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05 15
2010

書評 歴史

『人類が消えた世界』  アラン・ワイズマン

人類が消えた世界 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)人類が消えた世界 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
(2009/07/05)
アラン・ワイズマン

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 自然科学の本を読むのはひさしぶりである。読みたいと思っているのだが、社会系の本を読むほど益はないと思って読む時間をつくれない。社会系の本だけでは人間社会だけの世界に偏って視野が狭まってしまうという危機感はつねにあるのだが。

 この本は率直にいってあまりおもしろくなかったので読む時間がとどこおった。すこし苦痛だった。やはり社会系の本にしか益がないという考えに毒されているのか。おもしろみにどんどんひっぱられるという本ではなかった。もちろんわたしのほうに偏りがあるからだろうが。

 この本はどちらかというと人類が滅んだあとの世界というよりか、現在のほうに焦点があたっている。現在の人間の技術の管理や人類の生態破壊などがおもに語られていて、想像力が未来までなかなか及んでいかないという感じがした。

 人類が滅んだあと、原子炉やプラスティック、石油、ダムなどはどうなっていてゆくのかといった心配がされている。人類は滅んだあともこの地球に永久に害をのこしてゆくのだろうか、そんな懸念がのぞかせている。まあ、自然は人類が滅ぼうが滅ぶまいが、旺盛な回復力や繁殖力で人類の存在などおかまいなしに世界をおおってゆくのだろう。

 人は人類が滅んだあとの世界やこの先進の文明が滅んだ世界を描くことが好きである。現代の支配力や権力の復讐をくわだてていたり、警鐘を鳴らしているのである。「おまえたちは役に立っていないのだ」、「滅んでしまってざまぁみろ!」ということである。そういう快感を味わいたくて、わたしたちは廃墟や人類滅亡後の世界にひかれるのではないだろうか。もちろん人類滅亡後の実存的興味もあるだろうが。

 めげずに自然科学の本は時間をつくって読みたいと思っている。『眼の誕生』という本は読みたい本の筆頭リストかもしれない。生命が外界を察知するという機能は客観的に見られるようになりたいものだ。人間社会の狭い視野だけにこもりたくないものである。想像力を世界や宇宙にもひろげたいものである。


アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界フューチャー・イズ・ワイルドフューチャー・イズ・ワイルド コミック版―驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界フューチャー・イズ・ワイルド完全図解ーーThe WILD WORLD of the FUTURE眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

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Comment

そのうち聞かせてくださいな

こんにちは。
うえしん様の読書って、個性的に感じることがあります。社会系は科学系と比べて、直接的な社会的行動の成功とかに繋がり易いように見えるのに、そういう成功にはご興味がないようですし。人を超えたことわりなら、科学系でしょうけど、あまりお好きではないようですし。どこに行かれるのでしょうね。

興味というアンテナ

わたしは社会系の「あ、わかった」とか「目からうろこ」といった驚きに出会う本が好きです。あまり実際的な成功や行動に結びつく本のために読むというわけではありませんね。そういう営利的な発想で読めればいいのですが。

とにかく自分がおもしろい、興味があるというアンテナだけが頼りです。

社会のことばかりに目を向けると自然とか宇宙という、人間からかけ離れた、この世界をつつむものといったことから遠ざかってしまいますね。視野が狭量に貧困になってしまうと思うので、できるだけ避けたいとは思っているのですが。

ごーまんかましてよござんすか?

どこがおもしろいんだ?むしろおもしろくなかったぞ?

SF的なドラマを期待したら肩透かしを食らうでしょうね。現在の技術が地球にどう残ってゆくかという話でしたね。
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