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12 31
2005

恋愛・性・結婚

性愛関係とは市場経済である。


 まったく考えがまとまっていないのだが、いちおう書きだすことにしよう。

 近代からの性規範というのは、セックスを生殖のためのものと快楽のためのものにきっぱり分けた。というか、セックスを生殖のためにするものだとして、それを一夫一婦制のなかに閉じ込めた。

 そのために抑圧された性は、売春やポルノ産業、AV産業などの巨大な市場をうみだすのである。つまりは人間の性は生殖に限定されるのではなく、快楽のためにおこなわれるということだ。厳しい性抑圧が、巨大なマーケットを必要とするのである。

 いわば闇市場と同じで、麻薬やピストルは禁止されるから高額な価格で取り引きされる。禁止されて高額にはね上がったのは生身の女性の身体であり、性である。性を禁圧された男性は、生涯の終身保証を約束して女性を囲うか(結婚)、ポルノ産業や性風俗産業にお世話になるしかない。

 高潔な主婦は売春婦を憎む。憎めば憎むほど、自分たちの価格は吊り上がるからである。性市場を闇に葬れば葬るほど、売春婦と自分の価格は高騰するのである。売春婦サマサマである。売春婦と主婦の価格は連動しているのである。性のおあずけは自分の価格を高める。

 しかしもちろん女性にも性欲はあるし、恋愛物語に昇華するだけでは不満は解消されないだろうし、禁圧された性関係は、おそらくはファッション産業の無闇な商品競争を激化させるだけなのだろう。女性たちは淫乱でないことを必死におたがいに守りあうように牽制し、それは自分たちの価格が吊り上がるからだが、おかげで男たちは巨大な性産業やオタク・マーケットに逃げ込む構造をつくりだしたのである。

 さっこんの晩婚化はこのことと関係があるのだろうか。女性の価格は高騰するし、消費の女王のために男は奴隷労働に従事しなければならないし、こんなことだったらアニメの美少女に萌えているほうがラクだし、AV産業のほうがナマ身の女性よりカネがかからないし、ラクだ。そうやって男はすごすごと恋愛市場から敗退していったのである。

 女性たちは男性支配社会に抗するかたちでキャリアをめざした者たちも一部にいたが、二重給与構造は変わらないし、男に囲われたほうがいまだに豪勢な消費生活を享受することができる。キャリアをめざせば、結婚もできないし子どもも生めない。男に囲われたほうがラクそうだと思うのだが、満足する消費レベルを維持できる男はいないし、イケメンもいない。男と女の関係は凍結するばかりである。

 そうして生涯一人の人だけに愛と性を捧げるロマンティックラブ・イデオロギーにもとづく一夫一婦性は破綻をきたそうとしているのである。不整合は結婚前の長いOL時代や結婚後の長い主婦生活にあらわれ、それはOLの海外でのリゾート・ラバーやイエロー・キャブ、主婦の不倫願望などによって表出したりするのである。

 これは一夫一婦制がもうダメなのかということなのか、それとも恋愛結婚イデオロギーが破綻しかかっていることなのだろうか。あるいはガス抜きの要求が高まっているだけのことなのか。

 結婚市場というものがなんらかの要因によって硬直している。経済市場なら売れなくなったら大安売りするのが当たり前のことなのだが、こと人間のこととなると尊厳やプライドといったものがあるから、そうやすやすとは安売りできない。自分たちが市場経済に売り買いされている商品という自覚もないし、したがって破綻の原因も市場に求めるということもない。ガンコな性規範や性道徳が感情レベルで埋め込まれているだけである。

 われわれは市場の中で取り引きされる商品にしか過ぎないと見ることで、これからの男女関係の展望は見えてくるのではないだろうかと私は思う。

 ▼参考文献
売る身体・買う身体―セックスワーク論の射程性的唯幻論序説「非婚」のすすめ消費される恋愛論―大正知識人と性  
 ▼ちなみに主婦は専業の売春婦だと知ったのは、私にとっては岸田秀の『性的唯幻論』や森永卓郎の『非婚のすすめ』などがはじめてだと思うが、こんなことははるか昔、大正時代の知識人によってやかましくいわれていたことが田崎英明編『売る身体/買う身体』からわかったし、ボーヴォワールもいっていた。私たちは恋愛至上主義によってそれを必死に隠蔽もしくは忘却してきたのではないだろうか。


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Comment

>禁止されるから高額な価格で取り引きされる。禁止されて高額にはね上がったのは生身の女性の身体であり、性である。性を禁圧された男性は、生涯の終身保証を約束して女性を囲うか(結婚)、ポ.ル.ノ産業や性風.俗産業にお世話になるしかない。

だから簡単に股を開くようになった現代日本女性の価値は暴落して
結婚できなくなったんですね
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