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05 19
2010

書評 マンガ論、サブカル論

『サイバラ式』 西原 理恵子

サイバラ式 (角川文庫)サイバラ式 (角川文庫)
(2000/10)
西原 理恵子

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 西原理恵子はどれかを読みたいと思っていたが、なかなか入り口が見つからず。ギャンブル体験や旅行体験記などの毒舌系があるが、わたしが読みたいのは泣ける系や叙情派とよばれる物語だろう。

 女性のサブカル文化人といった一群の人たちがいると思う。『だめんず・うぉ~か~』の倉田真由美や中村うさぎとか内田春菊とか。マンガを描いておきながら新潮文庫に収録されていたり、エッセイでも文芸系に属さない人とか。どちらかというとオンナのホンネ系というか、エゲつない系、露悪系といったらいいのか。

 オンナの美しい、きれいな偶像を、それはもちろん男の勝手な妄想だろうが、女性のほうから壊すような人たちである。女性の共感をえるために書かれているのだろうが、男から見ればオンナの偶像を壊すというか、露悪的にさらしているように思える。あくまでもわたしの勝手な外からの印象であるが、そういった女性たちがサブカルあたりにおおくいるように思える。

 岩井志麻子はホラー小説を書いたり、エロっぽい小説を出したりしているようだが、テレビで露悪的なキャラで売り出しているらしい。『オバさんだってセックスしたい』なんて新書を出して何者?と思ったが、品行方正な文化人から逸脱したキャラのようである。西原理恵子とつながりがあり、ひとつのグループっぽいのかもしれない。倉田真由美はしょうしょうきれいなのでテレビに出たりしているが、評論家としては役不足に思う。彼女たちとくらべると酒井順子はまだまだ品行方正なほうだろう。益田ミリなんてかわいいほうである、ほっとする。

 中村うさぎは買い物依存やホスト通い、風俗店勤務などの自虐的・露悪的な路線で売れている。オンナのホンネやエゲつなさ、醜さ、汚さといったものをここまであからさまにさらした芸風はかつてはそうなかったように思う。女性の時代というものか。西原理恵子はそういう流れの中でのひとつのアタマあたりに位置づけられるのだろうか。

 女性たちが自分のダメな部分や醜悪な人生をさらしてそれで共感をえている。ひとむかし前の男の私小説みたいなものである。オンナの無頼派なのだろうか。それが文芸という堅苦しいものではなくて、マンガやエッセイなどのサブカルでおこなわれている。時代なのだろうな。

 『サイバラ式』のなかでわたしが気に入ったのは高知の浦戸で少女時代にだれもいない部屋でおじいちゃんとおばあちゃんの話し声が聞こえてきて、おばあちゃんに話したら山のてっぺんの観音さまにつれていかれたという話である。景色がきれいだったという話で終わる。そういう叙情的な話なら読みたい。『いけちゃんとぼく』や『女の子ものがたり』、『パーマネント野ばら』などにその作風は楽しめるのだろうか。『毎日かあさん』がアニメ化されたり、映画化がつぎつぎとされたり、評価が高まっている時期なようである。









いけちゃんとぼくパーマネント野ばら (新潮文庫)女の子ものがたりぼくんち (ビッグコミックス)はれた日は学校をやすんで (双葉文庫)

だめんず・うぉ~か~ (1) (扶桑社SPA!文庫)私という病 (新潮文庫)オバサンだってセックスしたい (ベスト新書)私たちは繁殖しているイエロー (角川文庫)負け犬の遠吠え (講談社文庫)


わたしの書評です。
『私という病』 中村うさぎ
『負け犬の遠吠え』 酒井 順子

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うえしん

Author:うえしん
世の中を分析し、知る楽しみを追究しています。興味あるものは人文書全般。神秘思想、仏教、労働論、社会学、現代思想、経済学、心理学、歴史学。。 そのときの興味にしたがって考えています。

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