりたいことをやりたい」「自分らしく生きたい」ということで起業をめざす人が増えたそうだ。

 雇用減の不安の時代にスキルアップや勉強して自分を磨く人がいるが、その雇ってくれる職場自体がなければなんの役にも立たない。いまの時代の勉強というのは職場で活躍したりスキルアップするための知識を学ぶのではなく、自分で稼いだり、起業できるスキルや知識が必要なのだ。もはやそのような自覚をもたないことには生き残れない。会社にしがみつくことがいちばんリスクが高いのだ。

 わたしもサラリーマンや会社に雇われるしか生きる道はないと思い込んできて、しかしサラリーマンや終身雇用というものが大嫌いだったので、フリーターをやったり、やめたり、ぶらぶらして迷走する、ひじょうに鬱屈した職業人生を歩んできた。

 自分で稼ぐことや起業を対比して考えると、どうしてこんなに会社に雇われる生き方がいやだったのか見えてくる気がする。けっきょく、自分の好きなように生きられない、自分の自由も時間もないし、自分の思い通りの人生を生きられている気がまったくしなかった。だから自分で稼ぐ、起業するという対比はひじょうに重要だと思うのである。自分の人生をとりもどすという意味で、起業という選択肢をひとつ入れておくべきなのだ。

 他人に人生を決められること、他人に人生を牛耳られてしまうこと、このような拘束の人生がたまらなくいやだったのだろう。だけど生きてゆく道、食ってゆく方法がないので仕方なく会社や上司の要求や規律の行動にしたがってゆくしかない。こんな人生がたまらなくいやだったのだと起業からの対比でうきぼりになる。自分で稼げない人は他人の規律や要求にしたがわざるをえない不幸を背負うのだ。

 人に雇われる人生はひじょうに不幸だ。しかしそんな選択しかないと思ってきたし、それ以外の生き方も会社の安定と定収入の道を選んだほうが堅実で得である時代が長くつづいたから、思いつきもしなかったのである。

 頭を冷やそう。起業というのはかんたんではないし、賢明な選択でないかもしれない。だからこの本では安定した収入を確保しながら、週末に起業して自分でじょじょに稼げるようになる助走期間をつけろといっているのである。いまはネットなどで資金なしでも起業できる業態も増えた。生産手段が小型に安価になり個人でも所有できるようになり、起業は身近なものになった。

 そして雇われる生き方もどんどんリスクを増し、雇われることは先方の勝手な都合により放り出されることがあたりまえだから、自分で稼ぐ腕をもっていないとすぐに食いっぱぐれることになる。会社というのはさんざんこきつかったあげく、転職もできないしスキルもないいちばん困っているタイミングでクビを切るものだ。ぜんぶ会社の都合と勝手で人生を決められるのだ。会社というものはそういうものだとさんざん学んできたと思うが、クビだけはないと思ってきたかもしれないが、すべての論理は相手の勝手の都合なのだからさいごの一線だけ違うと思うのはムシがよすぎる話だ。

 雇われる生き方しか知らないわたしにとって起業は遠すぎる方法だと思う。ただ起業について学ぶと仕事の全工程をまとめて見る目を養われると思う。サラリーマンだと業務の一端しか知らないし、たずさわれない。起業では仕事の全部をまるごと覚えたり、見ることになる。仕事というのはこういう面から見てみないとなにも学べないと思うのだ。だから起業について学ぶことは仕事の始まりから終わりまですべて学ぶことになると思う。この発想を身につけることはひじょうに大事なことだと思う。

 起業という言葉はおおげさだし、ビジネスエリートという気がするが、むかしの日本人はほとんどが自営業者であり、自分の稼ぎで食ってきた。農家というのは自営業だった。さきほどあげた西成のガラクタ露店など自営だろうし、江戸時代の人なんて商材をゆずりうけて町中で売り歩くといった商売をしていた。空き缶リサイクルも自営だろう。

 日本人はサラリーマンになるしか生きられない人生を戦後歩んできたわけだが、ひじょうに不自由で不幸な時代であったと思う。安定をひきかえに魂を売る人生を選択せざるをえなかったわけだが、会社はその安定を与えてくれないばかりか、そのおこぼれにもあずかれない時代になったようだ。自分で稼ぎ、自立して生きなければならない時代になった。

 いますぐに起業なんてムリだろう。選択肢のひとつとして起業をふところにしのばせておかないとご主人さまのご都合で路上に放り出される時代になったということだ。自覚と覚悟をしっかりと胸裏に刻まなければならなくなったことを覚えておくしかない。もはや選択肢はない。選ばざるをえない。ならば自分で稼げる方法をたえず発想してゆかなければならないだろう。そのほうが不本意なサラリーマンとなるより、自分の人生を生きられると思うのだ。災い転じて福となすである。


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Sさん、ありがとう。

まだまだ思いつきの段階でしかありません。根性も性根もすわっていません。たんなる自由の憧憬というしかない段階です。

それにわたしには行動力がありません。商売する根性もありません。そのような人間であるからこそ、本を読んで評論のような真似事をするのが好きなのでしょう。

まだ田んぼに苗を植えたような段階です。あれこれ自分にあったものを考えながらじっくりと根を育てていきたいと思っています。

起業と雇われのメリット・デメリットを考えた場合、
起業して成功すれば大もうけが期待できる。
逆に失敗すると多額の借金を背負う場合がある。

雇われは成功(有能)しても大もうけできない。
失敗しても辞めるだけで借金を背負うことはない。
と言えると思います。

もっとも起業しても大きく儲ける気はない。
雇われていることが嫌だからという場合もあるし、
雇われでも充分な報酬を得ている人もいますね。

分かりやすく飲食店経営で考えてみると、
時給800円で雇われる。
ところが客が入らない。それでも家賃と人件費は発生する。
これは地獄ではないでしょうか。

まったく身勝手な都合で従業員を切る経営者は
論外ですが、経営が苦しく借金が膨らむ。
潰したくなければ人件費削減を行うしかない。
それこそカーネギーの「人の立場で考える」と
経営者側も苦しい。

「借金がなければ金持ちと同じ」という言葉がありますが、確かにゼロの状態ならまだラクです。
マイナスを食うと精神的にもキツイですしね。

「金持ち学」なる本も書き、六本木ヒルズに住み、
競走馬も数十頭所有していた関口房郎氏。
今では六本木ヒルズを出て正確な行方が分からず、
競走馬も差し押さえられている状況です。

ブックオフの100円棚で「金持ち学」が奇妙な
存在感を醸し出しています。

わからないものですよね。人生って・・・・

戦後の日本人は雇われて会社に入る道しか生きる道はないと思い込んできましたね。
起業率もどんどん落ちていて、われわれの実感と合致するところですね。

要は自分でリスクをひきうけて資金から事業内容すべてに責任を負うという生き方から逃れてきたわけです。
多くの人がそのリスクより雇われて生きるほうがリスクが少ないという現実のメリットを知っていたわけですね。
正しい生き方だったと思いますし、賢明な選択であったと思います。

ただ雇われる生き方はぜんぶ人任せで、人生の選択も仕事の選択も会社や上司に握られることになって、てんで自分の人生を生きていない、人生の舵を握られないと感じてきたのも事実であったと思います。
雇われる人生の最大のリスクはそれだと思います。
自分の人生を生きられない。
ぜんぶ会社や他人の都合で決められる。仕事をなくすのも他人の都合です。
それでも安定のメリットが大きかったから、雇われ人の人生を多くの人が選択したのだと思います。

自分で起業するということは雇われ人の人生からは恐ろしいことだと思います。
起業にかんする、自分で事業をおこない、客と対峙するということはたいそうわれわれの不安を煽ると思います。

ただこれから会社の勝手な都合で首を切られたり、給料を下げられたり、待遇を下げられたりする雇われ人の浮き草のようなリスクはますます高まってゆくと思います。

そういう場所に押し流される前にひとりで生きていける、自分で稼げるにする心構えをすこしでもはやくつちかってゆくことがいま大事だと思います。

まあ、わたしも自分でぜんぶをひきうける起業なんてコワくてじっさいにはなかなか手をつけられないと思いますが、そういうメンタリティはすこしずつでも育てるべきだと思います。

うえしんさんの場合、
起業というよりも、この文章力を活かして、
フリーでライターの仕事をされてはどうでしょう?

Re: タイトルなし

文章で食うというのはなかなかむづかしいもので、一般受けするメジャーなものに興味をもたなければならないので、偏狭な趣味をもつわたしはどうも適性がないのでしょう。
文章で食えればいいですが。

読書同好会(名前検討中

藤井孝一 週末 で プログ検索中です
この本 まだ 読んでいません。
脱サラ ブーム という言葉を 思い出します。
フランチャイズ 物品仕入れ 販売促進 
独立は 大変ですね。近所とその周りで コンビニ店 4店舗ぐらい 閉店しています。
昔 雑誌で お金になるという 本で アイデア商品というか 少し 変わった商品を 販売して 独立するような記事を 見たことあります。
そういえば 携帯電話の 0円機種の頃 販売店も 多かったですね。~ 
消費税増税 恐ろしいですね。
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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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